面白い曲ですね。
リュートとありますが、16~17世紀頃のリュート曲をもとに作曲したもので、古典的な曲調と華麗な管弦楽がうまい具合に溶け込んでいます。

 

3曲ある中でよく演奏されるのが、1931年作曲の第3組曲だそうですが、私のお気に入りが1923年の第2組曲です。

 

中でも、第3曲「パリの鐘(アリア)」が秀逸です。宵闇せまるパリに厳かに響く鐘なんだろうなあと思わせるゆったりとしたメロディ。空が青から夕焼けに染まる赤、そして漆黒の闇へと変化していく様が目に見えるな、何とも色彩豊かな管弦楽です。

 

そして続く第4曲「ベルガマスク舞曲」。もう何でしょう、色の洪水ってカンジ。いろいろな色の水玉がはじけて、光を反射して輝いているような。
この第3曲から第4曲への流れがとても好きです。

 

私が聴いていたのはこちら。

  ↓

 

 

ネヴィル・マリナー指揮、ロス・アンジェルス室内管弦楽団。1975年の録音です。

とても聴き手にとって心地いい、スピードも強弱も間合いも「ちょうどいい」名演奏です。

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モーツァルトの短調

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私はモーツァルトの短調が好きです。

短調の暗いしみじみした物悲しさというよりは、そのドラマティックさにぐいぐい引き込まれるカンジでしょうか。


いま繰り返し聴いているのはこれです。

ディヴェルティメントニ長調K.334ウィリー・ボスコフスキー指揮、ウィーン・モーツァルト合奏団の演奏です。


この曲は全6楽章。その第2楽章が主題と6つの変奏曲からなるニ短調の楽章なのです。

これはとても心惹かれる楽章です。研ぎすまされた美しさの中に、気だるさとあきらめと憂鬱と胸騒ぎと不安と焦りと、いろいろな負の感情が織り込まれている。

このあとの第3楽章が、モーツァルトの特に有名なメヌエット。春のうららかなうきうきとした気分のメヌエットとは対照的に、退廃的な短調。ホント、モーツァルトって天才!


この曲が書かれたのは1779年~80年頃。ちょうどイヤイヤながらもザルツブルクの宮廷オルガニストに復職していた頃のようです。

なんだかモーツァルトの不満がこの短調の楽章に凝縮しているように私には感じます。

ボスコフスキーとウィーン・合奏団の演奏は、美しく綾なす弦楽器がなんとも心地いい。私のお気に入りです。

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恐るべし!

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恐るべし、スーザン・ボイル
このCDを聴いて最初に思った感想です↓


夢やぶれて/スーザン・ボイル
¥2,800
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この人、只者ではありません!これは必聴かもしれません。

紅白にも出場したので(私は観ていない)、ご存知の方も多いと思いますが、イギリスのオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」に出場。
外見のダサいオバサンぶり(ゴメンナサイ!)から想像もつかない美声の持ち主と話題になった方です。
同番組の動画はチラッと観ていたので、気にはなっていたのですが、このCDを聴くまで、これほどの人とは思いませんでした。


彼女の声はとてもチャーミング。ですが、同時に非常に暗くて、もの哀しい雰囲気も持ち合わせています。
第1曲目の「Wild Horses」(これがローリング・ストーンズの曲!)でそれが早くも分かります。
「Cry Me A River」「You'll See」では女性らしい哀愁と官能を聴かせてくれます。
私が最も気に入ったのは「Daydream Believer」。あのモンキーズのヒットソングをバラード調に歌っています。
この曲はもともと好きな曲ですが、スーザン・ボイルが歌うと何故だか感傷と郷愁、それと暖かいものが胸に拡がります。


単なる美声だったら掃いて捨てるほどいるでしょうが、彼女の声は、これまでの積み重ねてきた人生とさまざまに抱いてきた感情に裏打ちされたもの。
だから、人の胸を打つのでしょうね。
選曲も凝っていて、この方の声の多才さをよく引き出していると思います。


そして何より「演技力」のある声の持ち主です。もしミュージカル歌手やオペラ歌手になっていたら、ものすごくレパートリーの広い歌手になっていたでしょう。
オペラだったら、プッチーニ・ヒロインでも、ファム・ファタル・カルメンでも、氷の姫君トゥーランドットでも何でもござれってカンジです。
これからもいろいろなアレンジで、ジャンルをこえて多才な声を聴かせてほしいです。


