長女が中学校に進学するにあたり,学習用のノート類をどのような方式にするか検討した。最初から一貫した方式を採用しておけば,途中で方式変更した場合のような移行措置の必要が生じなくてすむ。学年切り替わりの今の時期こそ決断にふさわしい。
ノートのとり方のような大きな話ではなく,形式面の話である。
ルーズリーフととじノートのどちらを採用すべきか。
<ルーズリーフ>
メリット
- 差し替えが自由
- ルーズリーフ用多穴パンチを使えば,授業プリントなども一元的に扱える。
デメリット
- バインダーがかさばる。
- ページをめくりにくい。
- 散逸の危険がある。
<とじノート>
ルーズリーフのそれの逆である。
メリット
- 一冊一冊はかさばらない。
- ページをめくりやすい。
- 散逸の危険がない。
デメリット
- 差し替えができない。
- 授業プリントを一元的に扱おうとすると貼り付けることになるが,ぶかっこうに膨らむ。
リーフのとじ具部分をバインダーから独立させることにより全体のかさばりをおさえるというアイデアによって,ルーズリーフととじノートのメリットのみを享受することを目指す製品が3種類登場している。
- コクヨ スマートリング
スマートリングとは,ルーズリーフのリング部分のみを独立させた文具である。ドット入り罫線のリーフを加えた状態で販売されている。
リングが開閉自在なのはよいが,あまりに簡単に開いてしまい,カバンの中でリーフがバラバラになってしまう。私にとっては論外なので以下では取り上げない。 - カール ルーズリング
ルーズリングも,ルーズリーフのリング部分のみを独立させた文具である。こちらが先発である。リング部分のみで販売されている。
- リヒトラブ ツイストリング製本用とじ具
ダブルリングノートの国際規格の位置で穴あけしたリーフを開閉自在なリングでまとめて,リングノート状態にする文具である。
B5 40枚収容 N-1817
B5 100枚収容 N-1818
日常の学校持ち歩きに使用するのは主に,N-1817(40枚収容)になる。N-1818は多く収容できるが,リングの直径が大きくかさばり、とじノートっぽさが失われる。全科目を1冊にまとめて,後日,分けるという従来のルーズリーフのような使い方をするなら100枚収容のN-1818もよいが,その場合は,後述のリングノート保存用バインダー(リングレックス)(100枚収容)N-1692も候補となろう。
我が家は,アのうち,3.ツイストリング製本用とじ具を採用することにした。次の理由による。
- 穴開けの本文に対する影響を最小限にできる
ルーズリーフは紙の端から穴の遠い端までの距離が約9mmであるのに対し,ダブルリングノートはそれが約7mmである。
多穴パンチで授業プリントに穴をあけた場合の内容への影響を最小限にとどめるには,この2mmの差が大きい。ダブルリングノートの規格のほうが適している。 - かさばらない
とじ具部分の幅が狭いので、ルーズリーフよりはかさをとらない。未使用のリーフをとりはずせばさらにかさを抑えられる。 - 見かけがとじノートっぽい
外形は単なるダブルリングノートにも見える。学校では,担当の先生の方針により,「ルーズリーフは禁止」という場合が少なくないが,そのような場合でも,こちらならお目こぼしされる余地がある。 - 完全にとじノート化することもできる
ダブルループリング製本機を使用して本格的に製本することが容易である。これならばリングノートつまりとじノートの一種として許容される余地が3.以上に広がる(なにしろ、製本すればダブルリングノートそのものだから。これに対し,ルーズリーフの場合,いくら製本風にしたところで,リングの大きさから「元ルーズリーフ」であることがバレバレであり,「リングがやたら大きいだけでリングノートの一種ですよ~」という言い訳は通用しない)。そして,学期が終了するなどして先生による「ルーズリーフ禁止」の拘束を離れたら、リングを外して差し替え式の管理に戻すこともできる。
