MASDANZA18 | 回~kai~

MASDANZA18

早くもフランスに来て4ヶ月が過ぎました_______________。
ストールも必要なぐらい南仏モンペリエも寒くなり始めた今日この頃です。


先月10月末、モンペリエでの研修を申し訳なくも一時抜けさせて頂き、カナリア諸島(スペイン)で毎年行われているコンテンポラリーダンスコンペティション&フェスティバルMASDANZA18に参加して来ました。
回~kai~

ソロ活動を始めてから海外のコンペティションとフェスティバルに参加するのは初めての事で、現地に着くまではテクニカルや移動など本当に心配な事が沢山ありました、、。
が、、!本当に暖かいスタッフやメンバーのお陰で大きな怪我やトラブルなく無事に終える事ができました__________。何事も無事が一番です、、。

なぜこんなにも安心しているかというと、今回(というか私にとっては、、)とにかくハードなスケジュールでした。

ざっとスケジュールを書くと、、
24日 ソロコンペティション(グランカナリア島)
25日 グループコンペティション(唯一のオフ)
26日 受賞者公演
27日 テネリフェ島に移動し、公演。
28日 同じくテネリフェ島の同じシアターで公演。
29日 ランザローテ島に移動し公演。
30日 グランカナリア島に戻り公演。

コンペティション終了後はカナリア諸島の各地の島でコンペティションに参加したダンサー達によるカナリア諸島ツアー(エクステンション)があるのです。
有り難い事に私の作品は各島の劇場に招聘を受け、全てのエクステンション公演に参加する事が出来ました。

そして、コンペティションの結果として、幸いな事にソロ部門での審査員賞(Jury Prize to the Best Solo)を頂く事ができました______。
自分の作品を受け入れてくれた審査員の方々に心の底から感謝の思いでいっぱいです。
この場を借りて、心からお礼を伝えたいと思います。本当に本当にありがとうございます______。


島に着き少し町中を歩いている際、こんなゆったりとした完全なる観光地で人間が自ら人間を否定するようなそんな私の作品をここで踊る事にとても複雑な気持ちになりました、、。私としてはこの作品は東京で踊る事が一番しっくりくると感じでいました。
ただそんな思いとは裏腹にやはり聞いていた通りフランスよりスペインの人々はビジュアルで作品を楽しむ方が多いのか、公演後はいつも何人かの人が話しかけてくれ、彼等達の感想には特に「ビューティフル」という言葉が多く、とても驚きました。
お客さんの年齢も様々で、遠くから投げキッスや親指を大きく立ててくれたり、歌手になった方が良いとか、直接感想メールをくれたりたなどなど、、本当に”島”を感じるユニークなお客さんに出会えて幸せでした。


今一度スケジュールの話に戻らせて頂くと、、
賞を頂いたので、そう、5日間連続で本番をする事になりました。同じ劇場で5日間移動無しで行うのは打って変わります。
朝7~8時にホテルロビーに集合、飛行機で違う島に移動、移動しながらその日のリハスケジュールを決め、ホテルにチェックインし、ご飯を食べて、少し町を見て、ホテルで仮眠をし、現地でリハーサル、本番、本番後皆で食事、深夜帰宅。この日々が続きました。
なにせ睡眠が一番の栄養のこの私、、。途中目のクマがクマ以外の何かになりそうだったけれど、それが素晴らしい各飛島の雰囲気と美味しいご飯にまんまと癒され、島パワーとスタッフの暖かいサポートで乗り切る事が出来ました。
ファイナル公演の日、全ての手続きの手助けをしてくれたデイビットに再会し、「美和まだ生きていたのね~!」とハグされ、「まだ死ねない」と答えた事は忘れません、、。笑


無事に何事も進んでいく中でも、さすがの私です、、小さな事から大きな事までハプニングももちろんありました。。

ハプニング1↓
24日コンペ当日のリハでランスルーを行った時に、衣装のズボンの股の部分が全裂け・・・。
裁縫道具を忘れた私は、本番までの時間に糸と針を町に探しに行きました。それがあったとしても既に針に糸が通っている裁縫セットのみ。。お店の人に相談したら「明日に間に合えば良いのなら、今日うちに来てくれればただで縫ってあげるよ!」という優しい言葉に励まされながら、仕方なくホテルに帰宅。音響の洋平君に話したら、買い物に行ったついでに「これは??」と何か買ってきてくれました。なんと、、歯の隙間を掃除する糸!!!!(かの有名なGUMのやつです) 無事に針にも糸が通り、股を直した所、、かなりの頑丈具合!!!!!さすがGUM!!!! 洋平君は本当にいつも私が考え込んでいる事を糸も!?簡単にサラッと答えを出してきます、、。マネ出来ません。。
もちろん最後の公演までGUMで乗り切る事が出来ました:)

ハプニング2↓
コンペも無事終わり、次の日(25日)のグループ部門の日はゆっくりとグループ作品を観る事が出来ました。一生記憶に残る様なとても素敵な作品にも出会えて満足し、心地良い気分でホテルに帰りました。
果たしていつコンペの結果が出るのかな~、プログラムに26日にセレモニーと記載があるので、その時聞けるんだね!などと洋平君と話ながらスーパーで野菜を買っていました。
と思っていた所ホテルに着いたら、電話が鳴り、、ダンサーにとって一番のお世話係のクリスティーナが泣きそうな声で何か話しています。電話の後ろもかなりうるさくて聞こえ辛く、、。クリスティーナはとにかく今あなたが今ここにいない事が理解出来ないと連呼していて、今からスタッフが車で迎えに行くからすぐにこっちに向かってというので、意味も分からず会場へ。ドライバーのスタッフも英語が話せないので、私が色々質問してもニヤニヤするだけで、状況がチンプンカンプンで…。
現地に着いたら皆がとにかくおめでとう!!と言ってくれるので、やはり結果が出たのだ!と察知し、「で、なんの賞を私は取ったの!?」と聞き、クリスティーナが「best of solo!!!!(だから、、、的なニュアンスで)」と言った瞬間に頭真っ白______私は何をやっていたのかと______野菜を買っていたのかと______デイビットが私の名前を呼んでも美和がいなかったと______。申し訳なさ過ぎて日本に帰りたくなりました______。最低です…。
でも審査員のお三方にも本当にごめんなさいと伝えた所「飲んでたの~?」など笑いながらおめでとうと言って下さり、折れた心もどうにか立ち直し、次の日の受賞者公演の打ち合わせをしてその日は帰りました。

