新♪ここだけの話♪♪ ~スッチー編~ -8ページ目

新♪ここだけの話♪♪ ~スッチー編~

空の上のおもしろい話、つつみ隠さずぶっちゃけます♪

ちょっと前にこんなことがありました。


目的地に到着してから泊まるホテルが機長たちと同じところでした。


「今日、おいしい韓国料理食べに行くけど、一緒に行く?」


私は、だいたいの場合英語を勤務以外でしゃべるのがめんどくさい

という理由から、こういう誘いは断ります。が、韓国料理が大好物

私。


        「うん!!行く!」


と即効で御返事しました。


5時にロビーで待ち合わせ、おいしい韓国料理をモリモリ食べて幸せ

いっぱい。機長の2人(推定年齢50歳)もとってもいい人でした。

印象に残ってるのは特に一人のヒゲの生えた機長さん。


「僕の娘がねえ、僕に憧れてパイロットになりたいって言い出した

んだよ。今、17歳なんだけどね。’パパ、恥かしくて言わなかった

けど私、小さいときからパパみたいに空を飛びたいって思ってたのよ。

パパほど腕はよくなれないかもしれないけど・・・”な~んて言うんだよ。

僕は涙が出るほど嬉しかったね。」


食事が終わり、これから飲みにいくという機長たちをほって、先に

部屋に帰りました。


次の日、ホテルからの出発時間というのは、機長と乗務員は違うものです。

機長は、ブリーフィングという物は必要ないから、乗務員が先に集合するの

です。


飛行機に入り、お客様をスタンバイ。機長というものは搭乗の約5分前ぐらいに

バタバタと入ってくるものです。


「やあ、昨日はおいしかったね!」


ヒゲじゃないほうの機長とともに新しいメンバー2人が入ってきた。私は、バタバタと仕事。

搭乗がはじまった。お客様の搭乗が済んだころ、地上職の人たち、そして客室課の

部長さんたちがアタフタしている。


         なに??え~、もしかして飛行機壊れてるとか?

        

新聞でも配ろうか・・・としている私を客室課の部長さんが呼んだ。


「あなた、昨日、James(仮名)と一緒だったって本当?」


         「James(仮名)って、ヒゲの人?だったら一緒に韓国料理

         食べに行ったよ。」


「それからは?」


         「それからは、私はホテルに一人で帰ったよ。」


「あら、そう。。。。。実は、Jamesがまだ来てないのよ。」


         え~~~~!!!!寝坊?!


「ホテルの部屋にもずっと電話してるんだけど、出ないから、今、ホテル

の人に部屋を開けて調べてもらってるとこよ。」


8時間を越える長時間フライトの場合、機長は4人いないといけない。

2人ずつの交代制をとるからである。乗務員には「自宅待機制度」があり

何かあればすぐ飛べるようにスタンバイしている人がいるが、うちの機長

にはそういう制度は無い。なので、James(仮名)が来るまで待か、

他の非番のパイロットに電話しまくって飛んでもらえないか頼むのである

でも・・・パイロットというものはそこの空港の近くには住んでいない。

飛行機で何時間もかかるところに住んでいるのである。

例えば、東海岸から出発するけど住まいは西海岸とか・・・


         も~・・早く帰りたいのに!


James(仮名)の寝坊だと思ってた私に驚きの事実が知らされた。


「ここから3時間ぐらいのところに住んでる機長が飛んでくれる

らしいから、出発は今から大体4時間後ね。お客さんを一旦、

飛行機から降ろすわ。」


        「え・・・うん。わかったけど、James(仮名)は?」


「彼は・・・部屋で亡くなってたのよ・・・・」


        「え??なんで?どうして?いやや!!!そんなん、イヤや!」


「ナイフで刺された跡があるそうよ。」


       「なんで?」


「さあ・・今はまだ分からないの。後で警察が事情を聞きにあなたのとこにも

来るからね。」


お客様を全部降ろし、怒ってるお客様に謝っていると警察がやってきた。

昨日いっしょだったもう一人の機長とともに、取調べが始まった。私の場合は

30分ぐらいで終わった。


「はい。いいよ。これで、終わり。ありがとう。」


         「あの・・・彼は何かの事件に巻き込まれたんですか?」


「う~ん。今調べてるところだけどね。社員証とか制服は取られてない

からテロリストの犯行ではないみたいだよ。いや・・・でも、なんとも奇妙

な事件だよ。」


後日談によると、Jamesの部屋にはJamesの筆跡で遺書が書かれていた

らしい。自殺かと思ったが、しかし、犯行に使われたナイフは見つかっていない

そして、お風呂がわかされていて、これから入ろうという感じで彼は素っ裸で

殺されている。それに、彼はベッドの上ではなく床で死んでいて、その横の壁に

血の跡があり手に付いた血で何かを書こうとしたところで息絶えたようである。

何もとられてないし、何も犯人の手がかりがなく、この事件は迷宮入りしそう

だ・・・・ということであった。


James(仮名)の、娘さんの写真を誇らしげに私に見せた、あの表情が

頭から離れない。。。。。。




ちょっと前にこんなことがありました。


アメリカとフィリピンを結ぶ便があります。その便には・・・

あるお客様たちが毎回、何人も乗っていました。その方々

とは・・・・・インターネットでフィリピンの若い女の子(20歳以下)

と結婚しに向かうアメリカ人のおじさん達。(40歳以上)

フィリピンに向かう便ではおじさんは一人ですが、アメリカに

帰る便では、子供をおんぶしながら大変そうなフィリピンの

若い女の子に、身の回りのことをぜ~んぶさせ、横柄な態度の

アメリカ人。その横にはフィリピンの女の子のお父さんとお母さん

が嬉しそうに座っているパターンです。


そういうおじさんたちは、アメリカ人なのに大体が態度が横柄

よれよれのTシャツをケミカルウォッシュGパンにインし、すっごい太って

いて、絶対に笑いもせず、陽気さのかけらもない


         なんで、あんな男の人とこんな若いキレイな子が

         結婚するんやろう・・・(:-:)


