前記事の通り、6月28日(火)紫山会館

長唄協会 夏季定期演奏会の 下浚いでした

 

当日 7月5日(火)国立小劇場 

↓プログラムPDF こちらご覧くださいませ

http://www.nagauta.or.jp/img/16_0705.pdf

 

今回は 「漁樵問答(ぎょしょうもんどう)」という曲を

演奏させて頂きます

(当日 18:20頃の予定)

 

これは 今年お正月元旦放送で、

父・里長と杵屋浄貢先生が組んで演奏した曲でもあり
今回の演奏会に向けて、父に指導してもらいました

 

本来「漁樵問答」とは、中国のお話。
人生哲学を語る禅問答のようなもののようですが
こちら、三代目 杵屋正次郎作曲の長唄「漁樵問答」は、
どうやら、そのパロディのようなものらしく
皆様ご存知、おとぎ話の主人公
若い漁夫「浦島太郎」、年老いた樵夫「源丞内」が、

深い山中で 偶然出会い、お互いについて語らう…お話♪


「若者の浦島太郎」

  龍の都から玉手箱を持ち帰り、開けたら白髪の老人に!
「老人の源丞内」

  養老の滝の水を呑んだら、黒髪の若者に!

 

格調ある旋律と 美しい歌詞でありながら

実は、こんな と~~っても楽しい おとぎ話。。。

 

もともと演奏曲として作られたそうですが、

舞踊や芝居をイメージしたくなるような、とても芝居風で、素敵な曲です

 

敬愛する 三代目栄蔵師匠も とてもお好きだったとのこと♪

コンパクトながら変化に富み、ドラマチックな芝居の雰囲気♪

海と山、若者と老人、その対比が大変面白く、しかも最後には逆転~♪ 

その様子が目に浮かぶような名曲です♪

 

歌詞も とても美しいです。

 

◆歌詞  「漁樵問答」明治十年(1877) 三代目正治郎 作曲

 

歳を経し 美濃の山の松影に なお澄む水の緑かな 

 

通い馴れたる老の坂 たどたどしくも多度の山 
荷(にの)う真柴(ましば)の杖とめて 瀧の傍に休らいぬ
見上ぐれば 三十六峰 峨々として 万尺の飛泉 こうこうたり 
湧きて岩間の潔き 水は薬となる瀧の 絶えずも老いを養ふゆえに 
養老の瀧とは申すなり 

実にや その名の遙けくも  雲井に響く 瀧津瀬や 
水また水は よも尽きじ 

 

龍の都を別れ路の 土産(つと)に貰うた玉手箱 
貰ろや もろたが 開けて見るなと戒められて
背たら負うても くたびれもうけ 
恋の重荷をかけかえて 釣竿をかたげ来りける

 

馴れ来し亀の背を離れ 物珍しき深山路に 
逢うも奇縁の漁夫樵夫 ここに暫く しばいして 

 

(漁夫)のうのう それに渡らせ給うは 何人にて候 
(樵夫)我は 此の辺りに住居する樵夫にて候が
    して まれ人には何方より来り候ぞ 
(漁夫)我はまた 龍の都を立出でて 波濤(はとう)遙かに帰朝(きちょう)の漁夫にて候 

(漁夫樵夫)然らば此処にて 海と山とを 問いつ答えつ 
      いざいざ語り申そうずるにて候 

 

そも蒼海(そうかい)の鯨鯢(けいげい)は 
そは深山(しんざん)も虎狼(ころう)にいづれ 
浪に鼓(つづみ)の声あるは 
松に雅琴(がきん)の調べあり 

 

足洗わんか 耳洗わんか 
又味おうて みさご鮨 
呑んでみざるは 猿酒(さるざけ)なり 

猿酒よりも此滝の 老を養ふ仙徳(せんとく)の
泉は酒となり ひさご 
いざいざ水を 結ばん
 
漁夫は筐(かたみ)を取出でて 
こは何やらん 
かかる時 餓え凌げとや 贈りけん
彼所は手酌 ふくべ酒 
此処には開く玉手箱 
ぱっと煙りのたちまちに 
まだうら若き浦島が おもかげ変る頭の霜 
それに異りて源丞内 墨にや染まる鬢髭(びんひげ)の 老いの姿も若水に 
互いに照らす二面(ふたおもて) 

あけて悔しき 玉手箱 
呑んで嬉しき ふくべ酒 
老も若きも経る年の 
万歳の道に帰りなん 万歳の道に帰りなん

↑下浚いに、「漁夫・浦島太郎」に因み、乙姫気分で、この帯を締めました♪(笑)

淡いパステルカラーの貝が気に入りましたが、少し地味だったので、
刺繍を加えて立体的にしてもらいました♪
ピンク・レモンイエロー・ブルーの貝と シルバーの波が楽しくて 大好きな夏帯です♪

 

◆演奏

 東音 林典子

 東音 長沼雅子

 東音 小林百合

三味線

 鳥羽屋 里夕

 東音 柿本淳子

 東音 植松美名

囃子

 立鼓 望月 太左衛

 小鼓 望月 庸子

 大鼓 望月 太意樹

 太鼓 伊和家 暁美

 笛   望月 太喜若

 

 

タテ唄は、先輩の「東音林典子さん」
最近、伝承の会で 御一緒するようになったご縁を頂き

今回初めて 協会演奏会で組ませて頂くことになりました

大変素敵なお唄で、とてもきちんとしていて、かつ、大らか。旬な実力派です。

 

お三味線は いつものメンバー!
いつもご苦労をおかけしていますが、快くお付き合い下さる、有り難いお仲間です!

 

お囃子は、望月お家元の姉上であり、女流囃子方のトップともいえる

望月 太左衛さんお社中が 今年もお付き合い下さることになりました

 

私達「漁樵問答」は、夕方18:20の予定(早まる可能性もあり)です

一瞬、小難しい曲かな…と思いきや、いえいえ…楽しい曲です。

わかれば楽しい長唄♪ です~(*^^)v

 

長唄協会夏季演奏会は、

ここに御紹介した「特別企画」や「漁樵問答」だけでなく

男性、女性、只今長唄界で活躍中の素敵な演奏家がズラリ! 

あらゆるタイプの曲を 演奏いたします(全19曲)

途中 入退場自由です

 

ぜひ皆様のご来場を 心よりお待ち申し上げております♪

お切符、手配いたします。(\4000 自由席)

メッセージからご連絡くださいませ。

 

鳥羽屋 里夕