(前回の記事の続きです)


基本的にはWikipediaというものについては、画期的なものだと思っている。

また、全体的には便利なものであることも間違いではない(特に英語版)。


だが、日本語版のクラシック音楽関係の項目にデタラメが散見されることは問題だと思うのである。


例えば、英語版と日本語版のWikipediaの「マーラー」の項を比較すると、あまりの違いに愕然とする。
大きなことも小さなことも含めて、重要な間違いは置いておいて、ここでは分かりやすことを二点挙げてみる。
作品一覧に、日本語版では「巨人」「夜の歌」などというタイトルがなんの説明もなく正統的なもののように表記されている。しかし、これらは英語版には全くない。そして、もちろん英語版が正しい。
また、第8番に対する「千人の交響曲」などという俗悪な渾名についても、これはマーラーが認めていたものではないという、今日かなりよく知られてきていることが、英語版にはきちんと書いてある。だが、日本語版では、あたかもこれが正式なタイトルであるかのように使われている。

などなど、挙げていけばきりがない。

そもそも日本語のウィキペディアに投稿しようと思うのであれば、最低限でも英語版Wikipediaの記事ぐらいには目を通すべきではないのか。


このようなウィキペディア日本語版に憂えてクラシックジャーナルが企画を立てました。

「間違いだらけのウィキペディア クラシック編」です。

アルファベータのトップページ (←リンクを貼ってあります)から投稿できます。


明らかに間違いだと思われる部分について日頃から思うところのある方は投稿してみてはいかがでしょうか。


日本のウィキペディアでこのようなことが起きる根底には、実は大変に深い問題が横たわっていると考えられる。

そのあたりのことについては、また後日。