7月6日(月曜日) 晴/風が吹く 
ベルリン 2015

昨夜の雨のお陰で、
午前中は過ごし易い。

検査結果を聞きに、
シャルティエ病院へ。

ストも先週の金曜日で
一応の合意を得る事が
出来たのか、スト決行中の
張り紙無し。

"病院が開くと患者が増える"
の言葉の通り、物凄い人出だ。

受付も、採血も10人
待ちが普通。
最近は、受診予約時間に
診察をして貰えるように
1時間程早く行く。

そうすると、ヘタをすると
時間に遅れがちに来る
予約した人よりも、
主治医が顔を認めると、
予約時間よりも早く
診察して貰える事も有る。

驚きながら、何か特別に
話さなければならない悪い
(病気の進行上状況に関して)
お知らせでもあるのかと
勘繰ってしまう。

週末は、ライプツィヒに
出掛けて結構ムリもしている。

管から袋に溜まる老廃液の
色が変わった。

肝臓の具合が悪くなったときの
症状(体全体の異常な痒み)

吹出物。

自覚症状が沢山あるような
気がする。

・・・「最新の検査の結果、
来週には管を身体から
取り外します。
8月は日本に帰っても
大丈夫ですよ。

9月まで様子を見ます。

それと再発の恐れは、
もしかしたら、
今回のバクテリア
繁殖の所為と思われ、
返って理学療法を、無理に
進めなくて好かったかも
知れません」

「・・・其れって、
もしかして
余り悲観的にならなくても
良いと言う事ですか?」

「ええ、今の所、数値は
良くは無いですが、
急いで何か処置しなければ
なら無いような
緊急事態は、乗り越えたと
云えます」

「後は、楽しく充実した
夏休みを堪能して
9月に入ってからと
言う事で」

夜、大分遅い時間に
インターフォンが鳴る。

「訪問介護です。遅くに
済みません。お身体の具合は
如何ですか」

「今、自分で洗浄しようと
準備したところでした。
上がってください」

「緊急の申し入れが
2件もあって・・・
雨が降るわね」

お気に入りの看護婦さんだ。
何だか、楽器や音楽の話で
スッカリ意気投合していて
兄妹の様に、素直に色々と
質問できる。

➖先を急ぐ治療方針に
少し不安がある事、
彼女の経験からの
率直な意見を聞く。

「普通、癌の2度目の宣告を
して置いて(私自身はかなり
悲観的に見ている)
周りもこの様に巻き込んで
置いて、此の主体性の無さは
如何だろう。

主治医は大切な判断を既に
何度かミスして居る様に
感じられるだけれども・・・」

「セカンド・オピニオンを
お勧めします。近くに良い
クリニックがある筈」

幾つかヒントを貰って、
此れから、まだ数件訪問先が
あると言う。

車の運転の安全と、
彼女の無事を祈って
お礼と共に、アパートから
見送る。

人は財産だ。
とつくづく考えさせられる。

さぁ、寝よう。


7月5日(日曜日) 晴 ベルリン 2015

今日は、夕食に人が来る
予定がある(前日は折角早く
帰れても、疲れ果てて寝込んで
しまい、結局何も準備を
していない)

ラフティー用の良い豚肉が手に
はいらなかったので、
モチベーションも
今ひとつはかなぁ。

でも、暫くキチンと
片付けて居ない
キッチンも、もう限界だww。

午前中は、ポザウネンコアーと
月に1度の日曜礼拝
ミサへ参加。
誰も居ないだろうと、勝手な
想像で早朝8:15コーヒーと
パンを買って、頼まれた
選定様の楽器(独製グラッセル=
初代、息子とも病気で工房も
無くなってしまったそうだ)

トロンボーンで有名であった
嘗ての名工房も、運命には
抗えなかった様だが
噂に聞くスターリング・
シルバー性の純銀のベル、
マウスパイプのコンビネーション、
手工業品としての完成度は高い。

しかし、小さな工房にありがちな
ピストンのバリ、ラッピングの
甘さは、正直もう少し良い物を
期待していた。
そいう細かい事を指摘できる
演奏能力の高いラッパ吹きを
捜していたかは、今となっては
判らない。

