みなさんこんばんは。
今夜はたくさんの赤ちゃんが生まれそうです。

今日は子宮頚癌のお話。

女性のみなさん、ちゃんと子宮癌検診を受けていますか?
自治体ごとに補助の仕方が違いますが、大体2年に1度、500円から2000円の負担で受けることが出来ます。
(たいていはハガキかなんかでお知らせが来るはずなんですが、私が住んでいる神戸市からは来たことが一度もないので、そういう自治体は受診率低いだろうなと思います。)

子宮癌には子宮体癌と子宮頚癌がありますが、子宮癌検診と言うのは主に子宮頚癌に対して行われています。

子宮頚癌の主な(すべてではありません)原因はパピローマウイルス(HPV)というセ☆クスでうつるウイルスです。
そのウイルスをうつされると、たいていは免疫力で自然に排除されるのですが、持続的に感染すると数年から十数年くらいで前癌状態を経て子宮頚癌になっていきます。

某大物俳優Mさんと結婚した女性が次々に子宮頚癌になっていましたが、彼がHPVを持っていることは明らか。愛する人を癌に罹患させてしまう恐ろしいウイルスです。

若いうちにHPVをうつされると、癌になるのも早いという。
実際に25歳くらいで手の打ちようがないくらい広がっていた症例にも出会いました。
以前は子宮癌検診は30歳以上に行われていたのですが、20歳に引き下げられました。

子宮癌検診は他の部位の癌検診と異なり、癌になる手前で発見できるという特長があります。
前癌状態もしくはごく初期の癌で発見されれば、子宮の入口をほんのちょっと切り取るだけですみ、その後妊娠や出産も出来ます。

子宮癌検診は、子宮の入口の細胞をちょこっと綿棒で取るだけの簡単な検査で、偽陰性はほとんどありません。非常に優秀な検査です。
セ☆クスをしたことのある女性みんながきちんと子宮癌検診を受けてくれれば、子宮頚癌で命や子宮を失う人はほとんどいないはずなのですが・・

実際は子宮頚癌の受診率はとても低いです。
内診が嫌だというのもあると思いますが、乳がんなどに比べて低年齢で発症するため、まだ若いから癌なんて無縁だと思っている方が多い(癌検診に対する意識が低い)ためではないかと思います。

なので、妊娠して初めて産婦人科にかかり、そこで子宮頚癌がみつかるというパターンは多いです。それで赤ちゃんを諦めて治療したというタレントさんもいましたね。そういった悲劇が繰り返されないようにみんなが癌検診を受けてくれればと切に願います。

最近になって検診で早期発見し、切除するという方法以外に、子宮頚癌から女性の子宮と命(時には胎児も)守る方法が現れました。

子宮頚癌の原因となるHPVのワクチンです。
HPVにはいくつかの型がありますが、6割を占めるという16型と18型のワクチンが開発されたのです。
(→クリック

ワクチンを打てば16型と18型については約20年間感染を防ぐことが出来ます。
すでにウイルスを持っている場合、排除には働きませんが、排除されたあとの再感染は防げます。

副作用としてはアレルギー(どんな薬剤でも起こりえる)と、打ったところ(腕)が腫れたり熱が出たりすることがたまにあります。

問題は費用です。
ワクチンは3回(初回から1ヵ月後と半年後にまた打つ)打たないといけないのですが、自費診療である為、値段は病院やクリニックによってまちまちです。

薬の原価自体が3回分で5万円弱とのことですから、5万円より安くなることは当分ないと思います。

今のところ、お金持ちの女性と、お金持ちの家に生まれた子どもしか打つことは出来ないでしょう。

このワクチンはすでにワクチンに晒されている恐れのある(つまりセ☆クスをしたことのある)年代に打つ意義もあることはありますが、最も受けてほしいのはまだセ☆クスをしたことのない世代です。
是非とも学校での集団接種を実現させてほしいです。(自治体によってはやっていますが)

ワクチンによって子宮頚癌のリスクをかなり減らすことはできますが、万能ではありません。
子宮頚癌で子宮や命を失いたくなければ、定期検診は必ず受けなくてはいけません。

そして、なんと言っても大切なことは、HPVをもらわないようにすること。
HPVだけでなく、HIV、クラミジア、淋病など性感染症を防ぐべく、コンドームを必ずつけましょう。
望まぬ妊娠を防ぐには、加えてピルを飲みましょう。

めずらしく真面目一本なブログでした。


しょうもない男とセ☆クスして変な病気をもらったり、人生を棒に振ったりしないように、未来ある若者みんなに読んでもらいたいです↓
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