私は、いつも悲しい気持ちになりました。


その日も、私のスッチー席のまん前にそんな男性(推定年齢40歳)

が座ってました。その人は、他の人と違って終始ニコニコ・・っていうか

ニヤニヤ・・・


         「なんか・・・嬉しそうですねえ。お仕事でフィリピンへ?」


「いや、違うんだよ!!なんと・・・・結婚しに行くんだよね!」


         「え~、すっごい!おめでとう!」(一応驚くふり)


「もうさ、アメリカなんか住んでられないから仕事も辞めて来たのさ。

彼女はいつかアメリカに住みたいって言うけどね。」


         「ああ、じゃあフィリピンでまた職探しやね。」


「い~や、これまでに貯めたお金でフィリピンでは一生遊んで暮らせる

んだよ。」


         「すっごい貯めたんや。」


「いーや、たったの300万円。それで遊んで暮らせるって彼女が

メールに書いてた。それぐらい持って来てねって。」


         持って来てね・・・・って・・・・簡単に・・・(:-:)


        「ああ、メールね・・・どうやって知り合ったの?」


「フィリピンの女の子と結婚しませんか・・っていうインターネットの

サイトだよ。」


         あ・・・みんなのやつや・・・


彼は、彼女とチャットで会話ができるらしい。チャットし始めてからから2ヶ月

結婚を決めたという。。。


        「え・・・顔とか見たことあるん?」


「うん。写真が送られてきた。見たい?」


そこには、18歳の若い女の子がいた・・・・ほそっ・・・・・


「でね、そこに建物が写ってるだろ?それが彼女の家だって言うんだよ。

彼女が新居がほしいって言っててね。。僕も可哀想に思って、先週

僕らの新居を買ったんだ。彼女が欲しいって言う家にした。」


        会ったことない人に、見たこと無い家買ったの・・・(@-@)


「でさ、今日は・・・・じゃじゃ~~~ん♪見て!!」


そう言って彼が見せてきたものは、白い小さな箱。。。。


        「あ・・・・指輪?!」


「そう!結婚指輪&婚約指輪!今日は着いたら彼女の家族と彼女が

空港で待ってるはずだから、みんなの前で渡すんだよ。彼女が、そう

して欲しいって言ってね。ダイヤの大きさまで指定されたのさ。」


       彼女の言いなりやね・・・・・・


白い箱の中の指輪には相当でかいダイアモンドが付いていた。


その後も彼は終始ゴキゲン。私も少し不思議な気持ちになりながらも

彼の幸せが本物であるように祈った。到着間際になった。後ろのスッチー

から呼ばれた。後ろのギャレーに行くと、興奮気味の彼がいた。


「おい!!お。お。お。お、おい!!オオ、オ、オ、オレの指輪が無いんだ!」


        「え!!!最後に見たのはいつ?」


「君に見せてからは見てない!おい!指輪を返せ!」


        「え・・・??取ってないよ!」


「ウソだ!お前の服のポケットを調べるぞ!カバンも見せろ!お前にしか

指輪みせてないんだからなっ!」


        「取ってないって、絶対!」


彼は見るまで納得しなそうだった。


        「じゃあ、ぜ~んぶ見ていいよ!」


そういうと彼は、私のポケットというポケットに手をつっこみ、無いのが

分かるとカバンを持ってこいと命じた。


「これは?ああ、クツの袋か。これは?ああ、化粧品か。中は開けていいな?」


見られて困るようなものは無かったし、疑われてる方がイヤだったので

隅々まで見る彼を止めることはしなかった。


「おい!どこへ隠した!吐け!」


        「だから~、知らんって!」


機長が降りてきた。事情を説明した。


「彼女を疑うよりも、指輪を探すことが先決だ!」


そういって、乗務員総出で彼の指輪を探すことになった。機長は彼に、自分の

カバンの中をもう一度探すように勧めた。


「あったよ!彼の席の後ろに落ちてた!!」


         ほら、みろ~~~~~~~~~!!!!


彼が私に言ったことは・・・・


「君が強欲そうに見えたから・・・」


         あなたの彼女のほうがよっぽど強欲やと思いますけど!!ふんっ。


彼を空港で待ち構えてるのは、本当に彼女なのか、それとも

マフィア集団なのか・・・・そんなことを心配してあげるのは辞めた。



         

       

過去記事で~す♪過去記事にもコメントありがとうございます♪

いつも嬉しいです。


↓↓↓


今回も、今でもププッと笑えるようなことが起こりました。


それはまだ飛び立つ前、皆様が席に着いて機長が管制塔との連絡

を取ってるぐらいのときに起こりました。通路を何気なくあるいていた私。

ふいに、呼び止められました。

振り向いたらカワユイ女性が顔を赤らめながら、私に何か言いたげです。


          「いかがなさいましたか?」

                                                                               彼女はおもむろに自分のカバンからメモを取り出し、何かを必死に書き始めました


         えっ、電話番号くれたりしたらどうしよう・・・私はそんな趣味は

        ございませんって言う?告白されたらどうする?・・・

                                                                             そんなことが頭をよぎっていたとき、彼女はそのメモを私に渡しました。

急いでトイレに入り、メモを広げました。そこには、こう書いてありました。


「隣の席の人が、とってもくさいです。他に席空いてませんか?」

                                                                                彼女に今日は満席なことと、早速席を立ってギャレーに来てください

と書いたメモを渡しました。

彼女の席の隣にはサラリーマン風のスーツを着た男性が座ってます。

果たして、何がくさいのか?私は彼の横に立ってみた。


          わっ、くさっ!くさ~っっ!