久し振りにラッパを吹く。

自分独りだと思った教会内は
11時からの、ロック・バンドの
ゲストが、楽器の搬入・調整を
している。

敬意を表して、大きな声で挨拶し
暫く、様子を見る。
コッチは、9:15には皆やって来て
自分の練習は出来なくなる。
ミサ様のフォーメーションで
椅子も、並べ終えてしまった。

しょうが無いので、此方の存在を
音を出してアピール
(わざと彼が弾くコード、
ピッチでアドリブを入れて行く)
やっと気付いたと思ったら
担当の牧師に苦情を
言っている様子

「お互いに、話し合って」と
逃げられる

(あなたのお客でしょうが)

「9:15には、他の金管楽器の
メンバーが来ます」冷静に
説明する。

時計も見ずに

「10分で充分だから」

と言い出す。

貴方、既に20分程私の時間
奪ってるんですけれども・・・

ゲストに譲歩。

・・・8分経っても音を出す
雰囲気が無い

(「何、やっとるんじゃ」
心の怒りの声・・・)

バンド・リーダー到着、
やっとそれらしくなるが、
チューニング出来てない
(ギターのチューニングが
出来なくて何がリーダーだ)

約束の10分を5分過ぎたので
一応声を掛ける。

ミュージシャンは、もっと謙虚に
生きて行こう。と改めて誓う。

ミサの後、事務所にあるPCで
書類と可也長時間格闘して
アパートへ帰り着いたのは
16:00。

今日は、訪問介護を
夜だけにお願いして
(本当はキャンセルした
つもりだった)
お気に入りの、ラッパを
幼少の頃から、やはり
ポザウネンコアーで始めて、
今も時間を見つけては
練習していると言う看護婦が
やって来た。
彼女に何と無く懐かしい様な
(2児の母)に親しみを覚える。

私と同じ年頃の兄が居る
彼女に取っても、何となく
仲間意識が働いている様だ。

夕食を一緒にとっている
お客さんをホッポリ出して
治療以外の音楽談義に花が咲き
修理から戻ったピッコロ
トランペットで、彼女が紹介して
くれた曲を聴いて、即興演奏。

お陰さまで、人間が生活している
空間に戻りつつある我が家に

独り夕食の片ずけをしながら
一息入れる。

「もう少し確り、生活していこう」
 
殊勝な事を考えているなぁ。



7月4日(土曜日) 快晴・夏日 37℃ ‼︎
ベルリン 2015

茹だるような暑さ。

飲む水分も片っぱしから、
蒸発していく気がして、
頭もボーットしがち。

ライプツィヒでの用事が
早く済んで17:00予約の
バスを、変更して荷物の
多いことを言い訳に
タクシーを呼んで
10:30のバスに乗れば
午後は目一杯有効に
ベルリンで時間が使える。

・・・筈なのだが、
上手くいかない。
見えない壁に邪魔されている
ようだ。
意を決して、12時のバスに
乗ろうと遠距離バス乗り場へ。

「直接交渉でなんとかなる
   でしょう」

タカを括ったのが行けないのか
何なのか
サッパリなのである。

バスの運転手も事務所まで、
電話してくれるものの
結局乗れずに頭にきて、
電車で家へ向かう事になる。

値段もバスの8~9倍
「神様、俺なんか間違って
誰かにひどい事しているでしょうか」

いえいえw、面白い人に出会って
しまうのでした。
此れを天の配剤と言わずに
なんというのか⁉️

スッカリ話し込んで、
乗り換え駅を、乗り過ごし
「どうせ今日は、こういう日だ」と
時刻表を確認すると
乗る筈の電車が、後から
やって来る(神様いるジャン、
こういう事ね、アンガトウさん)

軽グチをモフモグ独言。

スッカリ、相手のキャラに
圧倒されて忘れていた水分の補給。

どんな風体の人だったかは、彼が
本当に私のコンサートを、
ベルリンへ聴きに来たら、
エピソード1としてお話出来る
かも知れません。