★私たちの出逢い~結婚まで★ (2)そして、別れがやってくる | 神奈川厚木(対面・全国オンライン)女性の応援セッション・講座 いわぶちゆきこ

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神奈川厚木にて、夫婦で20年♪
こころとからだのトータルケア
りらくぜーしょんるーむAnela(あーねら)

2000年6月。

その当時 つき合っていた彼とは、

結局、別れることになった。
 

 

2月の 不思議なできごとから
「変化の兆し」として

予感していた ・・・
まさに、その通りになったのだった。



大好きなダンスを通じて、

知り合った彼。

 

 

いっしょにいるのは 

とても楽しかった。

ふたりで  ダンスをするのも、

ダンスの話をするのも

時間を忘れるほど  楽しかった。



でも・・・・
人生を共にするパートナーとしては、
なにかが違うな、って感じた。



彼とのなにげないやりとりの中で、
違和感を感じることが 

いくつかあって。



たとえば、私が「会社をやめたい」

という話をしたとき。



 「今の年齢で(当時の私は28歳)

会社を辞めたら、スーパーのレジ

ぐらいしか、仕事はないよ」
という 彼の言葉。

 


それは スーパーのレジの方に

失礼じゃないの!と思ったけれど、

彼としては たぶん、こういうことが

言いたかったのだと思う。



その年齢で今、仕事をやめたら

自分がやりたい仕事は選べないよ。

・・・って。

 


好きでもない仕事を続ける

ことは、もう無理~~!!

“自分の好きなこと、楽しめることを

仕事にしたい” と思ってたわたしは

 

「じゃあ、あなたは 今の仕事が

楽しいの?本当にやりたかったこと?

こどもの頃は、何がしたかったの?」


 

ほんとうは、自分自身に問いかける

べきことだというのに、自分の中の

もやもやを ぜーーんぶ、

彼にぶつけてしまっていた。

 


彼にも小さい頃、夢があった。
でもそんな夢は 

とうの昔にあきらめた・・・と。



「仕事を楽しもうと思うのが、

そもそも違うんだよ!仕事は

元々 そういうものだと思えば、

なんてことはない」 と言う

彼の瞳には、あきらめの色が 

うつっていた。


 

それは違う! 

彼も絶対、無理をしている!!
・・・そう思いつつ、

私自身も 今の会社をやめたあと

楽しい仕事をする自信がまったく

なかったし  第一、自分が

いったい 何がやりたいのかも 

分かっていなかった。

 

 

違う!!と思いつつ、

なんにも反論できない自分が、
ものすごーーく 歯がゆかった。


 

そして・・・
どう見ても、自分に無理をさせつつ

仕事をしている 彼といっしょに、

日々、暮らしてゆける自信が

・・・私にはなかった。
 

 

自分自身が、もう この仕事は

限界!!!と 精神的にも肉体的にも

かなり マックスな状態だったので、
無理をしている彼を 感じることすら

・・・きつかった。


 

またあるとき、彼は、こんなことも

言っていた。たぶん、少しばかり、
別れを予感しての言葉

だったと思うけれど。



「僕と結婚したら、一生(金銭的に)

困らせることはないよ」って。


 

会社で、その腕前をかなり認められ、

自分でも  地道に努力して
世間でいわれるような 

“ 出世コース ” をバリバリ歩み
海外出張などもしていた彼だったので
たしかに、その通りなのかもしれない。

 

 

だけど、彼の その言葉を

聞いたとき なぜか私の身体が

きゅっと 縮こまる感じがした。

 


ふっと、鳥かごの中にいる 

鳥の姿が 思い浮かんだ。

 


鳥かごは、金ぴかに輝き、

それはそれは とても美しい。
でも、その中にいる鳥の目は、

どことなく、うつろだ。

 


はるかかなたをみつめ、

自由に好きなように 空を

飛びまわっていた日々を、

なつかしんでいるかのよう ・・・



そう。まさに、一生、

困ることのない、守られた生活。

 


でも鳥には、

好きなときに好きな場所へと
飛びにゆける “ 自由 ” がない・・・
その鳥は、私の姿でもあるように

感じた。あぁ、これもまた私にとって、

何か 危険だなと。


 

もちろん。わたしの考え次第で

未来は 何とでもなる。でも、

少なくとも そのときの私には、

そうとしか 思えなかった。

 

 

これは、“ 後付け ”になるのだけれど、
そんないくつかの 違和感が、
別れた理由といえば、

理由だったのかもしれない。


 

でもやはり、

嫌いになったわけでもなく、
むしろ、大好きな彼と別れること・・・
それは、すぐに決断できることでは

なかった。


 

おまけにその当時、今までにないほど

仕事がものすごく忙しくなっていた。
その忙しさとあいまって、私の頭の

なかは、かなり混沌としていた。

 

 

自分の本当のきもちを

たしかめたい。


 

そうおもった私は、会社がえり、
忙しさでぐるぐるになった頭を 

まっさらにするために、
職場のあった日本橋から 隣町まで

2駅ほど、ひたすら歩いた。

 

 

そして、その途中に流れる

隅田川に 立ち寄っては、
川の流れをぼ~っと眺めたものだった。



墨田川の、

静かな ゆったりとした流れ。
その流れを ながめていると、

ざわついていた 私のこころが、
ゆったりと 静まってゆくようだった。

 


そしてまた、隅田川には、
意外にも クラゲが、

けっこうたくさんいる。

 


そのクラゲが、

夕方 暗くなりかけた川の中で、
ぷか~っ ぷか~っと
浮いては沈む。


うす透明のくらげが  

夜の街灯の光に照らされ
ほのかに うっすら光る姿は、
すーーっと すべてが穏やかに

収められてゆくような、そんな、

神秘的な光を 放っていた。

 


くらげの放つ、神秘的な光も また、
迷ってごちゃごちゃになりかけている 
私のきもちを ひとつ ひとつ
しずかに しずかに・・・

溶かしていってくれるようだった。

 


来る日も来る日も、隅田川に通う。

 


川のおかげか、クラゲのおかげか、
日が経つにつれ、不思議と

気持ちが 落ち着いてきた。

 


そして、ふっと

自分の将来を想ってみる。
いろいろ思いをめぐらせていたら、

何だか 楽しくなってきた。


でも そこには、残念ながら・・・
彼の姿はなかった。


 

そうか、別れるんだ。
 別れを決断した 瞬間だった。



(つづく)

  ☆      ☆      ☆


★追記★

 

私たち夫婦が この仕事をはじめて、

10数年。今まで、紆余曲折

・・・いろいろなことがありました。
 
でも、ここまで

「好きなこと、楽しいこと、得意なこと」

仕事として 続けてこられたのは

私のこころのなかに、この時のことが

あったからだと 思います。

 

この当時は、反論すらできず

自信も なかったけれど、

「自分が 納得いく仕事♪

わたし、絶対にやるからねー!!」

という原動力は、ここから来ていた

のかなもなぁって。時を超えて 

あらためて・・・彼に感謝です ☆


ありがとう