言葉に上手くできないもどかしさ | ドブネズミの詩

言葉に上手くできないもどかしさ

試合に勝利して出待ちして1年間の感謝と共に

ちゃっかりユニホームにサインを貰おうとたくらんでいた。

しかし試合に負けたことはもちろん

本人がPKを外したことで何て声をかければ良いか・・・。

そもそも声をかけることすら悪い気がしてならなかった。


本人がうつむき加減でバスに向かって歩いてきた。

精一杯の「お疲れ様でした」は声にならないほど小さく

視線をチラッと合わせて会釈をしてもらったあと続く言葉が出てこない・・・。


「ドンマイ」「次がある」「切り替えて」・・・。

そのどれを言っても失礼な気がして言葉が見つからない。

なぐさめの言葉なんて余計なお世話だろうし望んでいないと思う。

「お疲れ様でした」それ以上の言葉は言えないまま彼はバスに乗り込んでいった。


状況が状況なだけにしょうがない。

サインももらえる状況じゃない。

そう自分に言い聞かせつつ何も言葉を掛けられなかった自分にもガッカリした。




しかし数分後、訳あって彼はバスを出てきて言葉を掛けてくれた。

そしてバスが出発するまでの時間、話をさせてもらった。


でも、面と向かっても言葉が出てこない・・・。

何て言えばよかったんだろう。

今考えても何が良かったのかは分からない。


でも、しっかり現場で観れて良かったこと

そして来年以降も応援することぐらいは伝えられたかな・・・。



せっかくバスを降りてきてくれたのに気の効いた言葉も掛けられず

言葉に詰まりっぱなしでスイマセンでした。


何を話したかは言えないけど

強がりじゃなく本当に観に行って良かった。

得点云々じゃなく実際に観て納得する事だってある。

心からそう思えた。


最後にバスが出て行くときこちらに向かって会釈してくれた。

試合には負けたけど改めて観に行って良かった。

勝ち負けじゃない部分を観れた気がした。


疲れているし悔しさや色んな感情が交錯する中

口べたな自分にわざわざ時間を割いてくれてありがとうございました。