手術退院後から1回目の化学療法入院まで
実はかなり間があいてしまっていたんです。

本当はあまりこの期間は開かない方がいいんですよね。

治療開始予定は2週目か3週目の予定でしたが
ちょうどタイミング悪くカゼをひいてしまったんです。
近所の内科を受診してなんとか悪化せずに治ったのが月末
予定をだいぶ押しての入院となってしまいました。

今回も入院は9階との事で、
1ヶ月ぶりの住み慣れた?病棟へと向かいます。

自分のベッドに案内されるとさっそくドサッと色々な資料を渡されました。

私のやる予定の治療薬、ドセタキセルとシスプラチン。
このシスプラチンはプラチナの成分を含み、
かなり強力な抗腫瘍作用があります。

80年代頃から使われている薬だそうです。
でもこのシスプラチンは高い効果が出る反面、
副作用もとても強く出るそうなのです。

よくテレビドラマやドキュメンタリーの抗がん剤治療の副作用で
ゲーゲー吐いているのはまさにこの抗がん剤がモデルでは?
って思ってしまいます。

でも今はこの吐き気を予防するために
色々ないい吐き気止めが使われていますし
2009年に認可されたイメンドという薬は
今までの薬とは作用する部分がちがうので
今まで抑えられなかった吐き気も予防できるそうなのです。

私は今回の治療で臨床試験に参加する事になりました。

イメンドを使って、どのくらい吐き気を抑えながら
安全に治療ができるかというのを調べる事が
主な目的になるそうです。

この臨床試験を受けるには、
主治医の先生からの詳しい説明を聞いてちゃんと同意して、
同意書にサインしなければ始められないそう。

IC(インフォームドコンセント)っていうんですよね。

臨床試験に限らず、どんな治療を受けるにもこのICは
今や当り前に行われている事ですけどね。

入院したのは日曜日の午前中だったのですが、
月曜日も先生は朝から1日手術で時間が取れず。
せっかく入院しているのに何もせずにダラダラ過ごす事になりました。

結局先生とお話できたのは月曜日の消灯間際。
でもこれをやらなきゃ治療も始められませんから
先生とのお話が始まりました。

子宮体がんの抗がん剤治療には
色々な薬の組み合わせがあるんですけど
現在どの薬の組み合わせが一番よく効くのがという
大規模な臨床試験が行われている最中なんだそう。

現時点では効果は同等と考えられているので
私の場合はこの組み合わせでやっていくそうです。

ドセタキセル、商品名はタキソテールというのですが
この薬は骨髄にとても強く作用して
白血球中の好中球の数値をガクンと下げてしまうんだそう。

部長先生が書かれた本にも、そのあたりはとても詳しく書いてありました。
骨髄抑制というのですが、それによって重篤な感染を起さないか
とても心配でした。

「確かにタキソテールは骨髄抑制が強いんですけど
ガツンと下がってもこの薬は割と早く回復する傾向なんですよ。
他の薬は比較的ゆっくり下がって上がりもゆっくりなのに比べると
V字カーブで回復してくれるから、
だいたい次の治療の時はちゃんと戻っている人が多いんです。
だから考えようによっては使いやすい薬なんですよ。」

「へぇ~、そうなんですね、じゃあその下がっている時だけ
特にしっかり気をつけていればいいんですね。」

抗がん剤については本やインターネットで
色々と情報を仕入れていました。
心配な事を色々聞いてみたのですが

「それはあくまで一般的な事だし、
どんな副作用が出るかは人それぞれで、
必ずLunaさんにその症状が出るとは限らないですよ。」
と優しく諭されてしまいました。

そうなんだよね、確かにそう。
とにかく私は自分に起こった症状を的確に先生や看護師さん
薬剤師さん達にきちんと伝えるようにしていかないと。

ずいぶん長い時間お話してもらいました。
病棟は消灯時間をとっくに過ぎたみたいでもう真っ暗でした。

じゃあサインします、と名前を書こうとした時

「ん?んんーーー??ちょっと待って下さいよ。」

先生が慌てて私の血液検査結果のデータを見ています。

「あー、この数値じゃ始められないなぁ
ほら、ここの好中球って数字、
これがね、最低2000はないとダメなんですよ。」

私の場合は1430しかありませんでした。

「うーん、臨床試験ですしねー、それに1回目だし。
回数重ねてれば1500あれば大丈夫なんですけど
1回目はどのくらい作用するかも分かりませんから
2000はやっぱりないとダメなんですよねー。」

うわ、いきなりですか!

同室になった方や病棟で仲良くなった方から
この好中球の数値の事は聞いていたので、覚悟はしてましたけど
まさか治療を始める前にひっかかるとは!

もちろんダルかったり具合が悪かったりなんて全然ないんですよ。
見た目は元気でピンピンしてます。

でも数字が足りないんじゃしょうがない。

「とりあえず明日採血しましょうか。」
って事で、すっかり暗くなった自分の部屋へと戻ったのでした。

あぁー、こんなんで本当に治療できるのかなぁ・・・



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