★子宮内膜症★治療→腹腔鏡下手術
●子宮内膜症 腹腔鏡の目的
⇒各種病変に対して診断と同時に治療を行う
★診断
不妊症の原因検索
子宮内膜症の診断確定
子宮内膜症の進行期評価
★治療
腹腔鏡下手術で病巣の除去
●長所と短所
◎開腹手術にくらべ患者への侵襲が少ない
◎切開創が小さいので術後疼痛が少ない:多くが鎮痛剤不要
◎入院期間が短縮、早期の社会復帰が可能
◎手術瘢痕が目立たない(5~10mm)
◎術後の癒着形成も最小限で二次的不妊症の発生が少ない
◎微小病変までくまなく探し出し適切な処置をおこなうことができる
×気腹の副作用・合併症
×全身麻酔 が必要
×予期せぬ出血時の止血が難しい
×骨盤高位の姿勢が必要
×摘出物の回収が困難な場合がある
×手術時間が長引くことがある
●方法
★腹腔鏡下にて子宮内膜症を発見、診断
★病巣を可及的かつ一期的に除去
ブルーベリースポット等の腹膜病変燒灼
→レーザーないし電気メスで燒灼
癒着剥離
卵巣や卵管周囲の癒着病変中心に癒着剥離処置が中心
子宮と直腸間等の剥離し付属器と広間膜間あるいはダグラス窩を開放
卵管通水
不妊症例では予め通色素検査で卵管の疎通性を確認
→卵管機能に問題のある症例では卵管周囲癒着の剥離は適応外
仙骨子宮靭帯の切断(※LUNA=laparoscopic uterosacral nerve ablation)
仙骨子宮靭帯内を走る骨盤痛に関する知覚神経を切断する処置
靭帯の子宮付着部付近をレーザーないし電気メスで処置する
適応→子宮内膜症例・機能性月経困難症例
チョコレート嚢腫内溶液の吸引洗浄・嚢腫のアルコール固定法
※アルコール固定の場合、嚢腫の組織型を確認できない
卵巣に対する毒性、再発の可能性等の問題点がある場合は
チョコレート嚢腫に対しても他の卵巣嚢腫同様核出手術が原則
腹腔内洗浄
●術後~退院まで経過
術中気腹法による肩の痛み、吸気時の横隔膜痛がみられることがある
尿→翌日バルーンカテーテル抜去
食事→翌日から徐々にup
抜糸→術後7日頃(外来で)
★退院~抜糸までは遠出や激しい運動は避ければ特に日常生活制限なし
●術後治療方針
不妊例では直ちに妊娠をめざし原則として術後の薬物療法は実施しない
性生活は腹腔鏡の侵襲度で異なるのでDrと相談
自然妊娠不可と判断した場合は早期ARTに移行する
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