国際線に乗務できるのは4000人ほどいるアメリカ人
スッチー達の中でも一握り。勤続年数30年以上の
ベテランしかムリなのである。
20歳で入社したとしても、もう50歳のおばちゃん。
50歳以上のスッチーしか乗ってないので、
国際線(特に日本に向かう長時間フライト)の便は
アメリカでは「生きた化石フライト」というあだ名が
ついている。。。。
そんなおばちゃん達とフライトしていて驚くことが
いくつかある。
①めっちゃ元気やん!!!
アメリカに向かう便で、喋ることが無いとき(笑)、私はよく
質問する。おばちゃんとの会話の9割はこのように進む。
「ねえねえ、今からどうやって家まで帰るん?」
「え~っと、今から1時間後に出発する飛行機に3時間乗って、
そこから車を1時間運転して帰るねん。」
「え・・・・13時間のフライトのあとにまた飛行機に3時間?
それから運転?私やったら死ぬ。」
「日本人は若いのに元気ないなあ!」
いやいや、おばちゃんが元気すぎん?
②食欲ありすぎん?!
おばちゃん達は、お客さんの残りの機内食を全部食べるのが仕事
やと思ってるんやと思う。。。おばちゃんスッチーがギャレーにいる
時は、常に口に何かが入っている。
そして、よく食べ物のことでおばちゃん同士のモメ事が勃発する。
「(モゴモゴ)このオムレツ、おいしいわ。余ってたチーズをこのオムレツに
乗せて食べてみよっかな~♪」
ゴソゴソとファーストクラスのお客さん用のチーズを探し始めた。
「あれ?変ねえ・・・このカートの中に置いててんけど・・・無いわ・・・・」
「どんなチーズ?」
「あんた、取ったん?!(怒)」
「や・・私じゃないけど、パーサーが食べてたん見た・・・」
「置いてたのに!まじで?」
「でも、あなたのチーズやって知らなかったんちゃう?他にも
チーズ余ってたよ。」
「ちゃうもん、あれが最後のカマンベールチーズやったもん!文句
言ってやる!」
そうやって、言い合い&ケンカがよく勃発する。だから、飛行前の
ブリーフィングでこんなことを言うパーサーもいる。
「自分の食べ物には必ず、名前を書いたメモを貼りましょう。」
ああ・・このパーサーも揉めたことがあるんやな・・・・(@-@)
③度胸据わってるな~!
ご存知の通り(?)、おばちゃんスッチーは働かない。(働き者の人も
中にはいますが、2割ぐらいしかいない。)フライト中、大抵の
時間をおばちゃん達はジャンプシート(乗務員用席)に座って
過ごす。たぶん、そこに根っこが生える・・・もしくは、お尻と席が
ひっついてしまうんやと思う。
だから、このようなことがエコノミーでもファーストでも、よく起こる。
「すみません、ビールください。」
とジャンプシートに座っているおばちゃんに声をかけたら、
「あのねえ、そこの氷の下に入ってるから取って!好きなん選んで
いいよ。」
と言ってお尻を上げずに、お客さんに取りに行かせる。ビックリして
見ていると、お客さんの方が大体こう言う。
「ありがとう。」
おばちゃん、すげえよ。。。。。
④変わったんやな~!
このように食べて、座ってちょこっとだけ仕事をしてるおばちゃんスッチー
達は・・・・デカイ。通路を通れるのか?!って心配になるぐらいデカイ。
けど、そんなおばちゃん達の入社当初の写真を見ると、おののく。
むっちゃキレイやん!!
あのおばちゃん達の入社したころ、うちの会社は顔と容姿を重視して
人を選んでいたらしく、よくこういう話をおばちゃんから聞く。
「入社前はモデル事務所に所属しててさ~、よく雑誌の表紙になったんよね。」
「入社前はハリウッドで女優やっててんけど、いろんな国に行きたかったし
辞めてん。」
「入社してすぐ、機内で、大統領になる前のクリ○トンにナンパされたんよ。」
「私、ミスアメリカ合衆国の最終選考まで行ったんよ!」
そんなことを言ってるおばちゃんの昔の写真(制服姿)は、本当に
ハリウッド女優みたいである。
「昔は、毎回、フライト前のオフィスで体重測定があったんよ~!
3キロまで増えていいけどそれ以上増えたら辞めさせられるから
フライトの前の日は何も食べずに行ったりしてたんよ。」
私は、ここまでの変貌を遂げませんように・・・(:-:)