                                                                               そこは、納豆となにかすっぱいものが混ざった匂いがしてました。。。私は

足の匂いだと判断しました。彼はクツ脱いでたし・・・・

しかし、なんて言おう????


          「お客様、クツをはいていただけませんか?」?

          「お客様、納豆とかお持ちですか?」・・・いや、持ってへんやろ。

                                                                                と考えていたら、寝息が聞こえてきた!

彼が寝た!!!!!

私はビジネスクラスからぶあつ~い毛布を急いで持ってきて、

彼の足元にそ~~~っと起こさないようにかけました。


          

           よし、作戦成功。。。。。。

                                                                                と思ったのに、その悪夢はお食事サービスの後でおとずれました。

例の彼女がギャレーに来ました。


「あの~、まだにおうんです(T-T)たぶん、別の場所から・・・体臭というか・・・あの・・・」

         

           「は、は~ん、ワキガですね?」


           あ・・・・はっきり言っちゃった!


再び私はその席に行きました。彼は、スーツのジャケットを脱いで口あけて寝てる!


          ジャケット脱いだんや・・・(@-@)足元、暑かった

          からかな・・・でも、どうしよう・・・・


再び私は、ビジネスクラスからぶあつい毛を取ってきました。

起こさないよ~に、そ~っとそ~っと全身をすっぽり覆うように掛けた。


           ・・・・・・・・よし!成功!

のはずだった。。。

                                                                      「すいません、さっきから熱いんですけど!!!

なんで毛布こんなに掛かってるんですか!毛布

持って行ってくれません?」

          

          起~き~た~な~(*-*)!!!

           

          「あ、あの~少しこの周辺が匂ってるみたいでして・・・・・」

                                                                      「で、なんで、毛布をオレがかぶるん?」

         

         「えっと・・・あの~。。それは・・・」

                                                                                        

モゴモゴする私・・・

そんな時、彼の前の席に座っていたアメリカ人のおじいさんからの声が!!!


「I think you have a strong odor from your armpit.That's why you'd better wear

the blanket.」(お前のワキガが匂うから、毛布かけといたほうがええで)

                                                                              「なんて?何言うてんの?」

          

           これ、訳すの?わたし訳していいの?おじいさん、

          訳す私のみにもなってよ(T-T)

                                                                                           

          「あのですね、ちょっとこの辺のにおいの原因と致しまして・・・」

                                                                                   「Oh, I can speak some Japanese words.  ’あなた~は~、ワキくさい~だから”!!!

How’s that?」

(あ、オレ日本語ちょっとできるで。’あなた~は~・・・・・・” どや?)


            はい、ハッキリ言っちゃった。。。。。。

                

もうフォローの仕様もなかった。

彼は黙って毛布を全身にすっぽりかぶって、ず~っと寝てた(寝たふり?)

到着して、みんなが降り、彼の席にポツリと置かれたブアツイ毛布・・・

          

           あの毛布には、匂いがしみついただろうか・・・?

                                                                               私はそんなことを考えたのでした♪♪



私がこんなにいろ~んなことが起こる会社を

辞めない理由・・・それは、「旅行に安く行ける」

という理由が大きいと思います。


うちの会社は無制限にその優待制度を使って

旅行できます。ただ、自社便だと予約が取れないけど

席が空いてたらビジネスクラスに2000円という

料金でどこへでも行けるのです。そして、乗務員は

全世界いろんなホテルが半額(部屋は悪い部屋です)

そして、免税品のお買い物も全商品15%オフで買える

のです・・・・・


だから私は、辞めるふんぎりがつかない・・・・


その旅行特典を生かして、海外と結婚生活をしてる人も

多数います。今日はそんな中の一人を紹介したいと思い

ます。


彼女は、旦那様と機内で出会いました。「乗ってきた瞬間に

この人!!って思った」んだそうです。


それで、運よく彼は彼女の乗務員席のまん前の席だった。。。

そこで彼らは連絡先を交換し、次の週には彼女は、彼に会いに

アメリカ西海岸へと飛んだのです。そして半年後に、その西海岸

在住の彼と無事結婚しました。


       そうか~。Sちゃんももう辞めるんやね~・・


と思ってたらいつまでたっても彼女は会社にいる。


        「ねえねえ、生活どうやってるの?」


「日本にもたまに帰って来たいですから、通うことにしました。」


しかし、彼女の実家は九州。彼女のベースとする空港へは

飛行機で通うのです。つまり彼女はフライトの前日に西海岸から

アメリカ国内線を乗り継いで自社便の乗れる空港まで来て

日本に飛び、国内線で九州まで帰り、次の日にはまた国内線に

乗ってすぐに国際線に乗務する・・・・・


「でもね、交通費10000円ぐらいなんですよ、往復で!」

         

         パワフルですね・・・・(@-@)

                                                                              そうしてる内に年ほど経ち、彼女には子供ができました。うちの

会社には「産休」はありません。でも彼女は計画的(?)なので

1年契約を更新してその直後に妊娠した。それから1年をお休み

し、次の年の契約の月には飛び始め、また契約更新しました。


           「ねえねえ、子供どうしてるん?」


「あのね、一緒に日本に連れて帰ってきて、九州の母に預けて

それからまたここに戻ってきてフライトしてから一緒に西海岸に

帰ってます。」

            「や・・・けど、最近、月に8本ぐらいフライトあるやん。」


「皆さんに日を変えて頂いて、8本連続で飛んでます。」


彼女は国際線を休むことなく15日間、飛び続けているらしい・・・・・

その後もまた飛行機に乗ってすぐアメリカまで帰る・・・・


            どんだけ飛行機好きやねん・・・(@-@)


そんな彼女の旦那さんは、ヨーロッパベースの欧州線パイロット。彼らにとって、

世界は狭いようです・・・・。


こないだ、こんなことがありました。


普通にお客様の搭乗が始まりました。私はまたドアのところで

お客様をお出迎え。


「おぅ、ねえちゃ~ん。日本人?よ・ろ・し・く♪」


     えらい酔っ払い、乗ってきたな~・・・(:-:)


その人は全身からお酒の匂いをプンプンさせ乗ってきた。しばらくすると

後ろの担当スッチーに呼ばれた。


「あの酒臭い人、もうビール出せって言ってるから説明して来て!」


さっきのおっさんが手招きしていた


「おぅ、あいつなあ、ケチでな、ビール出しよらへん!も・・もっ、持って来て!

