いってこい始末 | ヒロアミー日記

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基礎縫い ミシン編  24

 

  袖の明き仕様 (いってこい明き=いってこい始末)

 

 

「いってこい明き」って変なネーミングですよね。

 

ビジネス用語でも「いってこい」って言葉があるようですが、アパレル用語の「いってこい」と言われたら

袖の明き仕様の一つのことです。

 

それも、既製服のレディースブラウスの袖の明き仕様には

 

  ・スラッシュ明き   (前に説明したページをリンクを貼っておきます)

  ・いってこい明き

  ・ケンボロ明き

  ・切り替え線利用スリット明き

  ・ZIP明き

        etcですが、大半がこの「いってこい始末」の明きなのです。


ヒロアミーの日記-いってこい  これが「いってこい始末」明きになります。

 パイピング始末で袖の明きをつくるものを「いってこい明き」と呼ぶのです。

 

語源がどこからきているのかまでは分からないのですが行ってもどって明きができているからでしょうか・・・。

ヒロアミーの日記-いってこい   これは「既製服「いってこい始末」のパターンです。

 

 

 ポイント

 

  このパターンのA,Bの位置が判りますか?

  これが「いってこい明き」の特徴の一つです。

  必ず上前になる側の玉縁布が折れて仕上がります。

       (下記で説明します)

              

初心者さんでも可能な縫い方、洋裁経験者さんの縫い方、既製服量産の縫い方と違いを説明します。

            

 

 

 

[初心者さんでも可能な縫い方]

 

 

 

 ヒロアミーの日記-いってこい

1、裁断

   「いってこい始末」は始めに明き止まりまで切り込みを入れて縫い始めます。

   そして、共布でバイヤスを用意します。

     (ここでは解りやすいようにストライプのバイヤスを使用しますね)

バイヤス布幅は生地の伸び率によっても違ってくるのですが、この綿ブロードでは25㎜幅でカットしています。
 

 

ヒロアミーの日記-いってこい   2、バイヤス布のアイロンです。

 

  半分に折って、さらに折り線にぶつから程度に折ります。

ヒロアミーの日記-いってこい  さらに左の写真のように、そこにかぶせるように折ります。

ヒロアミーの日記-いってこい  かぶせて折ったものを中に入れると1㎜弱ズレて折れます。

  この段差は手前の細く折れた方が表側で広く折れた方が裏側で縫い上がります。
 

 

3、切り込み入れたところにバイヤス布の表側と中表で合わせて押え幅(6㎜)で縫います。

 

 

  ポイント

 

   縫い代がすごく細くなります。

   なので、針目を細かく1.5くらいにするとパンク(外れてしまう事)しにくくなります。

            ヒロアミーの日記-いてこい   

     明き止まり2cm手前まではバイヤス布と裁ち端を揃えて縫ってきます。

     明き止まりの切り込み1㎜上に目打ちを置き、その位置がバイヤス布の5ミリの折線に合わせます。

     押えはバイヤスの裁ち端をずっと変わらずに縫い進んできます。

     上側の袖本体だけが斜めにズレて、さらにタックにならないように縫います。

ヒロアミーの日記-いってこい     縫い上がると左の写真のようになります。

   縫い代が本当に少ないでしょう。

   だから初心者さんにはちょっと難しいかなぁ~。

                ヒロアミーの日記-いってこい

           裏から見ると上の写真のように5ミリ幅で真っ直ぐに縫っていることになるのです。
 

 

ここまで縫えたら、後は簡単です。

 

ヒロアミーの日記-いってこい   4、コバST(2ミリ以下のステッチ)で縫います。

   これも真っ直ぐに縫う感じです。

 



               ヒロアミーの日記-いってこい   5、裏側上部を三角に縫います。

 

    

    始めのパターンにも注意書きがあったように「いってこい始末」は必ず裏側上部は三角に縫われます。

 



ヒロアミーの日記-いってこい   6、上前になる方のバイヤス布が折れた状態で仮止めします

 

パターンでA.Bの位置が写真で左側バイヤス端がBで右の折れ山がAの位置でカフスが付くことになるのです。

                ヒロアミーの日記-いってこい  

          タックと上前バイヤス布を折って仮止めミシンを縫ったところです。

          「いってこい明き」部分を含めてタックのように見える上がりになります。

          パターン上で明きにタック幅を持たせる場合も多々あります。
 

 

 

[洋裁経験者さんの縫い方]

 

 

 

上の2のバイヤスのアイロンの部分までは同じ工程です。

 

 

ただ、そこから一気にはさみ付けをしていきます。

 

 

ヒロアミーの日記-いってこい  3、始めにバイヤス布を1cmほどコバSTで縫います。

 

 

ポイント

   この1cmくらい先に縫っておくだけで鋏み込みしやすくなるのです。

   なので、バイヤスの長さは少し長めにしておきます。             ヒロアミーの日記-いってこい  


 

4、そこに袖本体の切り込みを入れた部分を挟むように差し込みコバステッチで縫い進んでいきます。

 

   注意

 

     明き止まり位置は縫い代が外れないよう、さらにタックにならないように気をつけて縫い進める。

 

慣れると何でもなく縫えて、便利な明き仕様です。

 

始めはちょっと難しいかと思いますがチャレンジして習得してください。

 

 

[量産のいってこい始末]

ヒロアミーの日記-いってこい   6㎜幅の4つ折バインダーです。
  

 

 

写真で判りますか?バイヤス布をアイロンで折らずバイヤス布を長く裁断して続けて何枚も縫っていきます。

  

  ただ押えも専用のもので、それに合わせた送り歯を使用します。

なので一度セッティングして生地の厚みなどをネジで調節し袖の明きだけを全部何枚、何百枚と縫ってしまうのです。

 

 

「いってこい始末」がどのように縫われているか解りましたか?

 

 

 

 

そのうちにケンボロ明きの説明もできたらと思います。

 

 

ケンボロ明きは1枚ケンボロ明き、2枚ケンボロ明きで縫い方パターンが違ってきます。

 

よく混同される短冊明きは、またパターンも縫い方も全く違うものなのです。

 

短冊明きは袖の明きではなくて前明きに使われる明き仕様の一つになります。

 

 

こうやって書いていくと基礎と呼べるものがどれだけあるのかと思います。

 

 

今説明できているのはまだほんの始まりにすぎず、ポケットのポの字も出てきてないのですから・・・。

 

でも、これにカフス付けを習得できたらブラウス、シャツの袖を作れるようになると言うことで、

 

カフス付けなどを習得できたらスカートのベルト付けも出来るようになるなど、基礎の組み合わせで

洋服は出来ているのですよね。

 

 

少しでも基礎を確実に理解してもらえるように説明していければと思っているので

 

 

       ('-^*)/  今後も気長にお付き合い下さい。

 

 

 


ホームページのブログ目次も今日久しぶりに更新しました。(^^ゞ

 

 

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