アンコール外伝~初恋編~⑥
【実録初恋物語りⅥ】
ミニ秀二郎は玄関を開け叫ぶ。
秀『ばーちゃんただいまぁ~!』
ミニ秀二郎は思っていた。
大好きな、ばーちゃんは、俺の事も大好きだ。
こんなゾンビみたいな姿を見たら泣きながら心配すると…
しかもミーちゃんを助けてのケが…英雄だ。勇姿だ!
ミーちゃんを助ける為にこんなにケガをして。
祖母『げっ…!』
秀『シクシク…ヒック、ヒック…』
祖母『こっ、このクソガキめっ!またこんなに制服や靴を汚しやがって!』
ケガしている事に気づいてはいなかった…。
なぜなら、血が見えない程コケと泥が付いていたのも悪循環だったからだ。
秀『違うよばーちゃん!女の子を助けたんだよ!』
必死でミニ秀二郎は一部始終を語った。
祖母『そんな漫画みたいな話があるか!嘘つきは泥棒の始まりだ!』
信じてはもらえなかった……
しかも泥棒呼ばわり……
祖母は手に持っていた懐中電灯で頭を小突いた。
なぜ、昼間から懐中電灯を持っていたのかわからないが、まだゲンコツの方がよかった。
そのまま風呂場に連れて行かれると、痛いと言っているのにじゃぶじゃぶ洗われる。
痛いなんてもんじゃない。
まぁ、祖母の優しさだ。
しかし、これも含め全てはミーちゃんの為の名誉の負傷だ。
ミニ秀二郎は明日には学校で英雄になっているだろうと考えていた。
数日後に迫っているバレンタインデーも運命の時だ。
ミニ秀二郎は、これは人生を大きく左右する問題だと一人で想像を膨らまし、顔がニヤけるのを抑えられずにいた。
この後のまさかの展開を知る事もなく……。
つづく…
次回、人生を変える激動の最終話!
【実録初恋物語りⅥ完】