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フランソワ・クープラン



フランスのバロック音楽(フランスでは「フランス古典音楽」と呼びます。)の三大作曲家を選び出すとすれば、前期のジャン=バティスト・リュリ、後期のジャン=フィリップ・ラモーは疑うことなく入りますが、もう一人選ぶとすれば、私はフランソワ・クープランだと考えています。



彼はオペラを作曲せず、クラブサン音楽の作曲を得意としていました。また、晩年のルイ十四世の前で演奏した「コンセール」と呼ばれる室内楽作品も知られています。



彼の作品は、2世紀後のクロード・ドビュッシーやモーリス・ラベルにも影響を与えています。



これは彼の生み出したものではないですが、曲に標題をつけるのが、フランス古典音楽の大きな特徴です。こうした点を踏まえ、フランス独自の鍵盤作品を完成させて、後世へ大きな影響を与えていると思います。



ラベルに至っては「クーブランの墓」と呼ばれる作品がありますが、これもフランス独自の形式であった「トンボー」と呼ばれる、故人の印象を音楽で印象づけた作品です。「トンボー」はバロック時代のフランスで、盛んに作曲されました。



また彼は、フランス音楽とイタリア音楽の融合を目指しており、「リュリ讃歌」や「コレルリ讃歌」などの作品がありますが、この両国の音楽の融合は自分にしかできない、という自負を持っていたようです。



フランソワ・クープラン、日本でもっと注目されてよい音楽家だと思います。