「足利事件」の冤罪報道:安易な警察・検察叩きで犯罪者の横行につながってはならない | こころ、デトックス

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自傷癖国家日本。絶滅危惧種日本人。

6月5日付 よみうり寸評

 精度の低い〈DNA鑑定〉が無実の罪を招き、格段に精度を高めた鑑定が無実の罪を晴らした

◆「足利事件」のこと。4歳の女児を誘拐・殺害したとして無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和受刑者が釈放された。逮捕から17年6か月、まことに長い〈真昼の暗黒〉の末である

◆2度にわたって拒まれたが、3度目にようやく実現した再鑑定の実りだ。再審も始まらない段階での釈放は、鑑定結果がもはや犯人と同一人ではありえないことが動かしがたく明白になったからだ

◆〈疑わしきは被告人の利益に〉という刑事裁判の鉄則を思う。急速に精度を上げたDNA鑑定を思うと、早くに再鑑定を認めていれば――の悔いも残る

◆冤罪(えんざい)を生む第一は自白の偏重だが、鑑定の精度や鑑定の前提になる事実に疑いのある場合も、装いが一見科学的なだけに気をつけないと極めて危険だ

◆〈一人の冤罪者あらんよりは十人の逃罪者あらしめよ〉という英国の古い法のことわざも思う。〈平成の巌窟(がんくつ)王〉なんてだれだってごめんだ。

(2009年6月5日13時57分 読売新聞)





6月6日付 編集手帳

 明治期の漢詩人、成島柳北は目立って面長であったらしい。馬にまたがって花見に出かける柳北を見て、同行した劇作家、福地桜痴(おうち)の詠んだ狂歌がある。〈さてもさても/世は逆さまと成りにけり/乗りたる人より馬は丸顔〉

◆なんぼなんでも誇張だろうが、目をこすっては馬と人とを見比べている桜痴居士の姿を想像すると愉(たの)しい。丸顔の馬はともかくも、本当かしらと目をこすって読み直し、〈さてもさても…〉と溜(た)め息をつく記事もある

◆岡山市内の路上で女性(75)の財布をひったくった男を、通りかかった男子高校生2人が追いかけて取り押さえた。男は愛媛県警松山南署の巡査部長(29)で、窃盗事件などの捜査を担当する盗犯係の主任という

市民を犯罪から守る立場の人が盗みを働く。あまつさえ、本業の追いかけっこで高校生に負ける。丸顔の馬にも劣らぬ〈世は逆さまと成りにけり〉である

◆お手柄の高校生は「世も末だな」、あきれ顔で語ったとか。なんのなんの、「どろぼう」という女性の叫び声に勇気凛々(りんりん)、行動で応えた君たちのような若者がいる。世はいまだ末ならず…と、ひとりうなずく。

(2009年6月6日01時57分 読売新聞)


「足利事件」で、無実の罪で17年もの長きにわたって投獄された、菅野さんの悲惨さ、謂われなき罪で棒にふった人生の無念さは、想像すら出来ない過酷さであったに違いない。


今は格段の発展を見せた科学捜査、科学鑑定の当時の未熟さや、過去の強引な取調べの実態を考慮しても、

「私は無実。自分の人生を返せ、と言いたい」と、警察や検察への怒りは当然である。

この問題で、テレビをはじめとしてマスコミの警察、検察批判が噴出している。

冤罪事件での、警察・検察の批判や注文は当然であり、捜査技術や」、科学捜査の進歩、取調べの改善のためにも必要であろう。



だが、(数の問題ではないが、あえて)時折発覚する、過去の冤罪事件や不祥事で、(現在の)警察や検察を全否定するような、或いは権威を必要以上に貶める、感情的な・扇情的な行き過ぎた報道は如何なものか。



近年、警察官等に「恐さ(強さ)」を感じなくなった。  開かれた警察運動のお陰かもしれない。

しかし、その一方、警官にたてつく犯罪者や、警告や注意を無視する不心得者も増えているようだ。

 暴力団や犯罪者にとって、「恐くない警察」は、善良な市民以上に歓迎されるに違いない。


先日も、

車をパトカーに繰り返しぶつけて脱出を図った男性に発砲し重症を負わせた警官に、「発砲前に威嚇射撃を行うべきだった」として、約1,000万円の賠償判決があった。 逮捕の必要性は認め、発砲前に何度も警告した上での発砲にも関わらずである。

職務上とはいえ命の危険に直面しているときのとっさの行動にさえ、法は厳しい。


この事件に限らず、追跡中に犯人が起こした事故では、まず、問題になるのが「警官の追跡は適切だったか?」であり、犯人の犯した罪や、逃走は二の次である。 武器を持ち刃向かう凶悪犯への発砲でも、ニュースのトップは、「警官発砲!」だ。


武器を振りかざした凶悪犯に「突然発砲するのはルール違反!」が通用 ......... しますか?

暴力団がまず「威嚇射撃」をするはずもなし.....................。



マスコミは何の権利か?人を裁き、警察や、検察を(体制)何かにつけ大げさに弾劾する


「マスコミ」は、犯罪者から、あなたを守ってくれますか?

あなたは、犯罪に巻き込まれたときに「マスコミ」に頼りますか?


警察や検察・自衛隊の悪口だけ言って、守ってくれでは、都合が良すぎ....??? ませんか。


冤罪や権力・職権の乱用、など、追求や改善を促す意見は必要だが、組織そのもの、組織全員の全否定を助長するような一方的報道は、我々の安全な生活の維持には逆効果。


マスコミの扇情的な報道と一緒になって騒ぎ立て、警察の力を弱めることは、あなたのためにならない。 


「足利事件」は警察の汚点であり、今後あってはならないことだ。 

冤罪を擁護するつもりは、毛頭ない、が、

その上で、きちんと職務に励んでいる警察官が大半だと思うし、解決してきた事件も数え切れない、我々の安全な生活に大いに貢献してくれていると知って(感謝)の批判・注文であって欲しいと思う。




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