オフィス街に血まみれの男が現れます。手には包丁を持ち「誰か殺してしまったかもしれない」と言い出すその男は記憶を失っていtました。
という導入で始まった第5回。
不可思議な状況と謎めいた男。魅力的な謎が提示されました。
それを取り調べでどう崩していくのか、期待は高まりました。
期待通りの内容だったか、と言うと…うーん…及第点ではありました。
変に情緒や感情に訴えるのではなく、ブラフを使って容疑者を引っ掛けたのはよかったと思います。余裕の態度を見せ自分の思い通りに警察を利用しようとした容疑者の思惑を外すことで、本音を引き出したのはうまかったと思います。
なので及第点ではあると思うんですが、どうも簡単に引っかかりすぎたようにも思います。もっとせめぎ合って騙し合ってほしいなあ、というのが正直な感想です。
余計な描写が多すぎる気がします。取り調べ専門官であるキントリのメンバーが普通に脚で操作する場面は不要です。今回で言えばあんな少人数で船全部調べられますかね。リアリティーの面からも無理があるでしょう。捜査一課なのか所轄なのかわかりませんがそこの捜査で得た情報を控室で受け取るだけでいいと思います。
また、なぜか毎回主要メンバー内での対立の描写がありますが、大した葛藤もなく仲直りする予定調和的な仲違いは白ける上に引き伸ばし感たっぷりです。
そういう部分を削って、いっそ取調室とその控室だけにフォーカスして物語を作ってほしいのですが………言葉のやり取りだけで魅せるのは脚本のハードルが上がりすぎるのかもしれませんねぇ。
もっとそれぞれの取調官の特徴をハッキリ出してほしいとも思います。現状誰が取り調べても同じような態度、話し方でメリハリがありません。得意とする分野、手法、トリックをはっきりさせてそれぞれを活躍させてほしい所です。
せっかく今までの警察ものにない「取調室」に特化した設定なのですからもっとそれを活かすように脚本を練ってくれればなあと思います。
次回も容疑者はかなりクセモノっぽく期待できそうなんですが、つぎこそガチの言葉の勝負を見せてほしいと思います。