BL小説 『恋雪』 (砂原糖子) を読んで、解ったコト。 | BLに全然まったくまみれてはいない日々について。

BLに全然まったくまみれてはいない日々について。

~BL、BL、BL、ただそれだけ~・・・だったのはもう遠いむかし☆

 
恋雪 (SHYノベルズ)/砂原 糖子
 ¥903 Amazon.co.jp



ワタシが足繁く通っているBLレビューサイト様は、どちら様も砂原糖子さんを絶賛されていて

ワタシも絶対に読むわよー! と勢い込んで読んでみても、どうにもなんとなくワタシには

合わない気がする日々の中で、それでも何とかしてワタシもその絶賛気分を味わいたいが為に

何冊かに手を出して読んではみるものの、やっぱりなんとなく合わない気が払拭できない。

もやもやする。 ワタシが好きな人が好きって言うものはワタシも好きになりたいの。

そおいう生き方を嬉々として貫いているワタシとしては、ものすごく残念で、なんでワタシには

この方の良さがわかんないのかしら? と思いつつも 『恋雪』 という作品を読んでいる途中に

雷に打たれたように、“なんとなく合わない気がする原因” ってのがわかったので

今日はその件について書きたいと思いますこんにちわ☆ニコです。

 

 

まあ、安く言えば、「ウ、ウォータァーーー!」 @北島マヤって感じです。


毎日発見の日々。 ありがたい。

 

 

   

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

  

『恋雪』 砂原糖子/イラスト:木下けい子 *ニコ評価 : ★★★☆☆
   

 

                                    

《内容紹介。》

 

「いつか必ず迎えに来るから、向こうで一緒に暮らそう」 そう言って島から去った

幼馴染みの成明(攻め)を信じ東京に来た湊(受け)だったが

成明(攻め)は劇団の仕事が忙しく、冷たかった。
それでも、成明(攻め)が酔って帰ってきた日に結ばれ、喜ぶ湊(受け)だった。
しかし、実は成明(攻め)には好きな女がいて、その代わりに抱かれたことを知りショックを受ける。

そんなとき湊(受け)に俳優になることを薦めるプロデューサー柏木が現れて・・・!?
クールで強引な成明(攻め)と素直で従順な湊(受け)が東京で繰り広げる、切なく擦れ違う恋物語。
 

 

 

《感想。》


よそ様で大絶賛だったので手にしたコチラでしたが

まず裏表紙の内容紹介を読んで、嫌な予感がよぎりました。 

 

その嫌な予感を喚起させた一文がコチラ。↓


しかし、実は成明(攻め)には好きな女がいて・・・


うわ~。 こおいうシチュエーション苦手なんだよなあ。

とは思いつつも読み始めてみる。


んで、読んでも読んでも、やっぱりなんだかどうにもこうにも居心地悪い。 もやもやする。

静かにじっとりとテンションが下がっていく感じがする。

感動する気満々で読んでいるのに、なんだかいたたまれなくなってくる。


そして3分の1を過ぎた頃、突然その原因が判りました。


ワタシは、砂原さんの書く人たちのリアルさがダメなんだ!


と。 

 

 

 

コチラの攻め様も、かなりリアルな攻め様です。


北海道のさらに離島の小さな小さな田舎に住んでいた幼馴染であり

唯一の同級生であり恋人同士の攻めと受け。

攻めが受けに熱烈に恋をして、2人は恋人同士になった。

攻めはそんな田舎に嫌気が差していて、高校と同時に島を出て東京に行く事を決意する。

当然のように受けにも一緒に行こうと懇願するが、受けには複雑な家庭のしがらみがあり

高校卒業後は家業の旅館を手伝わなくてはならないので、攻めと一緒に東京には行けない。

 

旅立ちの朝。

港で、攻めは別れを惜しんで涙する。 そして、

「いつか必ず迎えに来るから、向こうで一緒に暮らそう」

と言って、島を去っていった。


攻めの東京での生活は、波乱万丈で忙しく目先の事で手一杯の中

受けの事を徐々に徐々に忘れていく。

東京に来た頃は毎日のようにしていた電話も、週に1度になり、月に1度になり

そして4年後には携帯の番号も教えないまま疎遠になっていた。

そして、所属している劇団の女性に恋心を抱き始めてもいる。


そんな中、いきなり受けが上京してきて部屋に泊めることになるのだが

4年経って受けに対する恋心が失せた今、4年経っても何にも変わってない

田舎者である受けを疎ましく思う、、、

 


というような出だしなんですが、ワタシ、コレ、すっごく嫌だ!

だって、リアルすぎじゃあないですか!?

こおいうのって、現実にもよくある話だと思うんです。

 

自分に置き換えてみたって、自分が攻め様だったとして

離島の片田舎で同級生が一人しかいない状態で、幼馴染に恋をしちゃうってのはあると思うんです。

そこには同性も異性も関係なく、まず最初に選択肢が無い。

恋をするにも、そもそも相手がいない。

そんな状況の中で、すっごい仲良くしている幼馴染であり同級生がいたとしたら

たとえ同性であっても恋に落ちても不思議は無いような気がします。 


んで島を出て、小さな離島から大都会東京に出てきて

18歳の多感な男の子、しかも都会に憧れていた男の子が影響を受けないワケがなくて

いつまでも田舎においてきた幼馴染の事なんか考えてられないってのもわかります。


そしてそもそも攻めはホモってワケじゃなくって、受けだから男でも好きだったワケなので

その受けに対する恋心が薄れてくれば、普通に女性に恋をしてしまうってのもわかります。

 

18歳の世間知らずな男の子が永遠の愛を誓ったって

そんなのは、ほとんど無理な話だと思うんです。 当然です。


 

このね、 “その気持ち、よくわかるわ、、、。” というのが

とっても嫌なんです!