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こんな音楽を聴きました↓


ビング・クロスビー・シングス・ガーシュウィン/ビング・クロスビー
¥2,500
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ビング・クロスビーといえば、「ホワイト・クリスマス」ですが、このガーシュウィンのCDも楽しいです。
「スワニー」は思わず踊り出したくなるし、「サマータイム」は高音で“サマータイム~”と歌い出した後で、ガクンと低音に下がる、これが実に面白いのです。
単なる“低音の甘い声”じゃない。

多才で、そしてどこまでもエンターテイナーなだったんですね、彼は。

フレッド・アステアジーン・ケリーなどと共に、歌って、踊れて、演じることができる彼らが私は大好きです。


さて、今年も残りわずかとなりました。
悔しい思いもしながら、ちょっとばかしの成長も感じる、まあこの年齢になるといろいろあるよねーという1年でした。
音楽に関して言えば、関心度は年々下火になってきておりますが、純クラシック(?)にこだわらず、もっと間口を拡げて、肩肘張らずに聴いていきたいなあと思っています。
そしてこのブログも、私が「面白い!」と思ったものを、読んでくださる方にストレートに届けられたら嬉しいです。

もっと気軽に、回数を重ねて書くぞ!ま、とりあえずの目標であります。


どうぞどうぞ来年もまたよろしくお願いいたします。

映画「愛の調べ」

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ブラームスの音楽は基本的に「暗い」と思っています。聴いていても、あまり心浮き立つようなことがない。
私は、すがすがしく晴れわたり、ほのかに金木犀の香りが漂う爽やかな秋には、ブラームスはむしろ聴きたくないと思ってしまうほうです。


ブラームスの晩年のあのひげモジャででっぷり太ったイメージも災いしているのかもしれませんねー。

ところが、容貌に関して言えば、若い頃の彼は白皙の美青年だったんです。
それはまあ、彼の伝記を読んでいたので以前から知っていたのですが、先日、「愛の調べ」という映画をDVDで観てビックリ!
この映画、シューマン夫妻の半生を描いたドラマですが、当然、ブラームスも出てくるわけです。
ちなみに配役は、
ロベルト・シューマン:ポール・ヘンリード
クララ・シューマン:キャサリン・ヘプバーン
ヨハネス・ブラームス:ロバート・ウォーカー
1947年製作のモノクロ映画です。


このロバート・ウォーカー演じるブラームスが若き日の彼にソックリだったのです。
しかも、何ともチャーミングなブラームス!ユーモラスでさえある!シューマン家の子ども達と遊んだり(特に三女ユーリエとの関わりは、後の失恋を暗示させて象徴的)、シューマン家の台所で皿洗いしたり、辞めてしまった女中をウソで操って復帰させたり、映画の中ではクララに直接プロポーズしていたし。
およそ想像もつかないブラームスが映画の中にはいました。顔が似ているだけにリアリティがあります。


そこで考えました。

私はもしかしたらシャイで自らの殻に閉じこもってしまうステレオタイプなブラームスだけでもって彼の音楽を「暗い」と一刀両断していたかもしれない。それは、あまりよくないなあと思いました。


何となく、そんなことを思いながら、この録音を聴いたら目が覚めるような感じでした。
ヨハネス・ブラームス作曲、ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.77ギル・シャハムのヴァイオリン、クラウディオ・アバド指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
シャハムの若々しい溌剌とした艶やかなヴァイオリンが、アバド&ベルリン・フィルの精緻で重厚なオケによく映えます。
シャハムのヴァイオリンは、映画の中のブラームスのように愛らしくチャーミングなところがあります。そして色気もある!特に高音はウットリしちゃいます。

