2016年4月を振り返りつつ、現在の状態をまとめます。
思いつくままランダムに書いています。
◆全身状態
微熱が続いている。ほとんど常に37度台前半。しかし炎症反応は落ち着いているので、肺炎のための抗生剤は終了。36度台なることも時折あるが、やはりその時のほうが覚醒状態よく、気分も良さそう。
SpO2は90%台後半で推移。数値はよくても息苦しさは常にあり。摂食後、90%台前半になってしまうことが問題。
痰の量は少なくなってきたものの、自力で痰を排出できないので(そのための力がなく、また口や舌、喉をうまく動かせない)、吸引がどうしても必要(2,3時間ごとには吸引している)。
◆意識状態
3月末に肺炎をぶり返して以降、落ちてしまった意識状態は、緩やかに緩やかに回復しているとは思う。覚醒している時間が増えてはきた。しかし基本、目をつぶっていることが多い。眠ってしまっていることがほとんどかもしれないが、目をつぶっているだけで実は起きているということもある。入院前から「目を開けていられない。」ということはしょっちゅう言っていた。しっかり覚醒できていれば、こちらのいうことはほとんど理解できている。ただ顔の表情を作ったり、相槌が打てないので「ほんとにわかっているのかな?」とすぐに思ってしまう。けど、ちゃんと理解してくれています!
◆コミュニケーション
話そうとするときはほとんど無声音になってしまう。一文話すだけでも相当疲れる様子。話し始めはよくても、文の終わりには力尽き口がまわらなくなってしまうことが多い。
文字盤は使ってくれず、それよりは字を書こうとする。
「話す」にしても「書く」にしても、その明瞭さは、父の体調、意識レベルに大きく左右される。
父がどんなにがんばって伝えようとしてもどうしても理解できないことも多々あり、父にとって相当ストレスだと思うのだが、それでイライラや不平不満をぶつけられることはない。「理解できなくてごめんね。怒った?悲しい?」と時々尋ねるのだが、「大丈夫だよ」というように首を小さく横に振る。
本当のところ、どう感じているんだろう?
父と話したい。自由にいっぱい話したい。きっと色々なことをいっぱい感じていると思う。
「はい、いいえ」クエスチョンによるコミュニケーションがどうしても多くなるのだが、首の動きが微妙すぎてどう答えているかわからないことが多い。目の動きでわかることもあるが、これも微妙。一番よく伝わるのは手を握ってもらうことだ。「YESだったらギュッとして」というと「ギュッ」「ギュギュギュギュギュ」「ギューーーッ」など、気持ちの強さも手の握り方で伝わってくる。
◆嚥下
嚥下機能検査をなんとかパスして、ゼリー位までなら食べられるだろうと判断されているのだが、思うようにすすまない。三口ほど食べると疲れて口が動かなくなり、むせやすくなり、SPO2も下がってくる。それでも、最初の頃よりは、少しずつ上手になってきたか・・・。食べたい気持ちはあるのだが、途中で力尽きる感じ。これも体力と覚醒状態に左右されているところが大きい。焦らない焦らない・・・
◆睡眠
入院と同時に内服薬をいっさい飲んでいない。父の睡眠障害を改善するためのリボトリールも当然飲んでいないのだが、手足のばたつきなく、静かに眠れるようになっている。
◆運動状態
入院と同時に一気に運動機能は落ちたが、リハビリを続けていたおかげで肺炎回復とともに運動機能も回復。入院前の7割位までは回復していると思う。初めの頃は看護師2,3人がかりでベッドと車椅子間の移乗をしていたが、今は、私と父と二人だけで余裕で行える。看護師さんたちは「すごいすごい」とほめてくれる。
排便もトイレに行ってできるので大変助かる。
調子がよければ端座位OK。
手すりをもちながらの立位20秒程はいける。
パーキンソン症候群の薬としてシンメトレルを内服してきたが、今はドパストンを点滴投与。四肢の運動が維持されているのは、リハビリと共にこの点滴の効果大。
◆排泄
尿管カテーテル留置。入院前までは、頻尿、尿閉気味で、排尿のための労力は莫大だったと思うのだが、それからは解放された。尿路感染さえ起こさなければ、父の負担の軽減にはなったと思う。でも、管につながれているわずらわしさがあるのも事実。外したい気持ちにもなるけれど・・・たぶん無理・・・
固形物が何も入っていないのに、定期的に排便がある。トイレで自力でできるので感謝。
◆口腔ケア
肺炎発症と同時に、重要なケアとして加わったのが、この口腔ケア。
息苦しいからか口をあけて寝ていることが多く、一切の水分も禁止されているので、口の中はいつもカラカラ。
そこに痰が絡んできて口腔内を汚すので、日に数度の口腔ケアは欠かせない。
常に清潔にしておかなければ誤嚥性肺炎のリスクが増す。
口腔内をスポンジで湿らせたり、付着した痰をとったり、時間を決めて念入りに歯磨きをしたり、私はしょっちゅう父の口を覗き込んでいる。きれいさを保てていると自己満足にひたれるので、このケアは楽しい。
◆栄養
3月にあれほど苦しんだしゃっくりと吐き気・嘔吐は一切なくなった。
絶飲食の効果といえば効果だ。やはり、胃腸の働きが相当弱っていたのだと思う。
始めの頃は、胃ろうの可能性も示唆されていたけれど、この頃は全くその話はでない。
高カロリー輸液が主栄養源で構わないけれど、あーせめてお粥くらい時折食べさせてあげたい・・・
◆その他
一時、首が極度に後屈し、目が上を向いてしまう状態が続いた。実はこの症状、進行性核上性麻痺の典型的な症状でもある。それで医師間では、父の病はやはり進行性核上性麻痺か?とか、進行性核上性麻痺の併発か?などの議論も一瞬持ち上がったらしい。「神経内科疾患においては経過の途中で診断名が変わることは珍しくない。どんな診断名がついても、確定的なことは解剖しなければわからない」と父の主治医にはよく言われてきた。が、とりあえず今のところ診断名が変わる気配はない。
今現在はその症状は消失している。もう二度と父と目を合わせられないだろうか、と思うこともあったけれど、今は覚醒さえしていれば、しっかりと見つめ合うことができる。
◆まとめ
肺炎により急激に全身状態は落ちたが、今はまたそこからある程度持ち直し、低め安定期に入っている。四肢の筋肉、運動機能はほぼ回復していると思うが、全体としての体力、嚥下摂食、発声発話、意識レベルはなかなか回復してこない。
肺炎は緩やかに回復し、元の疾患は緩やかに進行しているという印象。
寝ている時間が多いのは、緩やかに脳の機能も休む方向に向かっているのだろう、とある医師に言われた。
とにかく、目標は5月中に退院。
父の願い通り、家で過ごさせてあげたい。
そのためには、決して肺炎をぶり返さないこと!
それが今の最重要、最優先課題です。