みなさん覚醒剤はやっていますか?やってるわけないですよね。わたしもやっていません。ちょっと読んだエッセイにヒロポンなるものが出てきて興味がわいたので調べてみました。


私はヒロポンというと、70年代やくざ映画とかでポン中(ヒロポン中毒)になったチンピラがヒロポン欲しさに強盗するシーンとかくらいのイメージしかないんですね。普通に薬局で売られていたとは知りませんでした。



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【麻薬を育てているわけではありません。これはトマトです。】

ヒロポンというのは所謂覚醒剤の商品名で戦時中は流通していたんですね。日本が国策的に利用していたそうです。これは国民をシャブ中にしようとしていたわけではなく、疲労回復とか頭脳が明晰になるやらで軍事工場の工員の効率化の為に配給していたとのことです。でみんなおかしくなっちゃわないかというと、錠剤で適量呑んでいれば中毒症状がでるのは時間がかかり、副作用のことはあまり皆心配していなかったと。


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特攻隊がシャブ打たされてから突っ込んで言ったなんて話も聞きますけれど、これは特攻隊だけでなく、皆、覚醒剤を打って、もしくは錠剤で摂取していたんです。小学校の時、軍人の写真を見ていると目が行っちゃってる人が多く怖かったのですが無関係じゃなさそうです。また、軍が覚醒剤を利用したのは日本だけでなく、アメリカもドイツも行っていたようです。


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で、普通に薬局で買えるようになると、やはり大量に摂取する人が出てくるんですね。注射で摂取する方が中毒性は高く、戦後、元軍人が闇市に大量に流すなどして一気に中毒者が増えたようです。何百万人が中毒になり、戦後まもなく法律で取り締まるようになり表の舞台から覚せい剤は姿を消したわけです。

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しかし、中毒患者は闇に流通する覚醒剤を死に物狂いで探し求めていたわけで、値段も高く先の70年代映画みたいな話になったようです。

無頼派作家の織田作之助はヒロポンを打ち、ビタミンBを打ち、最後に求心を飲んでいたと同じく無頼派作家の坂口安吾はエッセイの中で紹介している。ビタミンBと求心を飲むと中毒にならないとのこと。面白かったのは坂口安吾は仁丹よりも求心の方がべら棒に高いので、人々はこちらの方が効果が高いと信じていると、人々の心理を読んでいる。


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こういう話を聞くと、なんだ、今も昔も日本人なんて変わっていないじゃないかと思い安心します。


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【普通に覚醒剤とか書かれてあります】


話を戻しますと、私は留学先でヘロイン中毒の若い奴を多少見ているので麻薬の怖さは少しわかります。廃人になりたくなければやめた方がいいですね。しかし、普通に覚醒剤が流通しているなんて考えるだけで恐ろしいことですよね。