アンコール昭和外伝完結編 | 水元秀二郎オフィシャルブログ「秀二郎の独り言」Powered by Ameba

アンコール昭和外伝完結編

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【実録番長への道完結編】

一同唖然としていた。


暴走族のリーダー(根元太)に向かって呼び捨てにしているのだ。

さすがの3年番長も、ひきつっていた。

秀二郎はリーダーに説明をしていた。

秀『カクカクシカジカ……ホニャララ……というとこで、今からぶっ飛ばすとこだったんだよ!』

秀二郎少年は、見栄を張り、ふとしに大口を叩いていた。

リーダー『秀二郎、やめとけ、やめとけ!こんなイガグリ坊主やったところでお前が笑われるぞ!』

3年番長『あの~…先輩…』

族のリーダーが、ものすごい勢いで番長を睨むと、他の暴走族も一斉に3年番長グループを囲んだ。

リーダー『おい、イガグリ!こいつはなぁ、俺の後継者だ!そいつに手を出すって事がどういう事かわかってんだろーな?あぁ?』

3年番長『えっ、あっ、い、いや、すっ、すみませんでしたっ!』

さて、何が起こったのか説明しておこう。

この暴走族軍団は秀二郎が幼稚園に通っている頃からの近所のお兄ちゃん達で、ミニ秀二郎の時からの友人であった。

しかし、秀二郎の性格上、あまりにも馴れ馴れしく、ふとし~と呼ぶ事等を怒られた事があり、泣きながら帰ったといういきさつがあった。

泣きながら帰ったという事は、当然家にいるバァちゃんに事情を説明する。

事情を聞いたバァちゃんは、可愛いミニ秀二郎が年上の近所のお兄ちゃんにやられたのが許せなかった。

祖母『コラーッ!秀二郎をいじめた奴!全員出て来い!』

ふとし達がみんなで出て来ると、持っていた肩たたき(反対側は孫の手付き)でボコボコにしたのだった。

それからというもの、あまりにも衝撃的だったのか、ミニ秀二郎は可愛がられる存在になっていた。

引っ越して来た事もあり、近所に友達もおらず、いつもかなり年の離れたふとし達と野球をしたり、サッカーをしたりしていたのだった。

それから数年の年月が経ち、さすがに遊ばなくはなったが、やられそうな秀二郎を見て見ぬふりをしなかった、ただそれだけだった。

ラッキー過ぎる展開だった。
神風とはこの事だ。

秀二郎は調子に乗るとこまで調子に乗っていた。

秀『ふとし~!家まで送ってくれよ!』

リーダー『おう、乗ってけよ!』

秀二郎、後ろに乗ると、超勝ち誇った顔で3年番長グループに、

秀『また明日ね~、イ・ガ・グ・リ・君たち!』

というと単車の上から手をふり、直管の爆音と共に消えて行った。

ミュージックラッパからはゴットファーザーの音色が流れていた…。

こうして、この学校で秀二郎に逆らう者は誰もいなくなり実質、闘わずして番長になったのである。

しかし、失うものも多かった。

イジメられなくはなった…、でも恐がっている人もいて本当の友達はいなかった。

その時はイジメられなきゃいいと必死につっぱって生きてみた。
喧嘩もした。
おふくろにも散々迷惑をかけた。
今思えば不器用な生き方だった。
いつも寂しかった。
ここに書ききれない程色々な事があった。
形から入っても、なぜかそれが当たり前になる恐ろしさとでもいうか、その逆でも例えられる。
嫌々ながらに笑顔で仕事をしていると、いつの日か本当の笑顔になる時がある。
それが当たり前に…

この非行に走った経験が、正解だったか間違いだったのか答えはわからない。
でも後悔はしていない。
今辛くても、きつくても、支えてくれるみんながいるから。
これからもつっぱって生きて行くだろう。
しかし見ててほしい、必ずたくさんの宝を世に残して散ってやる。

たかがVシネマ俳優…
されどVシネマ俳優。
大きな波、大きな壁、どんと来い!

俺は負けない……
番長への道はまだまだ続くのだ……。

水元秀二郎

【実録番長への道 完】