アンコール外伝シリーズⅡ
【実録ヒヨコ釣りⅡ】
自宅に着いたミニ秀二郎は段ボールを両手に玄関を入る。
『ピヨピヨっピヨピヨっ』
可愛く鳴いている。
そこに今はいない祖母が現れ、
『コラ秀二郎!何だいそれ?』
小さい俺は笑顔で、
『可愛いでしょ?ヒヨコだよ!』
と誇らしげに答えた。
すると、いつも優しい祖母が
『そんなの飼えないよ!』
と耳を疑う事を言い出した。
『ヤダヤダヤダっ!俺がほしいんだから関係ないだろ!ばぁちゃんなんて大嫌いだ!!』
大好きな祖母に大嫌いと言った事を今はすごく後悔しているが、どうしてもヒヨコを育てたかったのだ。
まさかこの可愛いピンクと黄色のヒヨコちゃん達が、色も落ち、あのグロテスクな鶏になるとは知る由もなかったミニ秀二郎だったからだ。
学校に行く時に餌をあげ、学校にいる間もヒヨコ達の事を考えて勉強にならない程にヒヨコ達が愛しくてたまらないミニ秀二郎。
自宅に帰った時の次なる悲劇の瞬間を予測できるはずがなかった……。
つづく。
【実録ヒヨコ釣りⅡ完】