ツイストリング製本用とじ具の採用を前提として,それによってとじる対象であるリーフの罫線は何がよいか。何かしらの工夫があるものとして,以下の候補を考えた(ルーズリーフを採用する場合でも、選択の考慮要素は参考にしていただける)。
- コクヨのドット入り罫線
- ナカバヤシのスイング・ロジカルノート
- コーネル大学式ノート(自作方法はこちら。学研からも販売されているがセミB5サイズである)
1.ドット入り罫線は,ドットのおかげで文頭を整えやすくなる。これに対し,2.スイングロジカルノートのロジカル罫線は,ドットではなく薄い点線の縦罫により同様の効果を実現している。さらに1行を3分割する薄い点線の横罫のおかげで,文字の高さがきれいにそろい,適切な行間が生まれる。
言いかえれば,1.ドット入り罫線は垂直方向の美観を整えやすくするのに対し,2.ロジカル罫線は垂直方向および水平方向の美観も整えやすくするものである。
一方,3.コーネル大学式ノートは,ページを大きく3つの領域に分割して使用するが,最初から分割線が引いてある商品を購入せずとも,1.ドット入り罫線の場合はドット,2.ロジカル罫線の場合は分割メモリや縦罫を目印に,3.コーネル大学式と同様の分割線を引くことは容易である。
そもそも、1.ドット入り罫線のリングノートはすべてセミB5サイズであり、正規B5サイズのものが販売されていない。授業プリントの一元化の用途を重視する立場からはセミB5サイズは論外であり、候補から外れる。
以上より,我が家では,最も多くの効用を実現できる点で,2.ナカバヤシのスイング・ロジカルノートを採用し,必要に応じて3.コーネル大学式の分割線を引くこととした。いわば,コーネル大学式ロジカルノートの完成である。
具体的には,次のうち、B罫(6mm)のうちロジカルエアーでないほうの製品(NW-B501B)使用している。長女の意見だが、ロジカルエアーは軽いのはよいがシャープペンの芯先の滑りがなめらかでなく、書き味を悪く感じたそうである。
A罫(7mm)
ナカバヤシ スイング ロジカル Wリング・セクションノート/B5/A罫 NW-B501A
ナカバヤシ ロジカルエアーWリングノート B5 A罫 40枚 NW-B509A-P
B罫(6mm)
ナカバヤシ スイング ロジカル Wリング・セクションノート/B5/B罫 NW-B501B
ナカバヤシ ロジカルエアーWリングノート B5 B罫 40枚 NW-B509B-B
ロジカルWリングノートにはこのほかに,丈夫な色透明PP表紙(8色ある)付きのスイング・ロジカルWリングノートのシリーズも存在し(たとえば,ピンク),そちらのほうが1冊あたりのリーフ枚数が100枚と割安である。しかし,同商品には「ページを切り取り線で切り取れる」という付加機能のせいで,ページをめくるうちにそこが切れてしまうという不便が頻繁に生じる。リーフ差し替えの機会を想定しているこの記事の利用目的下では切り取り線は邪魔な付加機能である。
ダブルリングノート用のリーフをひとまとめにとじて使用するという方法の性質上,表紙は様々なものが利用できる。
- 市販のダブルリングノート(正規B5サイズのもの)の表紙を流用
- 透明の専用表紙(ツイストリング製本用表紙B5 N-1834)+1ページ目に自作の表紙リーフ(多穴パンチ使用)
- 厚紙で自作
以下の用紙が便利である。- コクヨ カラーレーザー&カラーコピー用紙 厚紙用紙B5 LBP-F32
※我が家のOKIのレーザープリンタ(C-841dn)は,マット紙には非対応のため,使用できない(100%ジャムる)。 - Nagatoya-カラーペーパー-特厚口-50枚パック
- コクヨ カラーレーザー&カラーコピー用紙 厚紙用紙B5 LBP-F32
さしあたりは1.市販のダブルリングノートの表紙を採用した。
英語:オレンジ
国語:ピンク
数学:ブルー
理科:バイオレット
社会:グリーン
その他:ホワイト
とはいえ,中学以降で我が家でもかなり活用する東進でも社会をグリーンとしている以上,郷に入っては郷に従っておく。東進は理科をオレンジではなく,バイオレットとしている。ブルーの(グリーンと反対側の)隣接色である。これにも納得がいくので従う。