ぬぃ、ぬぃ・・・2本な!」

       もうロレツまわってへんやん・・・


      「あの~、恐れ入ります。お酒は、離陸してからしかお出し

      できないんですよ。離陸したらすぐにお持ちいたしますので

      少しお待ちください。」


おっさんは、それでもなんだかんだくだを巻いていたが、酔っ払いの

たわ言としてほっとくことにし、その場を離れた。


「あんなおっさん、乗せんかったらいーのに!」


後ろ担当のスッチー達は口々に怒っていた。航空会社が搭乗を

拒否できる場合は2通り。一つは、このような酔っ払い。もう一つは

あきらかに怪しい人(テロ行為をするんではないか)と機長を含む、

スッチー達全員が判断した場合。


確かに、この酔っ払いのおっさんは11時間の飛行に耐えれるのか?!

というほど酔っ払っていた。


無事離陸し、お飲み物のサービス、お食事のサービスが終わったころ、

酔っ払いのおっさんエリア担当のスッチーに呼ばれた。


「ちょっと!!あのおっさん、機内のお酒が500円(もしくは5ドル)する

からって、空港の免税店で買った自分のウィスキー飲んでる!ボトル、

取り上げるから通訳して!」


おっさんの席に向かった。おっさんは、だいぶええ調子で思い切りテーブル

の上に「CHIVAS REGAL」の瓶を置いて飲んでいた。


         「お客様、さきほどアナウウンスでご案内しました通り、ご自身で

         お持込のお酒は機内ではお飲みいただけないんですよ。連邦

         航空局の法則なんです。それに随分酔っ払ってらっしゃいますが

         大丈夫ですか?」


「んぁ?あ?飲んだアカンの?そんなこと言うたかてな、こ・・・ここにおった

外人スチュワーデスが、酒出しよらへんくぅわら!」


         「それは、こちらの担当の乗務員が、お客様は少々飲みすぎで

         いらっしゃると判断したためです。機内では気圧の変化でお酒が

         通常の3~5倍、まわるんですよ。そのために機内で倒れるお客様が

         たくさんいらっしゃるんです。」


「いや、オレは少々のことでは酔わんっ!」


パーサーがやってきた。


「ボトル、取り上げること言った?早く言って!もうこの人は

今後お酒は飲んではダメよ。到着まで!」


          ・・・到着までとか言ったら、怒りよんで、また・・・(:-:)


          「あの~、こちらパーサーなんですが法則を破られては困る

          ということで、ウィスキーの瓶をこちらで預からせて頂きます。」


「そりゃないで!ねーちゃん!オレ大丈夫やーゆうてんねん!

イヤがらせくゎ?オデなんかしたか?すぉの瓶もって行くんやったるぁ、

飛行機の中の酒もってこいよ!び、び、ヴィールとワイン!はよ、持ってこい!」


           どんどん、ロレツまわらんね・・・・・


「彼はなんて言ってるの?」


           「その瓶もって行くんやったら、他の酒持ってこいって・・・」


「絶対ダメ!もうこれ以上飲ませたらどうなるか分からないわっ!

水、持って来てやるっ!」


パーサーがを持って戻ってきた。おっさんの前に差し出した。乗務員

が、こんなに酔っ払いの管理にうるさいのには訳がある。乗務員は、

お飲み物やお食事をお出しするだけでなく、緊急の際にお客様を

助けるという業務がある。もし、緊急のことが起こり、飛行機が急に

どこかに着陸しないといけなくなった際に、お客様が酔っ払って、

千鳥足で足がもつれて逃げ遅れたりしたら外国ではその遺族が

航空会社とそのエリア担当のスッチーを控訴できるらしい。。。

「お客様のお酒の量をコントロールしなかった」と・・・・・・


「あんたねえ、こんな飲んだら、次の乗り継ぎ便の飛行機、搭乗

拒否されるよ!この水飲んで、頭冷やし!」


「なんて?(訳して)」


           「あの~あまりに酔っ払ってらっしゃったら、乗り継ぎ便

           の飛行機に搭乗拒否されるから・・・と心配しております。」


「どぅ・・・どわ・・・から、大丈夫やっ!」


おっさんは、真赤な顔で怒り出した。機長がとうとう降りて来た。機長と

パーサーの話し合いの間に、酔っ払いのオッサンに緊急のときに

千鳥足で逃げ遅れてもらったら困ることを説明したが、おっさんは

聞こえないふりを徹底していた。。。。


「パスポート取り上げることにしたから。ほんで、あんたがいるから

このオッサンはあんたに甘えて反省しよらへんねん。ここはもう、

外国やっていうことを分からせるためにも、あなたはあっちに行って。」


          わっ!すごいね、それ。。。。。


私はギャレーの陰からそっと見ていた。おっさんは機長とパーサーに

「パスポート!」と単語を何度も言われ、しぶしぶパスポートを出してきた。

機長は、目的地の入国審査官に情報を送ると言ってパスポートを持って

上に上がっていった。パーサーも誇らしげにCHIVASの瓶を持って

ビジネスクラスに戻って行った。通路からそっと見ると、おっさんは

寝たふりをしていた。


目的地へと下降体制に入った。おっさんに瓶とパスポートを返しに

行った。


           「こちら、お返しいたします。」


特に理由もなく、後ろから声をかけた私に、必要以上にビックリして

おっさんは飛び上がった。


          ・・・・・・そないにビックリせんでも・・・・(@-@)


ビックリしてビクッとした拍子に、おっさんの足元で何かが動いたのが

見えた。おっさんは必要以上に足をバタバタ、毛布で何かを隠そうと

している様子・・・・・


           なに??


