「さらば、夏の光よ」 「ほんとうの私を求めて」 | Chocolat★Diary

「さらば、夏の光よ」 「ほんとうの私を求めて」

最近、遠藤周作さんの本ばかり読んでいます。ハマっていますね、私にゃ 


 「ほんとうの私を求めて」 遠藤周作著


こちらの本は先日読み終えたばかり。小説ではなく、随想集ですね。少し前に読んだ「あなたの中の秘密のあなた」 「ひとりを愛し続ける本」と同じ内容の部分もありました。


人間の中には自分の気付かない自分がいること。社会に出ているときの「善」の顔と、誰にも気付かれない、そして自分でも気づいていない「悪」の心を持った自分。そして抑圧されたものは必ず捌け口が必要であると。


先生(いつの間にか遠藤周作さんを先生と読んでしまう私・・・べえ)がその刷け口にもなると話す、先生の作った素人劇団の話。


読んでいて、本のタイトルである「ほんとうの私を求めて」というのは読んでいる読者が自分探しをしていくというより、先生自身が本を書きながら先生自身を探って行っているような気がしました。


それにしても先生のエッセイは面白いです。思わず笑ってしまうことが何回もあります。先生にお兄様がいらしたこと、故郷のこと、母に対する気持ち等、新しい発見があって興味深かったです。



 「さらば、夏の光よ」 遠藤周作著

 

  

2冊目のこの本は少し前に読んだ本です。詳細は忘れてしまいましたが、先生らしい切り口で書かれた小説でした。


3人の登場人物。学生である3人の三角関係。章ごとにそれぞれの登場人物が主人公となって進められるストーリー。最後に一つにまとまったストーリーとなるときに、登場人物の背景がよく分かっているので、ひとつの物事にも多角的に読み取る事が出来ます。


三角関係がその後どうなるのか・・・、是非読んでもらいたいです。先生の本に共通する何かがこの本にも流れています。やるせない気持ちになったことだけは覚えているのですが・・。