前回に続き「住宅取得等資金の贈与税の非課税」についてです。消費税率がUPする前にこの制度を使って住宅購入を考える方が多いですね。

結構ある質問。
「家を新築した。昨年のうちに親から金銭贈与を受けて手付金を支払って、今年に入ってからまた親から資金贈与を受けて決済金を支払った。この場合申告はどうなるの?」

本来、贈与税というのは贈与を受けた年ごとに基礎控除(暦年課税の場合110万円)を差引いた残りに課税されます。従って、贈与を受けた年ごとに申告が必要、ということになります。そしてこのように年をまたぐ場合の非課税限度額がどうなるか?国税庁のパンフレットには以下のように書いてあります。

(注) 最初に新非課税制度の適用を受けようとする住宅取得等資金の贈与を受けた年分に係る金額が受贈者ごとの非課税限度額となります。
なお、既に新非課税制度の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります。

具体的に例示しましょうね。一般住宅の場合、H24年の非課税限度額は1000万円、H25年の非課税限度額は700万円です。H24年に500万円、H25年に1200万円の贈与を受けたとした場合、非課税になるのは二年間で1000万円です。

【H24年分の贈与税の申告】
500万円-非課税500万円=0で贈与税0
【H25年分の贈与税の申告】
1200万円-非課税500万円(※1)-基礎控除110万円=590万円で贈与税112万円(※2)
(※1)H24年の非課税限度額1000万円-H24年非課税適用額500万円
(※2)590万円×30%-65万円
となります。

H25年分の贈与税の申告は、
1200万円-H25年非課税限度額700万円-基礎控除110万円
でも
1200万円-H24年非課税限度額残り500万円-H25年非課税限度額700万円
でもありません!

ちなみに・・・この申告には住民票や登記事項証明書、売買契約書や建築請負契約書などを添付しなければなりませんが、資金贈与があったことを証明するための書類(通帳のコピーや贈与契約書など)を添付する必要はありません。

だから・・・贈与が年をまたいでしまっても、3月15日の申告期限までに終わっているのならばH24年中に全額贈与があったものとして申告しても差し支えないのでは・・・とコッソリつぶやいときます。

あと要注意なのは、この非課税を適用するには、資金贈与を受けた年の翌年3月15日(=贈与税の申告期限)までに少なくとも棟上げまで完了しており、資金贈与を受けた年の翌年中に居住開始しなくてはなりません。

棟上げが間に合わなかったらH24年の非課税は受けられません。贈与税を払うか、贈与をH25年に受ける(非課税限度額が下がる)かです。

資金贈与を受けた年の翌年中に居住出来なかったら、非課税を受けた金額は取り消しになって贈与税を払わないといけません。ひぇ~~~!!

ご利用は計画的に♪