今の時期は感染症に注意が必要です!


今日はノロウイルスの研修についてダラダラ書いてみます

ノロウイルスとは?


ノロウイルスは直径が25~35nmという電子顕微鏡でしか見えないごく小さい球形のウイルスです。『小型球形ウイルス』『ノーウォークウイルス』と呼ばれることもあります。

ノロウイルスは以前から存在していたと考えられますが、ウイルスの性質が明らかになったのは近年であり、平成9年より新たに食中毒の原因物質に加えられるようになりました。



どうやって感染するの?


ノロウイルスは食品内で増殖せず、人の腸内で増殖します。ですから、人の糞便などに含まれたウイルスが川や海に流れ出て、カキなどの2枚貝の中に蓄積し、それらの食品を生あるいは十分に加熱処理しないで食べた場合に感染すると考えられます。

 また、感染者・患者の便や吐物の中には大量のウイルスが含まれ、ごく少量のウイルスで感染するため、ウイルスに汚染された人に手や水などを介して感染が起こります。今までに水や氷、果物、刺身やサラダなどの加熱されていないさまざまな食品での感染が生じており、人から人への感染も報告されています。



ノロウイルスの感染の特徴


・少量でも感染し(10~100この摂取)、発症率が高い

・主に食品を通じて感染するが、人から人へも感染する

・感染者がすべて発症するわけではない

・食品で増殖するわけではないので、食品の鮮度に関係なく感染する

・何回でも感染する



主な感染源


・カキなどの2枚貝(他にアサリ、ハマグリ、シジミ、ムール貝など)

・手についた患者の便(配膳直前に患者が触れたものを介して)

・非加熱食品(ウイルスに汚染された水、調理具を介して汚染)

・患者が吐いたもの



感染するとどうなるの?


 ノロウイルスによる感染の主症状は急性の胃腸炎です。通常は食べてから1~2日後に激しい吐き気やおう吐、腹痛、下痢(水様便)、発熱が生じますが、他に頭痛、上気道炎など、風邪に似た症状が主な場合もあります。後遺症はありませんが、ひどい下痢が続いた場合、脱水症状になることもあり、入院・点滴などの処置が必要になります。これらの症状は1~3日で収まりますが、便に2週間ほどウイルスが含まれますので、感染者は手洗いや入浴の際に十分な洗浄が必要です。



主な症状


・食べてから1~2日で発症する

・吐き気やおう吐、腹痛、下痢が1~3日続く

・治ってからも2週間は便に少量のウイルスが排出する

※現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス薬はありません。そのため、症状がひどいときは輸液を行うなどの対象療法が行われます。症状が軽いときでも水分補給には気を付けましょう。



どうすれば予防できるの?

ノロウイルスは、十分に加熱すれば滅菌 することができます。また、汚染された水や調理器具を介して、また感染者を介してうつりますので、手洗いやうがい、調理器具の洗浄などに日ごろから気を付けることが大切です。

特に調理を担当する人は、以下のことに気を付けましょう。

常に爪を短く切っておく

手洗いの時は指輪などすべて外す

爪など手指をブラシなどで洗浄する

すすぎは温水による流水で十分に行う(30秒以上)

※石鹸自体にはノロウイルスを殺す効果はありませんが、手の脂肪などの汚れを落とすことでウイルスを取り除く効果があります。



こんなことに気を付けましょう


・カキなどの生食の際は、必ず『生食用』に限りましょう

・調理前は十分に手を洗いましょう

 ※冬季の風邪症状はノロウイルスによることが多いので、下痢や風邪の症状のある時は、用便後や調理前には入念に手を洗い、うがいをしましょう

・加熱する際は、食品の中央まで火が通るように、中心温度85度以上で1分以上加熱しましょう

・カキなどを調理した際は、水などがはねて他の調理器具は使用後、洗浄・殺菌(85度以上の熱湯で1分以上の加熱か、塩素系漂白剤による殺菌が有効)しましょう

・生鮮食品は十分に洗浄しましょう

・加熱する際、井戸水など、消毒が不明な水は煮沸して利用しましょう


次亜塩素酸ナトリウムが有効


糞便やおう吐物で汚染した床等は    塩素濃度1000ppm

ドアノブ、蛇口、手すり、テーブル、床、用具等の拭き取りは   塩素濃度200ppm



★次亜塩素酸ナトリウム消毒液の簡単な作り方

 キッチンハイター(キャップ1杯25mlとして)

 

◆塩素濃度 1000ppm

  キッチンハイター(原液濃度5%)は、約50倍に希釈

  原液40ml(キャップ2杯弱)+水2L


◆塩素濃度 200ppm

  キッチンハイター(原液濃度5%)は、約250倍に希釈

  原液8ml(キャップ1/3杯)+水2L

 


吐物、排泄物の処理法


・次亜塩素酸ナトリウム1000ppm溶液に浸したペーパータオル等で、汚染物中のウイルスが飛び散らないように静かに拭き取る。

・拭き取り後、 再度ペーパータオルで2度拭きする

・汚れが激しい時には、拭き取り後に溶液を浸したペーパータオルをかぶせて、その上にビニールシートをかぶせて30分くらい置く。

・拭き取ったペーパータオル等は、素早くビニール袋に入れ密封、廃棄する。

※ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、速やかに処理を行うことが重要