しゃがんで、席の下を覗き込んだ。わたしが見つけたのは日本酒の

「カップ酒」!!!しかも2つ、転がっていた。


          どおりで、おっさんの顔、まだ赤いはずやわ・・・


           「それ、隠した方がいいですよ。ちゃんと。」


と言って、パスポートと瓶を渡した。


目的地に到着した。私はドアのところでご挨拶をしながら、通路を歩いてくる

オッサンを見つけた。フラフラしてるのを何とか隠しながら、一歩一歩踏み

しめるよう歩いてきた。


           必死やん・・・


         「ありがとうございました。」


おっさんは目を合わさずまっすぐ前を向いて降りていこうとした。


ドスンッ!!


前のめりになって、私の目の前を飛んでいくオッサン。頭から、地面につっこんだ。


         絶対、顔打ったわっ!


案の定、起き上がったオッサンの唇から血が出ていた。。。。。


         「ティッシュ、もってきますから~!!!」


トイレにティッシュを取りに行って戻ってきたらオッサンの姿は

もうなかった。。。。。


         そないに飲まんでも・・・・・


前回の過去記事ですが、色々考えましたが

削除しました。


海外にお住まいの方々にとっては、英語名のほうが

使いやすかったりする現実をわきまえてなかったと

反省してます。


皆様からいただいたコメントも画面上は消えてしまいましたが

ちゃんと保存してあります。


せっかくコメントいただいたのにすみません。。。


今後は、もっともっといろんなことを考えて、記事を書いていけたら

な・・と思います。



先日の過去記事で少しでもイヤな気持ちになられた方々、

ごめんなさい。以後、気をつけます。


それでは、また後ほど更新したいと思います。


ちょこ



外国にフライトしたときは、乗務員はホテルの部屋で一人です。

アメリカなんか行ったら、アメリカンサイズの巨大な部屋に一人

です。


そんなホテルでこんなことがありました。


チェックインしたら、フロントのお姉さんがこう言った。


「あなた、今日は超ラッキー。部屋がオーバーブックしてるから、ジュニア

スイートに入れてあげるわ。」


        おお、それは楽しみ♪


部屋を開けると、そこは天国のような空間。部屋は全部で4つもあり、

ジャグジー付き。ダイニングテーブルの上には、ウェルカムシャンパン

と共にいちごやマンゴ、パイナップル、メロンなどのフルーツの盛り合わせが

おいてあった。


私はその日、嬉しくてホテルの部屋にこもりっきりだった。


夜中、2時ごろ、ドンドンッ、ドンドンッ・・・とドアをノックする音が

聞こえてきました。


     ん??隣の部屋、うるさいな~・・・


ノックの音はそれからもず~っと鳴り止みませんでした。だんだん

頭が起きてきた私。


      え・・・・、私の部屋をノックしてる??


ごそごそと起きて、確かめに行くことにしました。ドアに向かっていたら、

ドンドンッとノックしながら声が聞こえてきました。


「おい、クレア、悪かった!オレが悪かったよ!クレア!クレア!

ドアを開けてくれないか!クレア!!」


      はは~ん、この人はクレアさんに、ふられたんや・・・


ドアのところまで行って中から叫びました。


       「あのねえ、部屋間違ってますよ。私はクレアじゃない、外国人やし!!」


「ウソつくな!クレア、君がこの部屋に泊まってることは分かってるんだ!

誰だ、お前は!クレアをかくまってるなら、出せ!!」

                                                                              そう言って彼は、もっと激しくドアのノブをガチャガチャしながら、カードキーを

入れたり抜いたりし始めた


      こわっ!!


私は部屋の中のチェーンをかけなおし、もう一度叫んだ。


         「私は、ほんまにクレアじゃない!!もう一度、フロントデスクに行って

          部屋番号を確かめて!」

                                                                              「い~や、オレは昨日ここに泊まってたんだ!だから、この部屋のカードキー

を持ってるんだ!クレア!早く開けるんだ!」

                                                                             私は、怖くなってホテルの保安要員に電話した。彼らは、すぐに部屋に向かうと

言った


彼はガチャガチャとドアと格闘していた。ふいに、ドアのカードキーを抜きさしする音が

一瞬止んだと思ったら


・・・・・ピコピコ♪・・・・


そう言って、ドアが開いた!!!!


          なんで開くねんっ!!(:-:)


彼は、中のチャーンを外そうと必死にもがいている。私は、もうドアのそばに寄るのは

危険と感じ、中のトイレにこもって保安員が早く来てくれるのを祈っていた。


「おい、クレア!なんでこんなことをするんだ!もう、君がそのつもりなら

僕にも考えがある!」

           

          なんやねん・・・・(@-@)


「クレア、君をこれで撃って、僕も一緒に死ぬ!」

           

           え・・・・(:-:) 今、おっさん、確実に「SHOOT」って言ったよね・・・

           銃を持ってるんや・・・

                                                                           トイレ&お風呂場に、電話が付いてるのを見つけた。


            「あのねえ!!さっき電話した者やけど例の男性、銃を

             持ってて、撃つとか言ってるから。早く来て!!」

                                                                               「さっき、電話した人?誰?何が起こってるの?」

            

           なんで、知らんねんな!この国って・・・そんなんやなー・・・


            「部屋に入ってこようとする人がいるんよ!」


「あら、それは大変!すぐに保安員を向かわせるわ!」


             それ、10分前にも聞いたし・・・(@-@)


ドアのチャーンがボロボロになり、外れそうになったころ、外からこんな声が

聞こえてきた。


「おい、貴様何する!オレはこの中の女に用があるだけだ!離せ!!

