毎年海の日の連休に、大学の同期の同窓会が行われている。大学の5期卒業と言う事で5期会と名付けられている。今年は卒後25周年と言う事で、岡山開催となった。例年は交通アクセスのよい大阪や神戸で行われている。今年は31名の同期が集まった。毎年会う者もいれば、卒業以来の者まで懐かしい顔ぶれに、しばしタイムスリップし、思い出話に大いに盛り上がったのだった。特に臨床実習を共に過ごしてきた彼らとは、厳しいライターの指導に耐え、多くの課題を助け合ってきた戦友の様な連帯感がある。同じ釜の飯を食ったとも言える大切な仲間である。

 かくいう私が、岡山大学に入学したのは22歳の時だった。1浪して東京理科大学に入って中退し、受験し直したからかなり回り道をしていた。4浪相当である。18歳~22歳の頃の1年の差は大きい。果たして、自分はかなり若い連中とこの先同級生としてどのように接して行けば良いのか不安でしょうがなかった。おそらく年寄り扱いを受け、浮いた存在になるのだろうな、なんて漠然と考えていた。

 然し5期の連中は容赦なかった、と言うより屈託がなかった。普通にこの年寄りを受け入れてくれる、そして付けられた渾名が「オヤジ」だった。最初はこのありがたくないあだなに、若いもんからすれば「オヤジ」だよなと納得するしかなかった。時間が経つにつれ、「オヤジ」が段々身に付いてくる。考えてみれば名前を呼び捨てにされる方が辛かっただろう。自分には歳の差を超える度量がなかったからだ。おかげでオヤジも普通に同級生として大学生活を送る事が出来た。孤高の存在に成らずに済んだのだ。

 5期会で構える事なく、普通に同級生と喋れるのは彼らのおかげだ。変なプライドだけは一人前な自分にとって、彼らが付けてくれた「オヤジ」が自分の頑さを氷解してくれたと思っている。25周年を迎えて、改めて5期のみんなには感謝したいと思った。