以下はウサギ好きの方には耐えられない話かも。
害獣としてのウサギについてです。

浅田真央表紙に釣られて、うっかり購入したアエラ'10.3.8号より。


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動物愛護団体激怒 ストックホルムの新エコ暖房
「燃料はウサギ」の訳
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以下概要

スウェーデンの首都ストックホルム市。人口81万人の街でこの冬「ウサギ問題」が勃発。
ウサギの出没が激しい西地区のローカル新聞が、
「ストックホルム市はウサギを射殺し、冷凍した死体を暖房の燃料にするために工場に送っている」
と暴露。世界に配信され、国際的な騒動に発展した。

ストックホルムでは、ペットとして飼っていたウサギが捨てられて、そのまま繁殖したらしい。
増えたウサギは公園の草花を食い散らし、地面に穴を掘る。
とくに冬の季節、食べ物が無くなると、潅木や木の樹皮をかじる。
昨年は、市の中心部にある公園だけでも400万円の被害を受けた。
フットボール場には穴をあけ、道路は交通遮断までしたほど。

ウサギとの戦いを15年間続けている市当局は、ウサギをネズミと同様「害獣」に指定、
毎年1500匹ほど銃で駆除しきたが、あまり増えたため、一昨年は6000匹、昨年は3000匹を駆除した。

死体は従来、ごみとして処理していたが、EUの動物食規定で2006年から、ごみ処理ができなくなった。
狂牛病などの伝染病対策で、動物の死体処理方法が厳格になったので、そのまま地中に埋めることも禁止に。

困っていたら、農業庁から、『バイオエネルギーとして燃料に利用したらどうか』と進められたそうだ。
実際に「燃料化」をしているのは、動物の死体処理を手がけている民間企業。
冷凍保存したウサギや、「食用に適しない」他の家畜などと一緒に、焼却・粉砕してペレットのような固形燃料にし、地元のエネルギー供給会社に売る。
エネルギー供給会社は地域の暖房や給湯を手がけており、「ウサギ燃料」はその発電に利用される。

地元紙の行ったアンケートでは「あなたはウサギで暖房した家でも住みたいと思いますか」という質問に、回答者4万6千人のうち58.7パーセントが「イエス」と答えた。

市の対応というより、やはり「飼い方」を問題視する意見も一方で強い。
動物愛護団体の方は「ペットを捨てるのは法律違反。飼ったなら、最後まで家族の一員という約束事を飼い主に守ってもらう以外に解決しない」。

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驚愕です・・・。
確かに野良ウサギの問題はよく耳にしますし、大変な問題と思いますが、
私はウサギ燃料で暖房した家には住みたくないな・・・・。

ウサギの繁殖能力を考えると仕方ないと思いますが・・・、
やはり辛いニュースです。


次の番組は今月初旬に放送されたものですが、なかなか強烈でした。
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BS世界のドキュメンタリー
「ベルリンの野うさぎ」
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/091121.html
第二次大戦直後、食糧難に苦しむベルリン市民たちは焼け野原と化したポツダム広場を掘り起こして畑を作った。そこへ、お腹を空かせた野うさぎたちも集まって来た。そんなある日、野菜畑に鉄条網が張られ、ブロックが積み上げられ、壁が建てられていく。人びとが争ったり、逃げたり、叫んだりする数日間が過ぎ、そして突然に静寂が訪れた。恐る恐る穴から出てきた野うさぎたちは、自分たちが2つの壁の間に挟まれた細長い土地に取り残されていることを知る。
二重の壁の内側はうさぎたちにとって外敵のいない楽園となり、大繁殖。楽園の創造主はその手柄を世界に自慢したいと思い、世界中から賓客を招く。一方、うさぎたちは望むものを手に入れ、周囲の世界への興味をなくし、次第に無気力になっていった。
そんな中、一部のうさぎたちが壁の下に穴を掘り、西側へ出ていくようになった。すると、楽園の番人は、兵士たちに命じて薬品を使って草を枯らし、うさぎたちを撃ち殺していく。それまでとはうって変わり、うさぎたちは生き抜くために身を潜めた。そして受難の日々が永遠に続くかと思われたある日、突如としてうさぎたちの目の前で壁が次々と壊されていく。
好奇心を取り戻したうさぎたちは、壁を越えて西側へなだれ込む。しかし、行動の自由を得た代償は小さくなかった。彼らを待ち受けていたのはさまざまな外敵や困難だったのだ。
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ウサギの可愛さを政治的に利用しようとし、
それが上手く行かないと知ったら、殺してしまう。
体制に利用されたウサギ達でした。

ベルリンの壁が倒壊し、社会が不安定だった時は、ベルリン市民の胃袋も満たしたとか・・・。

今もベルリンには大量の野良ウサギがいるらしいです。


日本でも今ウサギをペットとして飼う人が増えてきました。
捨てウサギの数はまだそんなに多くないようですが、
日本でも野良ウサギ問題が出てくる日が来るかもしれません。
そんなことがないように、心から祈ります。