撃つぞ!!」

                                                                             その叫び声がだんだん遠くなっていった。。。。と思ったら、


ドスンッ!!


銃声が響いた!

             え・・・・・撃った・・・・んやね・・・(:-:)


私は、トイレの中で震えていた。約10分後、部屋をノックする音が聞こえた。


「保安員の者です。お怪我は無いですか?」


私はヨロヨロとドアのところに向かった。ドアの穴から外を見ると男性のムキムキ

保安員がIDを穴のほうに向けて立っていた。横には、フロントのお姉さん。

安心して、ドアを開けた。


例の男のカードキーが作動して、ドアが開いたこと。それから、保安員が

きてくれるのが遅かったことを泣きながら訴えた。2人のアメリカ人は、

やっぱり想像通り、いろんな言い訳をして謝りはしなかった・・・・・・


             うんうん。。ここはそういう国・・・・

           

             「私は外国人やから、訴えたりしないから安心して。」

                                                                                    そう言ってドアを閉めた。

次の日の朝チェックアウトの時、フロントデスクのお姉さんに昨日の銃声

ついて聞いてみた。


「ああ・・・あの男性が自殺したのよ。自分の頭を撃ったの・・・」


              もう、あの部屋には絶対泊まりたくない!!


私は、その部屋番号をしっかりとメモした。



ちょっと前にこんなことがありました。


日本人の男性(推定年齢30歳)が、乗ってきた瞬間に私の

ところにすごい勢いでやってきました。


「日本語、いいですか?あの、僕ねえ、ここの通路側の壁の

前の席、3ヶ月前から予約してたんです。それなのに当日に

なったら変えられてるってどういうことですか?!」


      「そのことは、もうチェックインカウンターで言っていただいた

      きましたか?」

                                                                          「言いましたよ!満席やからムリとか言うんですよ!」

      「では、私も確かめてまいりますので少々お待ちください」

                                                                          飛行機を降り、ゲートに行った。地上職の人に説明した。


「ああ、あの席は人気だから~。予約しててもチェックインするのが

彼は遅すぎたから彼が悪いのよ。もう来ないと思ったんだもん。」

                                                                            言い捨てられてスゴスゴと機内に戻った。


        これは、また嫌いな仕事をするしかない。。


客室内の、壁の前に座ってらっしゃる、約40人ほどのお客様

席を替わっていただけないか交渉することにした。が・・・答えは

もちろんノーである。


        そうだよね・・この席、前は広いし壁に足ひっかけれるもんね・・・


         「○○様、申し訳ございません。皆様に断られてしまいました。

         このことは私も会社に報告いたします。○○様も恐れ入りますが

         投書カードにこのことを書いていただけませんか?」

                                                                              私は彼に、パーサーからのちょっとした贈り物とともに投書カードを

お持ちした。彼はイライラしながらも席についた。


お食事のサービスが始まった。後ろのスッチーに呼ばれた。行くと

怒り顔の彼がいた。


「あんな席に座ってるから、気分悪くなって。こんな濃いもの

食べれないんですけど!もっとあっさりしたもん、無い?例えば

カップヌードルとか・・・」


          それは、、、あっさりしてるかなあ・・・・??


          「カップヌードル、無いんですよ~。。。

          ビジネスクラスの白いご飯とお味噌汁でしたら、お持ち

          いたしますけど、いかがですか?」

                                                                               彼は白いご飯をイライラしながらも二杯分たいらげた。


飛行機が日本に向けて下降体制へと入った。私はもう一度謝りに、彼の

席に向かった。彼はビッシリと書かれた投書カードを渡して頭を下げた。


         お・・・頭を下げはったということは、少しは怒りが

         おさまったかな・・?

                                                                              日本に到着した。私はドアのところで降りて行くお客様にご挨拶をしていた。

通路の向こうに彼の姿が見えた。


          ああ、申し訳ございませんって言わなな・・・・


彼が私の前に立った。


          「○○様、本日は大変申し訳ござ・・・・きゃ~~!!!」


目の前に向かってくるのは、彼の拳!


         殴られる!!助けて!!


とっさに目を閉じ、しゃがみこんだ。私の頭上では、ボコボコっと殴りあう

音が聞こえてた。そっと目を開けたら、5歳ぐらいの外国人の子供

目が合った。その子も、上を見上げ泣き叫んでいる。


         あの子、助けな!!


その子に走り寄って、頭をなでながら振り返った私が見たものは・・・

その子のお父さんが必死で、暴れる例の彼を後ろから羽交い絞めに

してる姿。2人とも血まみれで、服も引き裂かれていた


他のお客さんの援助で三人に取り押さえられた彼は、かけつけた

空港警察に身柄を拘束された。そして、お父さんと子供ちゃんも、

事情聴取で連れて行かれた。


他のお客さんが私に言いに来た。


「あなたを殴る寸前で、あの外国人の男性が彼の手を押さえつけたのよ。」

                                                                            放心状態の私に空港警察の人が話しかけてきた。


「あのー、機内の様子を詳しく聞きたいので、署にこのまま

来ていただいていいですか?」

                                                                                かくして私は、人生で初めての事情聴取を受けることになった。

TVで言ってたように、同じ内容のことを、質問を変えて何度も何度も

繰り返し聞かれた。1時間ほど経って、警察官は最後にこう言った。


「例の○○さんね、実は麻薬反応が出ましてね。覚せい剤ね。

機内で、そういう様子はありませんでしたか?」

        

           わ~~!!こわ~~(:-:)


         「全然、なかったです。」


「はい、では、これで終了です。」


         「あの~、私を守ってくださった外国人のお父さんに

         会って御礼が言いたいんですけど。。」

                                                                             「ん~・・・実はねえ、、彼のパスポートが偽造やったんですわ・・

だから、ちょっと今、取調べ中なんです。」

         

        ええええええええええええええ!!!!