色気のあるブラームス。なまじ作曲家本人がストイックなだけに、意外性があっていいですヨ。


私のように、「ブラームスって暗くてさあ、あまり好きじゃないんだよねえ」という方、ぜひ映画「愛の調べ」をご覧くださいませ。
きっと、ブラームス感が一変しますよ。


余談ですが、この映画では、キャサリン・ヘプバーンのウエストの細さにもビックリします。
わたくし、ダイエットにいっそう身を入れようと決意しました。むん。


名作映画3枚組み キャサリン・ヘプバーン (愛の調べ・フィラデルフィア物語・アフリカの女王) FRTS-006 [DVD]
¥980
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今夏、「クララ・シューマン 愛の協奏曲」という映画が上映されていましたが、私はそれは観ていません。

いずれDVDになったら観ようと思っています。


ブラームス:VN協奏曲 二長調
¥2,257
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愚弟、クラシックにはまる

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1年数ヶ月ぶりに、末の弟と電話で話しをしました。


たしか前回話したときは、「クラシック音楽聴きたいんだけどさー。何から聴いたらいい?」なーんてカワイイことを言っていたので、「とりあえずバッハから時代を追っていけば?」とか「この本を読んで参考にしたら?」と、あれこれ姉らしくアドバイスした私。


それから1年数ヶ月をへた現在、弟はすっかりクラシックに傾倒していました。


「フルトヴェングラーの○○(←私は知らない)揃えちゃったよー」、「ワルターってサイコーだよね」、「デュメイのヴァイオリンって全然濁りがないんだよ」、「今日はブラームスの弦楽六重奏のCD(←私は知らない)買っちゃったよ」、「モントゥーの△△(←やっぱり知らない)のCD持ってる?」・・・etc。
もう、たじろぐほどに、矢継ぎ早にいろいろ話してくる。なんなんだ、このハマリようは!?


極めつけは15万円のオーディオセットを買ったとか。


うーむ。昔から頭は大してよくないが、メチャメチャ凝り性だったこの弟。
今のところまだ、シューベルトなどロマン派あたりをうろうろしているので、「えー、○○の録音、まだ聴いてないの?ダメじゃん」とセコいを反撃を試みたりしていましたが、これがオペラ(ワーグナーとか)やブルックナー、マーラー、ショスタコーヴィチまで範囲を拡げられるとヒジョーにマズい。
あの傾倒ぶりだと、かろうじて保っている姉の権威は間違いなく失墜します。


ということで、「やっぱりさあ、クラシックは生で聴かなきゃね」などとコンサートに誘導し、コンサートで散財させ(かつての私のように!)、多少クラシックへの意欲を削ごうという、これまたセコい計画を練りつつある悪魔のような姉でありました。

とほほ。

久しぶりにコンサートを聴きに行って来ました。
スタニスラフ・スクロウ゛ァチェフスキ指揮、読売日本交響楽団の定期演奏会。


プログラムは、
モーツァルト交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
ショスタコーウ゛ィチ交響曲第11番ト短調op.103「1905年」

このところクラシック音楽に食傷気味だった私。ですが、スゴイ演奏をライブで聴いてノックダウンされると、「やっぱりクラシックサイコー」と思ってしまうから単純。
中でも、ミスターSは特効薬ですね。


モーツァルトの「ジュピター」はややアップテンポ。この演奏は春雷。春の訪れを告げる雷。若々しいエネルギーの閃光。何もかもがこれから芽吹き、生命を謳歌する春がくる。
まさかモーツァルトの最後の交響曲でこんな演奏が聴けるとは思っていませんでした。しかも指揮者は80代です!


ショスタコーウ゛ィチの「1905年」。これはすごかったですねー。

楽章間の休みなく演奏されるこの交響曲を聴いていると、不思議です。あたかもドラマを観ているような気分になります。音楽がこんなに雄弁とは!


「1905年」とは、ロシア第1革命の発端となった1905年1月の「血の日曜日事件」を題材としたもの。ロマノフ王朝への民衆の抗議に対して、軍隊が発砲。この残酷な事件を音楽はよく現しています。
第1楽章「宮殿前広場」では、圧政に対する民衆のやるせないため息、それが活力を帯びてきて、第2楽章「1月9日」で抗議の行進へと発展します。そして皇帝軍の発砲。第3楽章「永遠の記憶」では死者への鎮魂と共に、何か虚無感みたいなものを感じます。
ショスタコーヴィチの音楽には、これに冬のロシアの寒く暗鬱な情景が重なってきているようで、面白いですねー。
第4楽章「警鐘」は、私には「不気味」のひと言でした。群衆の積もり積もった鬱憤と、イデオロギーが結びつくとこんな音楽になるのかな?単に「革命バンザイ」ではない、アイロニーを感じるというか、うまく表現できませんがそんな気がしました。


全体にわたって重苦しい空気と、何ともいえない圧迫感が漂います。私はずっと手を握りしめて聴いていました。
ミスターSならではの気迫、人生に裏打ちされた気迫みたいなものが伝わってきました。


いやあ、面白かった!
ああもう!これだからコンサートは止められません!