*写真は各審査員の方々と*
上からCLAUDIO KOGONさん JONG – HO LEEさん CATHY LEVYさん
回~kai~回~kai~回~kai~

ハプニング?3↓
ハプニングでは無いですが、テクニカルについて。
音響の洋平君の音は低音の出るウーハーのある劇場によっては出来るだけ低音を聞かせたい意向。(もちろん私も)ただ音に関しては人の好みがあるわけですね。公演初日からテクニカルのグレイスに4回も低音強いと注意を受ける洋平君。笑 洋平君もグレイスも極力自分の意向を通そうとするから、あとはもう駆け引きになってくる訳ですね。ある小さな劇場では違うテクニカルのスタッフだった為、音もがっつり。ただまた別の劇場でのリハーサル中、グレイスから私にあるドイツ人の観客からある部分の低音がキツかったという意見があったと、さぁ交渉開始ですね。私もやはり話さないといけないか~とその時ばかりは洋平君と相談。
すごく勉強になりました。そういうやり取りや交渉を英語でやり取りするという、、。でも結局自分に意思がある限り言葉も以外と心から自然と出てくるものだと実感しました。
そう、私にとっては踊りだけではない、進行や舞台制作に関しての言葉のやりとりを初めて体験できた瞬間でした。

またもう一つスペインに行って大きく感じた事。
ある劇場のスタッフにお礼をしながら会話をしていたら、彼が最近は心が病み気味だけど仕事は好きなんだ~という言葉。なんで病んでたの?と聞いた所2年前ぐらいからスペインも行政が変わり芸術に対してのTAXが大幅に上がり、急激な変化にとても参っている話を聞き、、私は何となくしか聞いた事無かったけど、彼の話を聞いて、スペインも日本と変わらない状況にある事を切実に感じました。
少なからず自分の作品はそういった日本の状況から影響を受けて創った作品だったので、その話を聞いた後に、カナリア諸島のお客さんの拍手の意味や、自分が日本人である事など、改めて色々考えました。個人的にメールをくれたお客さんはメールの中で、僕もギターやクラフトや絵を描いているのだけど、とにかくよく分からないけれど内容はさておき私の動きを見てリアルと共通点を感じた、と。なんだか国は違えど地球は本当に狭く、昔よりも更に各自が感じる事が近くなってきているのかなと感じました。


書ききれない事がまだまだ山ほどあるのですが、、、
とにかくここからはお世話になった皆さんとの思い出を写真で残したいと思います__________。

*左からイタリアソロダンサークラウディアの照明さん、音響スタッフで頑張ってくれた洋平君、一番身近で支えてくれたスタッフのクリスティーナ、テクニック抜群ダンサークラウディア、私
$回~kai~


*島から島への移動の飛行機 
お陰で小さな飛行機も怖くなくなりました
回~kai~
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*皆本当に元気 笑 イスラエルの素敵なダンサーシャーロンの華麗なポーズ
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*飛行機に置いてあったカナリア諸島の新聞
私の作品感想も書いてくれています
あとで内容を聞いた所ミス無しみたいな事が書かれているらしく、、心苦しい、、
でも音と映像と踊りの空間の仕上がりという感想はとても嬉しかったです
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*ランザローテ島の素敵な劇場
現地リハーサル中
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*素晴らしいスペインの写真家ROBISCOから頂いた本番写真
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*コンペティション 参加者フォトコール(全ての参加者が入っていない、、)
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*この方無しでは成り立たなかったステージ
テクニカルリーダーのグレイス
私と洋平君の英語にフレキシブルに対応してくれたグレイス
最後の方のステージ創りのやり取りがスムーズになっていくのを感じてとても嬉しかった
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*またこの方が私の作品をMASDANZAに参加させててくれた大切な方 
MASDANZAのディレクターナタリア 
私があまり上手く踊れなかったと伝えた時に「何言ってるの?そんな事今日で忘れなさい」と素晴らしく美しくも心強い魅力的な方
ナタリアにこの作品が好きだと言ってもらえた事で本当にこの作品を創って良かったと思いました
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*ファイナルステージの出演者皆でもラスト挨拶
本当に皆素敵なダンサー方で同じ舞台を踏める事がとてもとても幸せでした
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*最終日の皆でのタパスディナー
タパスは本気で美味しいです!!!!!(写真はもう食べ終わっていて食事が写っていませんが…)
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*そして最後のお別れの一枚
真ん中の足を広げたデイビットはこんな優しい人間が地球に存在するのか!?というくらい本当に心暖かい人
半年前から飛行機の手配など全て行ってくれた命の恩人
本当にありがとうございました__________!!!!
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私のフランス研修もあとモンペリエでの1週間の研修と、その後パリに戻り約1ヶ月半のレジデンスを残すのみです。
スペインでの経験や失敗もフルに生かして残りの期間を楽しみたいと思います________。



Anyway,,,,,,
Thank a lot lot lot MASDANZA!!!!!!!!!!!!