ヒースクリフ:河村隆一
キャサリン:平野綾
エドガー・リントン:山崎育三郎
イザベラ・リントン:荘田由紀
ヒンドリー:岩崎大
ネリー:杜けあき
(敬称略)


「嵐が丘」観てきました~。

かなりぶっちゃけた感想書きます。
ネタバレと批判的な感想を含みますので、嫌な方は即刻お逃げ下さい。



正直、第1幕は学芸会でした…。
だがしかし!!
第2幕の黒ヒースクリフはとても良い!!
ので、第1幕はひたすら耐え忍びましょう!!!(笑)

前半の学芸会っぷりにくじけそうになっても、とにかく後半の黒ヒース登場まで辛抱です。前半も「歌」は素晴らしいので、それを糧に乗り切って下さい(笑)あ、でも所々で自然なセリフ回しが出来ているシーンもありました。

てか、ヒースクリフとキャサリンがリントン家のパーティーを覗き見していたシーンで、キャサリンが番犬噛まれて大人達に見つかった時の誰かが放ったセリフ
「子供達が…!」
ていうのに思わず噴き出しそうになってしまった…(笑)
うん、いや、「役」ですからいいんですけど、つい…w(平野さんは良いけど隆一はさすがに…ね。笑)

ちなみに、黒ヒースは役自体が大人になって隆一も演じやすくなるのか、演技もだいぶ良くなりますし、何より、黒ヒース後の迫力ある歌声がめちゃくちゃイイ!!ゾクゾクします。

白ヒースの時とは違う、威風堂々とした身のこなしや雰囲気、滲み出る迫力に、思わずニヤリとします♪
あと、黒ヒースクリフ、キャサリン、エドガー、イザベラ、の4重奏は素晴らしいかった~。

第1幕終盤、キャサリンと決別後から隆一の歌い方が変わり、それまで優しく包み込むような歌声だったのが、低く空気が振動するような歌声になります。姿勢も、白ヒースは始終猫背でしたが、黒ヒースは背筋が伸びて、堂々とした雰囲気に。黒ヒース良いわぁ♪♪♪

前半の白ヒースの時、演技中も歌唱中も両手がだらりと下がったままなのは演出…なんですよね?(黒ヒースは腕も結構使って豊かに表現してましたし…。)出来れば白ヒースの時ももっと腕や身体の動きを取り入れた方が良いと思う。そうでなくても白ヒースは棒立ちばかりなので、凄く電柱な感じに見えてしまいました。

隆一は「CHICAGO」の時に動きながら歌えてましたし、今回も第2幕の黒ヒースでは結構動きながら歌っていたので、前半ももう少し動きを入れて欲しいかな。


キャサリンは前半は歌い方が少し力みすぎていて、もう少し力抜くとこは抜いた方がより表現豊かになるかな~と思いました…が、後半の病気になった以降は良い具合に力が抜けてましたし、それでいてヒースクリフを求める感じが伝わってきて、とても良かったと思います。

平野さんが歌上手いのは知っていましたが、舞台の歌はまた別物なので、どうなるかな~と思っていましたが、杞憂でしたね。
滑舌も問題ありませんでしたが、欲を言えば、セリフをもう少しゆっくり言ってもらえると更に聞き取りやすくなって良いと思います。でも平野さん初ミュージカルであの出来なら素晴らしいと思います☆☆☆


まぁでも今回、主役二人が舞台慣れしていない人達ですし、ぶっちゃけ、「芝居」としては凄く物足りないな~と思っていたのですが…、それを補ってくれたのが山崎さんでした☆彼の存在に凄く救われました~。
レミゼの感想では『チャラ男マリウス』とか言ってすみませんでした(笑)

や、でも今回の役は山崎さんにピッタリな役柄だったのもあって、凄く良かったです!それに演技も歌声も安定感が違いますね♪彼が登場するとちゃんと「ミュージカル」になります。


あと杜さんの安定感もさすがです。今回、語り部的な役なので杜さんのソロも一応聞けます♪(ただ、ストーリーテラーとしてのソロなので、あまり歌いあげる系ではありません)

しかし帝劇「エリザベート」のゾフィといい、今回の役といい、最近ちょっとお年寄りな役が増えました???杜さんの低音な歌声も好きですが、出来ればまた「風と共に去りぬ」の時みたいな健気な妻役とか、切なくも優しい歌声が聞ける役をやって欲しいなぁ~(ま、私が知らないだけかもしれませんが)


そしてアンサンブルの方々についてですが、
皆さん歌声は良いし、演技も前半の街のゴロツキシーンは良かったのです。
が、後半の上流階級な人々のダンスシーンはイマイチ。男女共に動きの優雅さが足りないです。クネクネすりゃ良いってもんじゃないし、ゆったりな動きの中にもメリハリが欲しい。

特に男性陣は歩き方がダメ!ポジション移動中も気を抜かず、ちゃんと優雅に移動してくれなきゃ。上流階級な人達なのにそこ普通に歩いちゃダメでしょ~。
優雅な歩き方を終始維持出来ていたのは1人だけでした。その方はバレエ的な動きも軽々こなしていたので、バレエ経験者なのでしょうかね。やはり動きが綺麗だと華がありますし、観ていても楽しいです。


舞台後、トークショーがありましたが、作曲家の倉本裕基さんがおやじギャグ連発の楽しいオジサマで面白かったです(笑)岩の模様をモチーフにした舞台背景を指して「備長炭」と発言した上に「スミません」ときたもんだ(笑)良いキャラでしたw

岩崎さんは慣れない進行役にアタフタしててトークショー最後まで噛みまくりでしたw

あと、隆一が
「ヒースクリフは3年間も行方くらましてたのに、それでも『お前は俺を愛しているはずだ!』と言いきっちゃうのは凄いなぁと思った」
という発言をしていて、それ聞いた瞬間、
「ウチらSLAVEはその倍以上待たされたんだぞー!?」
と私は心の中で叫びました(笑)きっと他にも同じ気持ちを抱いた人は居たはずだ…。