会場で買いそびれました↓

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 スクロヴァチェフスキ指揮ベルリン・ドイツ響
¥2,300
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サー・ジョン・バルビローリベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるマーラー交響曲第9番ニ長調を聴いていたら、マーラーが私にとって何で捉えどころがなくて不可解な存在なのか少し分かった気がします。


簡単に言えば、「突飛」で「先が読めない」音楽だからだと思います。


第1楽章。黄昏時を思わせる音楽。ゆったりと静かに宵闇が迫り、やがて闇が空を覆い尽くす。そんな壮大で美しい夜の情景に、突如、歓楽街のネオンサインのように別の音楽かぶさってくるから驚き。
主要な旋律は形を変えながら残っているのですが、音楽はどんどん虚ろになっていきます。


第2楽章は緑の丘陵で羊が草を食んでいるような牧歌的な音楽に、サーカス団が乗り込んできたような感じで展開します。象の足踏みやピエロの道化。


第3楽章はマジックショー。帽子の中からは何が飛び出すか分からない奇怪さ。


マーラーってホントひねくれたオジサンだったんだなあと思わずにはいられません。どんなに美しい明るい音楽も、やがて皮肉と嘲笑が混じってくる。
マーラー独特の悲観がどうしても顔を出さずにはいられないみたいな。


ただし、第4楽章のアダージョだけは、一切の悲観も自虐もなく、ゆったりと普遍の美しさを湛えて流れていきます。この楽章は何の不可解さもなく、すんなり心に沁みこんできます。
このシンフォニーは、何回か聴いていると慣れてきて、個々の楽章が面白く味わい深くなってくるのですけど、この楽章は特別ですね。いつも感慨深くなるのです。

この曲の当然の帰結の楽章という気がします。


それにしても、バルビローリとベルリン・フィルの演奏のすごさたるや!一切の無駄がない。バランスも完璧。限りなく崇高で、美しくて、それでいて暖かみがあって、人間的な息遣いのようなものを感じさせてくれる。
マーラーという私に言わせればひねくれたオジサンの作品を、すんなり当たり前のように高みに引き上げてしまう、バルビローリってスゴイ!ベルリン・フィルも素晴らしい!

まったく、必聴の1枚ですね。いつまでもいつまでも心に残る演奏です。


クレンペラーとバルビローリで、マーラーにようやく片目の半分くらい開眼した私です。


マーラー:交響曲第9番
¥1,127
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いったいどんな指揮者なのか。かねてから気にかかっていたベネズエラの新星グスターボ・ドゥダメルベートーヴェンを聴きました。
交響曲第5番ハ短調op.67「運命」交響曲第7番イ長調op.92。グスターボ・ドゥダメル指揮、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラの演奏。


ドゥダメルは1981年の生まれだから、まだ20代。2004年の第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝してから、大活躍している指揮者とか。
南米出身、アバドやラトルやバレンボイムが絶賛している指揮者。
さてさて、どんな演奏を聴かせてくれるのか。ワクワクしながらCDをセットしました。


5番「運命」を聴きながらまず思ったのは、垢抜けない演奏だなあ、泥臭い演奏だなあということ。
ジャジャジャジャーンを短く切って軽めに始まったのに、その後は重くて、何だかもっさりしている。
泥道を転ばないように踏みしめながら、もさもさ歩いているような、そんな印象です。


ありゃりゃ、これは期待はずれか?と思ったのですが、聴き続けていくと、あることに気づきました。
演奏が決して流れないんですね。上っ面をなぞったようなヒドい演奏を何回か聴いたことがありますが、この演奏にはそれがない。地に足がついているのですね。
そしてさらに聴き続けていくと、何だか面白いところがポツポツと出てくるんです。
例えば、5番の第2楽章。スローなテンポと長い間で、深く深く息を吸って、そして一気に音を吐き出していく。そんなパターンで演奏していくのです。面白いです。


