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劇団アルターエゴ『それぞれの事情』を鑑賞

三ツ矢雄二の劇団アルターエゴの舞台を見に行った。
60回記念公演ということで期待して見に行ったが、期待以上に凄かった。
いや、正直びっくりした。
過去何回かアルターエゴの舞台は見に行っているが、かつてない舞台だった。
三ツ矢雄二のシナリオもなんだか不思議なくらいに特別な印象を持った。
かつてこんな舞台があったろうか?
アルターエゴの舞台はこれまでの感想を言えば、とても堅いお芝居をする人たちだ。
それを崩すことはない。
その流れでは古典がとても顕著で、現代的なアレンジはするもののきちっとした演出でその中身を見せていた。
新作をやらせれば、雰囲気はとてもファンシーな舞台という印象も強かったので今回の作品はちょっと驚愕し、そして唖然とした。
今回の舞台『それぞれの事情』は、日本版RENTといった感じの舞台だ。現代の日本を舞台にして一般的な生活を送る人々でRENTをやるとこんな感じになるのかとまず思う。
しかし、RENTよりもその全容は厳しく皮肉にまみれている。
三ツ矢雄二という人がこんなに残酷な作品を作るとは思っていなかった。
せっかくの60回公演なのだからもっとハッピーな作品だろうと思って行き、その思い過ごしが裏切られて絶望かそれに近い何かを見せ付けられて帰ってきてしまった。
生活における残酷という風に今回のテーマを私は捉えた。
かつてこんなにも暴力に溢れた三ツ矢作品を見たことがない。
これは彼の持つ資質の一部なのかと思ったら恐ろしくなった。
パンフレットには、ライトな感覚で仕上げたと書いてあるが、これはライトなデコレーションをしてあるだけで、十分にヘビーだ。キャッチーなヘビーモノとでも言えばいいんだろうか?
一言でいうなら、血なまぐさいものを可愛く見せているだけだ。
観客はワンカットワンカット一発ずつ殴られる。最後のラストシーンにせめてもの救いを見るのだが、それがせめてもの救い過ぎてつらい。
こんなにストレートな皮肉と魔物をぶつけられるともう何をやっても太刀打ちできない気分になる。
もちろん当の三ツ矢雄二はそんなことは十分に理解したうえで作っているのだろう。
また勝てないものが目の前に現れたそんな気分になった。
凄かった。

エンピツ戦記を読んだ。

エンピツ戦記という本を読んだ。
著者は舘野仁美女史という元ジブリにいた動画チェックの人だ。
どんな内容かといえば、ジブリでの日々をまとめた本だ。
女史がやってきたアニメの生活のおそらくはほんの一部をうまく切り取って書いた作品と言えるだろう。
内容についてはここで触れることはしない。
そもそも私はこの手の職人さんの本が大好きだ。
知らない仕事の話はとても面白いし、とても勉強になる。勉強になったところでなにをするというわけでもないが、なる。
アニメ『SHIROBAKO』はそういった意味でとても勉強になったし、そういう職人さんたちのアニメとして鑑賞した。
工事現場の監督が書いた本やディズニーランドの潜入本などもとても楽しかった。
そしてこの本もそういった動画検査という仕事の極一端ではあろうが垣間見ることができて嬉しくなった。
登場する一般的な有名人、宮崎監督や鈴木プロデューサーなどの様々な姿、それはそれで面白いものだったし、私の知りたい部分もたくさんあった。
が、しかしそればかりではない。そこがとても見たい。
そして欲を言えばもっと読みたい、さらに読みたい。これではあまりに短すぎる。舘野女史の全ての仕事を知りたい。
かいつまんでいるし、ネタになるようなことだけが強く描かれているし、もっと雑多なもっと煩雑なものももっと読みたい。
舘野女史だけの12時間ドキュメンタリーがあってもいいくらいだ。
正味四時間で読んでしまって、こんなに面白いのに一冊で終わり?感が強すぎる。
そして、中高生のアニメを志す人やアニメが好きな人ばかりではなく、将来の仕事を考えている世代に是非読んでほしい。
ここには、仕事をする人の何もかもが詰まっている。仕事をする大人の姿がまざまざと描かれている。
かつて立川談志は弟子に「修行とは矛盾に耐えること」だと言っていたという。
矛盾とはどんな企業、どんな職業についたとしても付きまとう。それは前座修行であろうと一般会社員であろうと一緒だ。
納期に追われる仕事、瑣末な人間関係、そういったものを処理しながら動的並行さながらに進んでゆくのが仕事というものだ。
まさにそういった一般的な『仕事』というもののバイブルのような作品。
普通の仕事をしている人たちにも読んでほしいし、仕事をしていない人たちにも読んでほしい。
生きるということはまさにこれでしかない。

微笑がえし

キャンディーズの微笑がえしをおそらく初めてちゃんときいた。
なんとすばらしい歌詞なんだろう。そしてあのメロディーなのだろう。
阿木曜子の天才性が炸裂している。
キャンディーズの歌のタイトルやそのモチーフを入れ込んだというのもさることながら、春一番が~ほこりのうずを躍らせてます。というあたりなど常人には出てこない。
おかしくって涙が出そうというのも、そのあとにお別れなんですよというところの伏線になっている。そもそもこのほこりの渦からして不穏な空気の前触れになっているのだ。
おそらくは、時期は2月か3月かそれくらい。若い二人は同棲していたのだろう。やんごとなき理由で別れるのだろう。決して喧嘩して別れるわけではない、合意の上で別れるのだ。その雰囲気をうまく伝える歌詞、そしてその不安定な少しだけあたたかくなり始めた空気を掴むようなメロディ。
完璧すぎる。あまりに完璧すぎる歌だ。
年下の悪魔的な魅力を持つ青年、ふたりは1年とそこに住んだか住まないかそれくらいだろう。引越しのお祝い返しも済んでないのだから。
若い二人には時間は有り余るほどあったはずなのに、たった一年前後の話が5年も10年もの話に思えてくる。
なくしたはずのハートのエースは箪笥の陰にあったけれどもおそらくトランプよりももっと楽しいことを見つけてしまったのだろう。
人の噂も七十五日というから、大体3ヶ月くらいしたら人間なんて前のことを忘れてしまうのかもしれない。
宮崎駿が、子供にはその瞬間瞬間がほかのものに代え難い大事な時間なのだと言っていたがまさにそれだ。

おニャン子クラブのじゃあねは、おそらくこの唄をもっとわかりやすくしたものがモチーフだ。
解釈の仕方がうまいなと思った。
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