北海道の農業高等学校を舞台にした青春酪農グラフティ
『マンガ大賞2012』『第3回ブクログ大賞漫画部門』受賞
キャッチコピーは「汗と涙と土にまみれた青春物語」ひらめき電球


『銀の匙③』荒川弘


北海道に所在する大蝦夷農業高等学校(通称エゾノー)は、農業に従事することを目指す農家の子供が多く通う学校―

進学校として名高い中学出身でありながら、低偏差値校であるエゾノーにわけあって入学した八軒勇吾は、他のエゾノー生徒たちの多くが明確に将来の夢を持っていることに焦燥を感じる

都会育ちの八軒は初めて触れる農業や家畜に戸惑いながらも、大自然に囲まれたエゾノーでの日々に馴染んでいく

やがて、農家の過酷な現実や、動物の解体、家畜の出産などを通じて八軒は学ぶ…
生きるということ―
生かされるということ―


夏休みの間、クラスメートの実家の牧場でバイトをしていた八軒は、いろんな悩みを解消できないままエゾノーの寮に戻ってくる

そして、八軒につきつけられる現実…実習で可愛がってきた豚の“豚丼(豚の名前)”が、ついに食肉になってしまうことに…

八軒は悩む
命の重さってなんだ…

ちっぽけな自分に何ができるっていうんだ…

そして、ついに八軒がくだした驚きの決断とは―



見るもの触れるもの全てに本気で感動し、真面目に悩み、のたうちまわる八軒に感情移入せずにはいられない


“どんな事でもね、叶うにしろ叶わないにしろ…
夢を持つという事は、同時に現実と闘う事になるのを覚悟する事だと思うよ”


“八軒君よぉ、君の人生は教科書に全部書いてあんのかい?”


“…なんつーか、この業界ってシビアだけどさ…
教科書に書いてある事や、数値にこだわらなくていい、答えはひとつじゃなくてもいいんだ、…って言ってくれてる気がする”



笑いの中にも、生きるために殺すとはどういうことか、命の大切さについて真剣に考えさせられる作品


様々な経験と出会い、そして戸惑い…
はじめてづくしの夏はまだ終わらない―

本日発売!充実の第3巻をぜひ得意げ



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