7番は5番よりいい出来ではないかと思います。ひとつひとつの音符がキレイに繋がって、曲を作り上げている、そんな印象です。
音符まで意識させる演奏ってなかなかないですね。どんな音も疎かにしない、確実に丁寧に演奏する、そんな気迫が伝わってきます。
第2楽章は、陰鬱に地を這うように始まるのですが、水が地底から少しずつ染み出て、やがてひとつの清流になって下っていく、そんな感じでしょうか。
終楽章はかなりアップテンポ。まるで嵐のときの空みたいです。雲が風に乗ってどんどん流されていく。低いところからずっと高いところまで、さまざまな雲の層が重なり合いながら流れていくのを見たことがありますが、まさにそんな演奏。


バレンボイムはこの7番を「エキサイティング」と評したそうですが、私はむしろ鬱陶しいほどに着実に音楽を創っていく、そうした姿勢に感心しました。
いずれ、彼は大化けするかもしれない。またひとつ楽しみが出来ました。


ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番
¥2,167
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デアゴスティーニ・ジャパンから「DVD オペラ・コレクション」が創刊となりました。
その創刊号がカルロス・クライバー指揮、ウィーン国立歌劇場でのビゼー「カルメン」だったので、飛びつき購入して、早速観てみました。
主なキャストは、
カルメン:エレーナ・オブラスツォワ
ドン・ホセ:プラシド・ドミンゴ
エスカミーリョ:ユーリ・マズロク
ミカエラ:イゾベル・ブキャナン


演出はフランコ・ゼフィレッリです。


う~ん!!!歌手、管弦楽、演出、どれをとってもレベルの高いオペラです。
クライバーの華やかで流麗な音楽、申し分ない声&演技力の歌手陣、そして細部まで隙のない演出、この3つが調和して面白いオペラに仕上がってます。楽しめます!


初めてクライバーがタクトを振るのを見ましたが、彼はなかなかチャーミングです。軽快に指揮棒を振りながら(決して大げさな身振りではなく)、ニッコリ笑っている姿を見ていると、本当に彼はオペラ好きなんだなあと思いました。
相変わらず音楽は時々滑るのですけど、時々スッゴイ演奏が出てくるのでビックリ。
私が最も印象深かったのは、第1幕のカルメン登場の場面。
広場で、カルメンを待つ男たち。「カルメンシータは?」と歌ったところで、笑い声。そしてクライバーが勢いよくタクトを振って、弦がきしんだような音でカルメン登場を告げるのです。
このアップテンポのギリギリしたような音楽が、この後の波乱万丈のドラマの展開を告げているようで、私はドキドキしました。


ドミンゴのホセは初老のちょっとくたびれた伍長、一方、オブラスツォワのカルメンは酸いも甘いも知り尽くした熟女の印象。
この二人もタダモノじゃない!
第3幕、カード占いで自らの死を予感するカルメン、それを見つめるホセ。そして、視線を返すカルメン。
もう愛憎入り混じったこの目の演技に圧倒。DVDはこうした細かい部分を楽しめるのでいいですね。


ゼフィレッリは、空間の使い方、登場人物の配置、そして衣装と、巧みに考え抜かれた演出をする人です。この人の手掛けた舞台は飽きないですねー。


さて、この「DVD オペラ・コレクション」は隔週刊で発売され、全65巻を予定しているそうです。
65巻ってことは、すべてのラインナップが明らかになっていないので分かりませんが、かなりの数のオペラが観られると思います。1幕もののオペラはきっと1巻に2作入るでしょうし。
有名どころはもちろん、上級クラスやマイナーなオペラ(例えばモンテヴェルディや、ショスタコーヴィチの「鼻」とか)も観られるのでは?とちょっと期待してます。
本邦未発売のDVDも含まれているようです。

ちなみに2号目はショルティ指揮の「椿姫」です。


創刊号は990円と特別価格になっているので、みなさま、お買い得ですぞ!!!


DVD オペラ・コレクション