私の小学校の頃の教科書に「ろくべぇ まってろよ」という話がのっていました。
穴に落ちたろくべぇという子犬を、
子供たちがなんとか助けようと知恵をしぼるお話。
このお話を書いた灰谷健次郎さんという方は、小学校の教員をしていらっしゃった方です。
教員時代にも、子供たちの書いた詩を集めた同人誌を出したりなさっていたようです。
この話が教科書にのっている時に、「テストを出題しました」として
子供達が受けたテストの答案がドサッと送られてきた事があったそうです
子供達が書いた物を見るのが大好きだった灰谷さん、一枚一枚見たそうなんですが…。
問題に『ろくべぇの落ちた穴は何メートルあったでしょう』というのがあったそうです。
あれ、深さなんて書いてあったかいなと思ったのですが
これに具体的に「○○メートル○○センチ」と答えた子がいた
その子は「子犬がジャンプしても届かない高さ」を、一生懸命考えたんだそうです。
「ほほぅ!」思わずうなる作者・灰谷健次郎。しかし。
先生はその答えに×をつけていた。
なんでやねん
気になった灰谷さんは、その学校に問い合わせたんだそうです。
先生の回答。
「具体的な数字は お話のどこにも書いていないから」
ふざけんなーバカッたれー!
…失礼
いや、灰谷さんも そう思ったらしい。
『それならば、なぜわざわざ穴の深さを問う問題を作ったのか』との事。
誠にごもっとも。教師の意図を はかりかねる。
答えはどうあれ、そうやって考える事こそが大事なのではないのか。
子供の世界というのは、教師の思惑通りの答えだけが答えではない。
「先生に○をもらえるように」生きてきて、今、私は
「生きていく力」が悲しいくらい身についていない。
目を覚ませー!他人の顔色をうかがって出した答えは
それなりにその場を切り抜ける事はできるが
活きた答えではないっ
…まぁ、大人になると、イロイロな事情も絡んできますがね