![予習シリーズ](https://stat.ameba.jp/user_images/20160109/10/macgyverisms/2c/14/j/t01200165_0120016513535870480.jpg?caw=800)
ちなみに,最難関中学受験で実績の図抜けているサピックスは,科目イメージカラーに対して無頓着である。配布される冊子類の表紙に色紙が使われることがあるが,色は全くテキトウである。理科・社会のデイリーサピックスなどは多少洗練させようという意欲がうかがえるが,おおむね野暮ったい。まぁね,合格させてくれればいいんだけどね。
授業プリントの一元化を重視するこの記事の目的からは,B5正規サイズのダブルリングノートしか表紙の流用には使えない。
B5正規サイズのダブルリングノートとして,代表的なものは以下のものである。探せばほかにもあるだろう(製品詳細のサイズ表記に注目すること)。 個人的には,etranger di costaricaの表紙が,いかにもおしゃれなリングノートっぽいイメージがして,気に入っている。一見,etranger di costarica,中身はスイング・ロジカルノート,という妙な組み合わせ,しかも開閉差し替え自在という完成図を想像するとワクワクするが,中のリーフを使わずに表紙のためだけに買うのはもったいないのでいまのところ我慢しておく。
ツイストリング製本用とじ具でとじきれないほどにノートがたまった場合,保存方法をどうするかという問題がある。
100枚程度以内の小分けで内容に完結性があるなら,そのかぎりでツイストリング製本用とじ具のまま,あるいはダブルリング製本したうえで,保存していくのもよいだろう。ルーズリーフのバインダーのように余計な幅をとるわけではないのだから。
しかし,あくまで数百枚をひと単位としてまとめたい場合はどうか。
ルーズリーフの場合は,伝票ファイリング用の分厚いバインダー(コクヨの定番品 バインダーMP B5(200枚収容))が存在する。ツイストリング製本用とじ具の場合の相当する製品は次のものである。
リングノート保存用バインダー N-1625 青 赤 (350枚収容)
リングノート保存用バインダー(リングレックス) N-1692 (100枚収容)
以上,B5サイズ採用を前提に検討したが,授業プリントがA4サイズ主体であるなど,状況によってはA4サイズがふさわしい場合もある。A4サイズ用の製品も、多穴パンチ、製本機、製本リングはB5サイズと共用だし、とじ具(N-1820(40枚収容)、N-1821(100枚収容)),保存用バインダー(N-1694(100枚収容))もそろっているので,適宜,読み替えていただきたい。
ただし、リーフの罫線については、次のような点で、B5サイズとは異なった状況にある。
- ロジカル罫線の製品にまともなものがない。
スイング・ロジカルノート罫線のダブルリングノートは,A4正規サイズのものはCamScannerとのコラボ製品NW-A402FAのみである。 CamScannerアプリを使用しない者にとっては認識用に付された5行ごとの独自罫線が多少目障りである。これ以外のスイング・ロジカル・ダブルリングノートは「プリントがそのまま貼れる」(お節介!)A4ワイドサイズ(306mm×230mm)である。裁断してA4サイズにするという手は考えられるがめんどくさくて長続きしなそうである。
- B5サイズよりセミB5サイズが一般的であるというような事情はA系統にはない。ただ「A4ワイド」のような特殊サイズが採用されている場合もあるので一応サイズの詳細は確認したほうがよい。
- 2.のおかげでドット入り罫線のダブルリングノートA4サイズ(型番「ス-T225ATN」)が使える。
更新履歴
2014年3月30日 初出
2016年6月2日 カールのホームページリニューアルに対応。
2017年4月3日 ロジカルエアー製品の登場に対応。
2017年4月19日 多穴パンチの新製品P-1603を追加。