うえまさのニッキ


I田氏は僕がゴルフを始めた頃のライバルだった。彼の方が先にゴルフを始めていて一歩先を行っていたので、彼の方が分が良かった。三回やれば一回くらいは勝てたが、負ければやはり悔しい。ある時引き分けを挟んで7連敗した事があった。その勝負の中にはもう少しで勝てそうな試合もあったので、そんな日にはとても悔しくてラウンドの帰りに打ちっ放しに行って練習をした。気がつくと手の皮が剥けているなんて事もしばしばだった。



うえまさのニッキ


ある時一緒にラウンドしていて、彼が100を切った。我々の中でゴルフのスコアで100を切ると言うのはステータスだった。もう彼には完全に敵わないと随分と卑屈になった。これから先、彼が90台を出せばそこは自分が到達できない所。逆立ちしても勝てない。たとえ勝負に勝ったとしても偶々であって、彼の方が実力があると認めざるを得ないほどの大事件だった。



うえまさのニッキ


彼との勝負は卑屈から諦めに変わって行く。その後勝ったり負けたりだったが、彼の「100切り」というブランドの前に劣等感を常に感じていた。気がつけばゴルフを始めて6年が経とうとしていた。未だに100が切れない自分は、ゴルフに向いていないと思うようになった。それからあまり勝負に固執しなくなって、今年中に100が切れなければゴルフを止めようと決心したのだった。平成6年の頃だった。




うえまさのニッキ


平成6911日、岡山金陵カントリークラブ。前半のアウトは「52」で終了。いつものペースだ。この頃は40台が出たとしても4849が精一杯だったので、後半も消化ゲームになったと思っていた。残り2ホールになった時、同伴のT山氏が「おい!お前今4オーバーだぞ。」と言ってくる。調子が良いとは思っていたがあまりスコアを気にしていなかった。(それだけゴルフに集中していたと言う事)



うえまさのニッキ


17H180Yのパー3。左は斜面で受けているが右は崖になっていてOB4オーバーって事は後2ホールがトリプル、トリプルでも11オーバー「47」で100が切れるではないか!3Iを手にしていたがPWに変えた。その時T山氏が「そんなオモロないゴルフして100切ってもしょうがないで!」と言う。確かにそんな守りのゴルフ等今までした事が無かったので、自分には相応しくないと思った。3Iで気合を入れて打った。球はグリーン上にナイスオン、1ピン程に付いた。バーディーは逃したがパー。最終ホールも自分のスタイルで行ってボギー。後半「41」でトータル「93」。いみじくもI田氏の目の前で100を切る事になった。彼がその時「100切った事より93が凄い!」と言った事は忘れられなかった。ライバルに一矢報いた瞬間だった。



うえまさのニッキ
(平成6年9月11日 於 岡山金陵CC)



うえまさのニッキ


それから、彼とは激闘を演じる事になった。然し、彼は段々と仕事が忙しくなってあまりゴルフに行けなくなってしまう。当然、普段からやっている者と偶にやる者では勝負にならなくなってしまう。彼がギブアップを申し出た。その時はもう彼はゴルフを止めてしまうんじゃないかと思った。



うえまさのニッキ


年に何度かのゴルフなってしまったが、この所定期的にラウンドできるようになった。718日のレイクフォレストでは、久しぶりに後半のハーフ完敗だった。これを以て彼がまた勝負を復活しようと言ってくれた。望むところだ!と言っても前回のブログでも書いたが最近調子はいま一つである。でも、ライバルがいて例え勝負に負けても楽しくやる事が大事だ。勝負はあくまでもスパイスの様なものだから、ちょっとあればゴルフも楽しくなるが、スパイスを入れ過ぎるとしわくなってしまう。

うえまさのニッキ



うえまさのニッキ

7月31日 山陽GC 9:10 インスタート 晴れ、弱風

86(45,41)