私を助けてくれたことを考慮に入れて、処分してあげてください・・と

お願いして、長い一日が終わった。


         飛行機にはいろんな人が乗ってるんですね・・・・

私は、ある事情で一度、ブログを引越ししました

せっかく書いた過去記事が、もったいなくなってきたので

これから、更新の時間が空くときは、過去ブログの

記事を順番に載せさせていただくことにしました。


前回から読んでくださっている方は、重複してしまい

申し訳ございません


自己満足のために、やらせてください(^-^)


それでは♪    ↓↓過去記事↓↓



この前、うちの会社の外国ベースのパーサーにおもしろい人が

いました♪

南の島行きのゲートで初めて彼に会いました。

                  

                お、グッドルッキングガイやわ♪けど・・・・・何か匂う。。

                                                                               機内に入ってまずみんなで今日のサービス

フライト中の諸注意のブリーフィングがパーサーから

行われます。

                                                                             Hi,everyone! I’m Patric(仮名).」

                                                                                 ブリーフィング終了後、私のところに来たMR,パトリック(仮名)。

つたない日本語で話し出した。


わたすいは、’パト子”ともします。よろしくおながいします。」

               はあ?ぱとこ?パト子・・・・

               やっぱりこの人もゲイか。だよね、だよね。

                                                                                 そうです。うちの会社の男性フライトアテンダント

男前もオッサンも、8割の人がゲイです。あと1割は

バイセク。あと1割がストレート。です。。。

                                                                               お食事サービス終了後、ぱと子(仮名)がまた私のところに

来ました。しかもちょっと恥ずかしそう。話を聞くとどうやら

機内の日本人を気に入ってしまったらしい。今から行く南の島で

一緒に飲みに行きたいから、パト子(仮名)の気持ちを伝えてほしいって・・・

                                                                                             

               世の中にはいろんなひとがいるし、もしかしたらその人も

               ゲイかもしれへん!よし!パト子!私に任せて!!!


パト子の後をついて行った私は・・・思わず後ずさりしました


                 ぱ、ぱ、ぱと子・・・・この人どう見ても ヤOザ屋さん やん。

                 

一刻も早くこの場を離れなければ!

180度回転する私にお客様からの声が・・・

                                                                              「ねーちゃん、この外人何言うてんの?訳してんか。」

        「あ、は、は、はい。あの~申し上げにくいことなんですが~」

                                                                                私の横には、恥ずかしそうに顔を赤くしてるパト子(仮名)

不思議そうなお客様。咄嗟のウソも思いつかない私。。


                 もう言うしかない!!(T-T)

                                                                                  

         「あの~、こちらの乗務員がお客様のことを気に入ってしまいまして~、

         是非到着後、一緒に飲みに行きたいと申し上げております。」

                                                                                     「ふーん、ええよ、別に。」

            

                  いいんや!!!まじで?!え、え、

                てことは、このお客様もゲイ・・・・?!あ、気に入った

                っていう意味が通じてない?きっとそうや!

                                                                                   

         「あの、こちらの乗務員はゲイでございまして・・・」

                                                                                      「うん。」

                

                 「うん。」?????これって・・・これって・・・・・!

               パト子の見る目は正しかったんだ(*-*)

                                                                               そして、私はお客様のお付の方にパト子のホテルの連絡先

教え、その場を去りました。

                                                                             後でパト子に、どうしてわかったの?と聞きました。

                                                                         「彼の目よ。目と目で会話したんだから♪」

                                                                             やっぱり、世の中いろんな人がいますね

先入観を持って人に接してはいけない・・・と今回も人生の勉強を致しました。

今、グラマシーニューヨークのストロベリーチーズケーキ

食べながら書いてます♪姉の会社のう○いさん、姉の代わりに

私がいただいてます。おいしいです☆ありがとうございます♪

さて・・・ちょっと前の話ですが・・・


このパーサーに初めて会ったのは4年程前でした。

第一印象は・・・


     もみ上げ、ながっっ!!!

                                                                               でした。彼は、ふっさふさのもみ上げを、あごひげまで伸ばして

ました。外国人、男性乗務員の中で数少ないストレート(ゲイじゃない

ひと)。推定年齢48歳。


「ねえ、エルビス、久しぶりね。元気だった?」

「ねえ、エルビス、奥さんは元気?」

                                                                             搭乗前のブリーフィングで、スッチー達にも人気なことが

分かりました。


彼はお客さんの搭乗中、おもしろい話を聞かせてくれました。

彼は10年前、外国の国内線のみの航空会社にいたんだそうです。

そこの航空会社のモットーは「笑い」。入社時に求められるのは

「笑いのセンス」だそうです。確かにその会社からうちの会社に

移動してきた人たちは、おもしろいから私のブログのネタになってる

ケースも多いです。


その会社にいたとき彼は、お客様の搭乗の前に全裸になり、

お客様の頭上の荷物を入れる棚の中に隠れていたらしい

それで、荷物を入れようと棚を開けたお客さを驚かして

遊んでた・・・と・・・・・(@-@)


