ユキと食事をすることになった俺。


ユキは俺の中で確かに気になる存在であった。
しかし、「デブは恋愛対象外」という感覚は強く残っていた。


「恋愛感情」ではない「何とも言えない感情」


そんな感情を抱きながらユキと再会することなった。


再会した瞬間

「あ~やっぱりデブだわ~ない!ない!恋愛はない!!!コレでハッキリしたデブとの恋愛はない!とりあえず今日はメシ食わせて早く帰ろう!」


そう思いながら・・・食事をすることにした俺たち


「あ~周りにカップルだと思われたくない~・・・へんな勘違いされたくね~・・・マジでコイツと歩くのは恥ずかしい」

そう思った俺は「駅から近い・個室の店」を自然と選んだ。


食事をしながら会話が弾む

「そ~なんだよな~コイツ、デブじゃなきゃイイ女なんだけどな~デブじゃなきゃ十分に恋愛対象なんだけど・・・惜しいな~」

正直、そんな自分勝手なことを考えていたと思う・・・

ユキが俺に好意を持っているのはメールの段階から分かっていた。
しかし、俺は敢えて気付かないフリをし続けた。


なんだかんだで5時間近くも店で盛り上がった。
そろそろ終電の時間か~・・・

友人の「デブとSEXしてやるのはボランティアだぞ♪」という声が頭をよぎった。


ど~すっかな~・・・正直・・・悩んだ・・・


「ちょっとトイレに行ってくる」
そう言って立ち上がったユキはカバンからポーチを持って出て行った。


「あ~今日は生理だ!ナプキンチェンジだな♪」


何の確証もない、しかし俺は「ユキは今日は生理だから」と自己催眠をかけ自分を落ち着かせた。


ユキがトイレから戻り、俺たちは店を出て駅へ向かった。


「今日はごちそうさまでした。また会ってくれますか?」
「もちろん」

無意識に出た言葉だった。


「デブは嫌いだ」「デブは恋愛対象外だ」と信じている俺の中で何かが確実に変わり始めていた。



それからも毎日のようにメールを交換し、
何度か「駅前の個室のある店」で食事をした。


小さな感覚のズレが、時を経るごとに大きな変化をもたらしているのは間違いなかった。


「今度は私がお店を選んだ店にしませんか?」

「バカ野郎!オマエとは一緒に歩きたくね~んだよ!」と思いつつも
「イイよ♪」と返事をした俺


コレが大きな変化を決定的にすることになるとは想像すらしていなかった・・・