前の会社は、外資系ということでシビアである。6週間の
研修期間中に3回試験に落ちると、研修場所が海外の
僻地であろうと「強制送還」させられる。いわゆる「クビ」
である。
トレーニングも残るはあと2日になり、あの日はビジネスクラスの
サービスの授業。
「今日はビジネスクラスのサービスを’通し”でやって頂きます。
機内食も本当にお客様にお出ししているものをご用意しました。
ワイン、シャンパンも飲み放題です。が、おわかりの様にテストも
兼ねてますので酔っぱらいすぎないように。」
・・・・・じゃあ、アルコール出さんでええのに(  ̄っ ̄)
ということで、モックアップ(飛行機の模型の中)でサービスが始まった。
同期が半分にわけられ、後半と前半を担当することになった。
10人の後半チームの生徒とともに、10人ほどの先生たちが乗客役。
乗客役の先生は、サービス中のスッチー役の生徒に、お客さんがしそうな質問を
してくる。
「すみませ~ん、これからフィリピンに乗継ぎなんですけど、どの
書類がいるんですか?」
「わたし、中国に行くんですけど、タバコを3カートン持ってるんです。
何か書かないといけない書類ってあります?」
・・・私の大好きだった一人の同期が泣いていた。
「どしたん????」
「アカンかった。。。。(/_;)/~~かえらなアカン。。。。」
確かに彼女は2つ落としていたので、リーチがかかっていた。
が、あと2日なのに・・・と同期みんなで抗議したが、結果は
変わらず彼女は次の日に、遠い日本に帰ることになった。
その夜はみんなで涙を流し、次の日がやってきた。
朝起きて、異変に気づいた。
・・・・・・・お腹、めっっちゃ痛いねんけど・・・(T_T)
トイレに行って、正露丸を探していると電話が鳴った。
「ちょこ?あのさ、お腹どう?」
「え!めっちゃ痛いねん。下痢Pやねんけどなんで?」
「やっぱり?あのな、実はクラスの半分が下痢やねん。昨日の
機内食やという噂!!」
・・・・まじかよ(x_x;)
下痢をしながらも長時間、飛行機に乗せられ帰らされた同期・・・・・
その同期は今、とある外国に住んでいる。新しい会社で、その国に
飛べたので久々に会うことができた。
「あの食中毒はひどかったよね~。」
「うーん。あのさ~・・・・実は、あの時みんなに言えなかったことがあるねん。。。」
「なに、なに?」
「うーん・・・やっぱやめとく。」
「いいやん、もう時効やって!!」
「あのさ、あの原因、たぶん私やねん。」
「ちゃうって~(・ω・)/」
「あのとき私、前半やってんけど、先生に倉庫から水のボトル取って
来いって言われてん。」
「あぁ、なんとなく覚えてる。」
「それで、取りに行って帰ってくる階段でこけてん。そしたら、何本かの
ボトルが階段のめっちゃ下まで落ちて行ってん。取りに行くの面倒くさいし
遅いって怒られたらイヤやから、また倉庫行ってん。そしたら、新しいのが
なくって・・・・」
・・・・イヤな予感(w_-;
「空っぽのペットボトルがあったから、そこに水道水を入れて、持って行ってん。」
「ふ・・・ふ~ん・・」
「先進国の水道水やし、ダイジョブと思ったんやけどね。ほんま、ごめんね。」
「ん・・・まさに時効やわね・・・・」
「誰かに謝りたかったけど、私、先に帰ってたしね。へへへ。」
自虐ネタ的にまとめやがって、このやろう・・(@ ̄Д ̄@;)
その彼女の飲んでるコップに水道水を入れたくなった。