    この人は、なかなかすごい人や・・・


かくして、彼との14時間が始まりました。

彼は仕事もきっちりするし、お客さんにも感じが良い、素晴らしい

パーサーでしたし、今もそうです。

機内で放送する3本の映画も終わったころ、彼が一本のビデオテープ

カバンから出してきました。。(あのころは古いシステムだったのでVHS

をビデオデッキに入れて、機内映画を放送していました。)


「まだ、あと飛行時間一時間ぐらいあるだろう?お客さんたちが

つまらないだろうから、このビデオを流そうかな♪これ、見たこと

あったっけ?」


      「ないけど・・・なに?」

                                                                           「じゃあ、見てのお楽しみ♪後ろ行って、スクリーン見ておいで。」


スクリーンに映し出されたのは・・・・何かのショーの映像。

全身真っ白の服に身を固めたエリヴィス・プレスリーが、

すごい人数の観客に声援を送られながら楽しそうに歌っている。

しかし、よくよく見たら・・・・


      あ~~~!!!エルビス!!!今日のパーサーや!


私は10分ほど見てからパーサーのもとに走った。


       「ねえ、ものまねショーやってんの?プレスリーの?」


「ふっふっふ♪あれは、うちの会社の本社の忘年会だよ。服も

ちゃんと決まってるだろ?」


       「もしかして、エルビスって。。。」


「ああ、あだ名だよ。本名はジョン(仮名)。」

       そうなんや~!!


彼のエルヴィス・プレスリーは本当に上手だった。もみあげや、素振りも

ソックリだし、歌もすっごい上手だった。30分ほどのビデオが終わった後は

年配のお客さんなどは手をたたいて拍手していたし、飛行機から降りて

行くときには、みんな口々にジョン(仮名)に賞賛の言葉をかけて降りて行った。


そんな彼と二回目に会ったのはその一年後ぐらいだった。

相変わらずのもみあげ、えせプレスリー。。。その時も彼は、

当然のようにビデオテープを持っていて、3本の映画が終わってから

自分の映像お客さんを楽しませるために流し始めた。

はじまって10分ぐらい経ったころ、エコノミー席から早足

ビジネスクラスに歩いてくる外国人女性がいた。彼女がビジネスクラスに

入ろうとするところで出くわした。


       「あの、保安の関係上、ビジネスクラスにはお入りいただけ

       ませんっ。」

                                                                            「ああ、私はこういう者です。」

                                                                             彼女が私の目の前にかざしたものは「FAAのバッヂ」=航空連邦局員

のバッヂであった。


       あ・・・・(*-*)やばい!!!!!!!


FAAが認めていない映像や音声を、機内で流すこと、もちろん

禁じられている。見つかった場合は、その日のパーサーや乗務員

達にも被害が及び、飛行停止処分などをくらうのである。。。


ブチッ!

                                                                             エルヴィス・プレスリーの映像が急に止められた。私は陰からひっそり

見ていたけど、ジョン(仮名)とFAA職員、機長も入り会議が開かれて

いた。


エコノミーの通路を歩いていた私や他のスッチー達はあらゆる人に

何が起こったのかと聞かれたりしたが、みんな一様に、エルヴィスの

続きが見たい・・・という意見だった。ある男性に、FAAの処分を

待っているところだと説明した。彼はこう言った。


「ここにいる乗客のほとんどが、今の映像を楽しんでいるんだ。

そして、3本しか映画を流してはいけないというのはひどい。だって

時間がまだこんなにあるんだから。今日のパーサーは、

乗客を楽しませようとしているのに、処分を受ける

なんてひどい!オレにはいい考えがある!!」


そう言って彼は、自分のカバンを開け、分厚いノートを取り出した。

そこに「パーサーを救う懇願書と書き、説明書きを加えた。日本人の

乗客のために和訳するように頼まれた。そして彼は、エコノミーの

最前列の席から署名を集め始めた。これには、他の乗務員達も

心を打たれ、同じ様なノートに同じことを書き、機内最後列からも

ノートが回り始めた。


あっという間に、機内全体の400人ほどの署名が集まった。

外国人スッチー達が、会議中のFAA職員のところに、ノートを

持って行った。機長とジョン(仮名)は、この行動に大変驚き

ながらも涙ぐんでいた


FAA職員が、今の時点ではどう対処したら良いか分からないので

また後日連絡すると言って会議が終わった。


その会議の直後、通路を見たら、前から後ろに歩お客様一人ひとりに

頭を下げて握手して御礼を言っているジョン(仮名)が見えた。


それから、私も会社に何か言われるのかとドキドキしていたが、

特に何もいわれないまま時が過ぎていった。そして、そのジョンと

久しぶりに会えたのがちょっと前のフライト。


        「どうしてた?あれからどうなった?」


「ああ、あれからね、なんとFAAは内緒にしてくれたんだよ!

家には、今後こんなことはしないように・・という書類がFAA

から来たけどね。君も大丈夫だったろう?」

        「うん、大丈夫。へ~、よかったね♪」


「うん、あの時のお客さんからの署名は助かったし、今でも

思い出すと涙が出るんだ。」


          「感動したよね。」

                                                                             「ああ、それでね、もう一ついいことがあったんだよ。あれから

あの署名ノートをよく見たら、メモと名刺が入っててね。音楽

プロデゥーサーの人から。で、僕の歌声に興味があるから

一度話をしないか?って書いてあったんだよ。だから、早速

連絡したんだ。それから、いろんなことがあって・・・・今はなんと

3枚目のCDを出すんだよ。それに、ラスベガスのプレスリーの

ショーに出てみないかって誘われてるんだよ!!!!」


彼はなんと・・・今、ラスベガスのショーの方に忙しくあまり飛んでいない。

もみ上げをふさふささせながら、楽しそうに歌っているジョンが目に浮かぶ。。。