何回見てもすごい。
こんなに完成度が低いのに、何度も何度もリピートしたくなる。

「鐘」もそういった魔力のようなものがあったが、
この「タンゴ」もだ。


【Mao Asada 浅田真央 Artistry on Ice】
http://www.youtube.com/watch?v=NqQkFbrjIeg



【Mao Asada tango sp (front view) Artistry on Ice】
http://www.youtube.com/watch?v=vUhaCH1Q-f0



【Mao Asada tango sp (back view) Artistry on Ice】
http://www.youtube.com/watch?v=iP2JRf6DRv0



【浅田真央(mao asada) Montage, 10-11SP Tango by Alfred Schnittke~Prologue~ Improvement Ver.】
http://www.youtube.com/watch?v=Jk4cWmAiIzA



どれもはっきりうつっていないのが非常に残念。

いつも、ただ見入っているうちに終わってしまうのだが、
ちょっと気合を入れて、技術的な観点から見てみた。
(技術的なことはよく分からないのであるが、間違っていたら教えてください。m(_ _)m )

ソチを意識した、非常に高難度のつくりであることは確かだ。


まずジャンプ。
トリプルアクセルは従来のように、リンクの短い横の方を使用して、直角に入るのだろう。
これは非常に難しい。
(ステップを直前に入れるよりは簡単であろうが、男子でも出来る選手は少ない。)
ダブルアクセルだから、会場が狭いからかは分からないが、
助走が短く、リンクのほぼ中央で跳んでいる。
トリプルアクセルだと、もう少し助走をとるのだろうか?


そしてフリップ。
複雑なステップを踏んでいる上、直前で足を組み替えており、殆ど助走がない。
これで飛べるんだろうかと思うくらいなのだが、
(しかし、ジャッジには全く評価されず)
今までは、この入り方でセカンドに3回転をつけようとしていたのだから、恐れ入る。

そして、嬉しいことは、フリップの前のタメというか、
一瞬構える姿勢があったのが全くなくなったということだ。

矯正?は順調に進んでいる。
長久保コーチに感謝だ。



彼女が今季、既に著しい進化を見せているのはスピンではないだろうか?

新しいポジションを入れている。
(そう、彼女はいつも新しいポジションを入れていた。
 昨年は本当に五輪にかけていたのだと改めて思う。)

フライングシットの、キャノンボールの変形のようなポジションでのチェンジエッヂの後の加速は見事。
(良くみえないのだが、多分チェンジエッヂしていると思う。)

= 訂正 =
チェンジエッヂはしてないようです。
タングステンさん、ありがとうございました。
チェンジエッヂしてなくてもポジションを替えて加速するのは十分凄いです。



ステップは言うまでもない。
トップクラスのアイスダンサーしか出来ないことをしている。
昨季から、アイスダンサー並の構成だったが、更に進化している。

まず片足での長いステップ。
しかも入りはイーグルだし。

逆回転のツイズルでは手を上げている。
最後の足を持ったツイズルは、現段階で最も難しいとされているものではなかろうか?
(これで距離とスピードがもっと出たら、アイスダンサー越えだ。)


ツイズルは普通の回転(反時計回り)より逆回転(時計回り)が難しい。
だから、普通の回転でより難しいことをやる。
(逆回転は簡単にする。それでもどうしてもスピードが落ちる。)

普通の回転で難しいとされているのは、
 片手を上げる
 両手を後ろに回す
 足を持つ
等だ。

浅田選手は、足を持って片手を上げている。
最高難度と言ってもいいだろう。

回転は、姿勢が広がると難しくなる。
浅田選手は、足をかなり広げて持っている。
アイスダンスでも滅多に見ないポジションだ。
非常に難しいと思う。


逆回転は、難しいので、大して難しいことは出来ない。
トップでも片手を上げるか、両手を後ろで組む程度。

浅田選手は逆回転で片手を挙げている。


最高難度のツイズルを駆使していると言っていいと思う。



この演技は、完成度は低いし、動きも良くは無い。
しかし、体の使い方が昨季より一段と良くなったように思う。

五輪を乗り越えて、
成長し、
そして、いろんなものから解放されたのだろう。

伸び伸びとした印象も感じる。


このプログラムを早く大きな画面で見たい。
そして、シーズン末にはどのような完成形を見せてくれるのだろうか?
とても楽しみだ。


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ご参考までにツイズル集。

【PAT 2007 WC Tokyo D-FD TD TWIZZLES MONTAGE】
http://www.youtube.com/watch?v=GxkjeortBEM&feature=related




続いて、現ルールでは、最高の技術を持っているといわれているデイビス&ホワイト。
(ディープエッヂとか旧アイスダンスの基準ではない)

【Ice Skating World Champs Torino 2010 dance FD Davis White Phantom of the opera by HINAGIKU 】
http://www.youtube.com/watch?v=Czm3qxtaeWQ



現在、ツイズルが一番評価されているのはシュピルバンド一門。
その中でも特にこのデイビス&ホワイトのものが一番評価が高い。

2:18あたりから片足でステップ。
3:45あたりからツイズル。
片手を上げて足を持つツイズルから、逆回転では後ろに手を組んでいる。

ツイズルもスピードも、シュピルバンド一門が基準で、スピードが求められている。
バンクーバーが終わった今季は、
バーチュ&モイアをこのカップルが抜く可能性が極めて高い。


このカップルの演技構成と比較しても、浅田選手のステップの難しさは分かると思う。


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藤森さんの妄想?を思い出す。
小塚選手と浅田選手がアイスダンスをしてくれたら、という。

確かに、この2人がアイスダンスをやっていたら、
日本にもメダルチャンスがあったかもしれない。

私は高橋・鈴木カップルもいいなと思う。

ジャンプ「だけの」日本人選手というイメージが強かったと思うが、
いつの間にか、ステップの日本になったように思う。

とても嬉しいことだ。


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