抗がん剤治療の副作用と言えばあの強烈な吐き気。

その吐き気のメカニズムってどんな風に起こるんだろうって
とても興味が出てきました。
で、自分なりに少し調べてみたんです。

抗がん剤が体内に入ると、細胞がダメージを受けます。
すると細胞からセロトニンというものが放出されます。

セロトニンは抹消神経上にある
5ーHT3受容体というものとくっつきます。
例えて言うならセロトニンがカギで
5-HT3受容体がカギ穴ですよね。

この神経の刺激がまず脳の中にある
化学受容器引金体、
言ってみれば銃の引き金のような所を刺激して
さらに延髄にある嘔吐中枢を刺激して吐いてしまうのだそう。

この反応は抗がん剤を投与して24時間以内に出現する
急性嘔吐というそうです。

このルートを邪魔して吐き気を予防する薬が
5HT-3受容体拮抗薬と言われるもので
グラニセトロン(カイトリル)
オンダンセトロン(ゾフラン)になります。

先回りしてセロトニンより先に5-HT3受容体とくっついて
吐き気が出ないようにするそうです。

グラニセトロンオンダンセトロン
急性嘔吐を予防する薬になるので
抗がん剤を投与して何日もたっていたら効果はないんだそう。

これに加えてステロイド剤のデキサメタゾン(デカドロン)を併用すると
かなりの割合で吐き気を抑えられるのだそうです。

そしてもうひとつのルート

セロトニンの他にもサブスタンスPという神経伝達物質が
末梢神経から放出されます。

サブスタンスPニューロキニン(NK1)受容体というものと
くっつきます。

この刺激がやはり化学受容器引金体を刺激して
嘔吐中枢を刺激し、吐いてしまいます。

この刺激は抗がん剤投与後24時間以降もダラダラと続くので
遅発性嘔吐と呼ばれるそうです。
急性嘔吐が現れると遅発性嘔吐も現れやすいのだそう。

このルートを邪魔するのが最近認可された
効果絶大な吐き気止め、アプレピタント(イメンド)になります。
みんな言ってましたが
「イメンド飲んでゲーゲーやってる人っていないよね!」
ってくらい、本当に素晴らしい薬です。

さらにこの2つの作用の他に、今までの経験や不安などから起こる
予測性嘔吐というものがあるそうです。
前回までの治療経験によるものが大きいので、
いかに1回目で急性嘔吐を予防するかが大きなカギとなるのだそう。

抗がん剤を点滴しているわけでもないのに
吐いちゃったりっていうのはこの予測性嘔吐によるものなんだそう。
とてもやっかいな吐き気ですよね。

抗がん剤治療をやるにあたり、いかにこの吐き気を
うまくコントロールするかで治療にも大きな影響が出ます。
私もかなりムカムカはしていましたが
思いっきり吐いちゃったりする事はありませんでした。
吐き気止めが本当によく効いてくれたんだと思います。

今は副作用を抑える本当にいい薬があります。
治療にガマンはつきものっていうのは昔の考え。
今はいかに副作用をラクに乗り切るかって方向に進んでいるんです。
これも広い意味での緩和ケアの領域に入るのだとかいうのを
何かで目にした事があります。

医療の世界は日進月歩。
なるべく患者の負担にならない治療がどんどん出てくるといいと
心から願っています。


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