当然が当然のように描かれているのがすっごい嫌だ。


なんでそんなにリアルな心情が嫌なんだろうと考えました。

そしてわかったのは、とっても単純な答えでした。


ワタシはBLに、おとぎ話を求めているんだと。




だってさあ、この攻め様、すっごいリアルでしょ?

でもさ、リアルはワタシ自身の人生で事足りてるのだから

BLにはリアルじゃなくて、ムダにきらめいている美しいものが欲しいのです。


付き合っている相手に心変わりされた気持ちなんて、わざわざ読まなくても十分知ってますから

どうかどうか、そこは、18歳の世間知らずな少年が永遠の愛を誓って

存分に世間を知っても他の人にはこれっぱかちもよそ見をせず、その誓いを守るような

精神的に荒唐無稽なおハナシをワタシはBLに求めていたんだ! と、くっきりはっきりと判明しました!

 


砂原さんが人気なのは、このリアルさなんですね。

砂原さんの書く攻め様って、リアルな弱さをもってる人が多い気がします。

いい人・優しいだけじゃないずるさも弱さも持った人主人公のリアルな感情が描かれながらも

BL的ハッピーエンドがある感じ。

共感できる感じ。 共感して泣ける感じ。


ワタシには逆に、この “共感” がとっても居心地悪かったんです。

そのキモチ、わかりすぎて辛い。

 

読書ってのは、経験であり体験です。

 

恋する相手の心変わりがリアルに書かれていれば、ワタシもソレを体験するワケで

でもそんなの自分の人生で経験するだけでお腹いっぱいです。

逆に、大好きだと大声で叫んで落とした相手を好きでなくなるってコトも

自分がそおしただけで十分です。

心変わりをされた方も辛いですが、心変わりをした方だって辛い。

口約束であれ、約束を反故にするっていうのはすごく嫌なものなのに

それをBLでもう一回体験したくないんです。

 


ワタシはBLで、キレイゴトが読みたい!

おとぎ話が読みたい!

リアルでは滅多に見かけない、優しさと包容力が主成分な

全部持っている攻め様を堪能したい!

リアルさなんかどおでもよくなるような

冷静さを奪い去るくらいの萌えの高波に攫われたい!


BLはワタシにとってはデザートです。

甘い甘いデザート。

 

だからと言って甘ければイイだけじゃあダメで、ぬるい甘さは

ぬるいおハナシじゃあ萌えなくて、全然リアルじゃあない内容をあたかもソコにはありそうに

現実にはそんな攻め様いるワケないんだけれども、「どっかにいるかもしんない!」

と思わせてくれるような、最高に甘いデザートであって欲しい。
  


まるで無菌室のお花畑のように。


そもそも、お花が育つ状況で無菌ってえのがありえないってのを前提に

その矛盾を内包ししつつ、美しい世界を見せて欲しい。


そのお花畑のお花は決して枯れないし、虫も付かない。

根腐れなんてあるワケがないし、いつでもキレイに咲き乱れている。

小鳥は美しい声でさえずっている。

気温も湿度も快適に保たれている。


ワタシはそんなありえない世界をバックグラウンドにしつつも

その胡散臭さをあまり匂わせないでうまいこと隠していて

萌だけがやたらに溢れている世界をBLに求めていたんです。

 


ほんと、リアルは自分の人生で十分ですから。

作りごと、バンザイ。

ですから、どうかどうか、美しく作ってください。 

 

  


そんなワケですから砂原さんの作品を読むと、ほんと、泣けます。

コチラの作品も、マジで泣けますよ!

リアルだから。 わかるから。 感情移入、どっぷりするから。

 

でも、もやもやっとする。

 

ワタシはね、一瞬でも女性に恋してしまった攻め様なんて、読みたくないのよ、、、。

淋しさを埋めるタメに他の男と寝るような受けなんて、読みたくないのよ、、、。

 

 


もうほんと、一棒一穴でお願いしますよ。

たのむから!

 

 


―――――――――――――――――――――――――――――――――



 

創作において、リアルであるってのはとても素晴らしいコトなのに

ワタシにはリアルであればあるほど、とっても萎える。


BL以外の創作物に関してはそんなことないんですが

BLってのはワタシの人生には何のかかわりも無い

純粋なファンタジーとして楽しんでいるので

そのファンタジーの中に現実を喚起させるリアルがあるのが

ダメなのかもしんないなあ。

 

 


そんでもって手元には、読んでない砂原さんの作品がもう2冊ほどあります。

 

読むよ! 読む!!

次の本こそ、世間様同様、萌えられるかもしんないもんね!!!

 

 

  

※BL小説もくじ。




にほんブログ村
にほんブログ村 漫画ブログ BL漫画へ にほんブログ村 アニメブログ BLCDへ

コチラの作品。 イラストの木下けいこさんがとっても良かったです~v