何事も経験('-^*)/
ここ近年レディースは肩パットの入っている洋服は少なくミセスのジャケットなどで付ける事はあっても5mmくらいの薄い肩パットです。それもスナップボタンやマジックテープのついた取り外し可能な出来あいの物を使用することが多く肩パットをくるむ工程は殆どしなくなりました。
肩パットを何個も重ねたものが洋服についていたのを知らない世代は、そんな服を見たらおかしな流行だったと思うのかもしれません。
ただ、そんな時代を経験してきた事が今役にたつとは私自身驚いています。(歳がばれますね(><;))
流れから舞台衣装に携わっている今ですが、大きな舞台では洋服やドレスに肩パットを積むことが今でもおこなわれているのです。確かにデザインによってですが肩を張らせた方がスタイルを良く見せられたりするのです。
正方形の裏地にチャコでダーツ線を描いたのが判りますか?説明するのに描きましたが普段は描かずと感覚で縫います。
そしてバイヤス布は文鎮の置いてあるところ、もう半分に折った状態で幅を揃えて裁ち直しをしてあります。
ダーツを縫って肩パットをくるみ、左の方でピンが1本止めてあります。
これを縫っていくのですが、右の指さきで見えない中の肩パットの端を探って5mmのところを縫うようにして、左手は裏地が肩パットになじむように生地を引っ張っています。
左が5mmとそこから6mm外の肩パット端外側を縫ったもので、右はその外側を縫った線から1mm外で生地をカットしたものです。
ロック仕上げの場合はこの状態からロックになります。
これはパイピング布を2重で縫うやり方でパイピング布を裁断し半分にアイロンで折ってから幅を揃えて裁ち直しをした状態で縫い始めます。
パイピングの基本の外カーブは生地をイセるのですが、これはカーブの角度、素材の厚さに生地の伸び加減など数をこなした経験値で縫っていきます。
コツは気持ちきつめに巻いていくとねじれが生じ難くきれいにくるめます。
私が縫いを修行した頃は肩パット全盛期、見習いで入ったら始めの仕事はアイロンに肩パットくるみ。
その当時は肩パットの重ね方の説明書に肩パットをくるむ布のパターンが入ってきていました。
そこはクリスチャン・ディオール(カネボウ)ロメヲジリ(イトキン)などなどの海外の高級婦人服を受けていたアトリエだったので肩パットをくるむといっても左右のダーツの位置やパイピングの幅など同じに揃えないとOKが出ない高水準の技術を求められるところだったです。
そんなところで修行させて頂いたお陰で今でも基本レベルは落ちずに肩パットをくるむ事やパイピングは得意なところです。
そこの教えは肩パットをくるんでパイピンが出来るようになって先輩方のアイロンに立って工程を覚えれば何でも縫えるようになるという大先生の教えでした。
実際に長年縫う経験を重ねてきた今はその教えが事実であると実感しています。
裏地、もしくはそこはシフォンで肩パットをくるんだりしたのでバイヤス地の目にダーツを縫う難しさを手の感覚で生地の伸びを読めるようになって、くるむ時はどの方向に生地を引っ張ればなじむかなど生地の性質を手に覚えさせ、パイピングのカーブで生じる内のりと外のりの関係を覚えられるのです。
そしてアイロンに立っているうちにポケットなどの難しい工程も難なく覚えてしまうと言うわけです。
お陰で私はどんな種類のポケットもグレード別に縫う事が可能になりました。(箱ポケット一つとっても何通りも縫い方があるのです)
ディオールがカネボウとのライセンス契約が終わったのが、かれこれ20年前のこと、その後は国内生産はしていないのかと・・・。
フランス語で書かれているディオールのパターンでフロアーショー用のモデルサンプルを作って、その後、国内生産用にパターンが日本人サイズに修正されて量産に入っていったと・・・。量産といっても各色数十枚だったように思います。
そんな貴重な経験が今も生かされているのを感じます。
ブログをお休みする前にペーパーホルダーの説明をすると書いておきながら、そのままにしてしまっていたので、そのうちに!
これも学生にパイピングの外カーブを教える時に作った課題の一つですが今思うと修行時代の肩パットでパイピングの外カーブを教えられた経験から無意識にこんな課題にしていたのかもしれません。
前にもこの絵は紹介したことがありますが、今は仕事場のトイレに栗原君古氏の猫絵が鎮座しています。
そして余談ですが最近知った雑学で感動したことを一つ。
ながらで見ていたので、どのTV番組だったか判らないのですが、トイレットペーパーのはじめを剥がす方法です。トイレットペーパーを作っている会社の人が説明していたのですが、ノリでくっついている所を指で2回ほどなでるだけで簡単にスゥとめくれるというのです。
知っていましたか?本当に簡単にとれるのです。今までが何だったのかという感じなのです。
もしやった事がない人は試してみて下さい。あまりの簡単さに感激しますよ!
これも経験値の一つとしての余談でした。
パイピング内カーブ練習のティッシュケースの作り方を書いた前のブログもリンクを貼っておきますのでパイピングの基本も見てみて下さい。
より多くの縫う事の好きな人達に私の経験値を役にたててもらえるように頑張るので応援よろしくお願い致します。o(^^o)(o^^)o
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