- しゃばけ (新潮文庫)/畠中 恵
- ¥540
- Amazon.co.jp
以前ご紹介した『白澤』つながりで『しゃばけ』をご紹介します
なぜ『白澤』つながりかというと、『しゃばけ』の人気キャラクター仁吉の本性は白沢なのです
仁吉は廻船問屋兼薬種問屋の大店・長崎屋の跡取息子・一太郎の兄やとして登場します
仁吉が仕える一太郎は、日本橋通町界隈では知らぬ者がいないほどの虚弱児
起きているより寝付いている時間のほうが長いという病弱さ
そんな孫を心配した大妖・おぎん(齢千年を超える妖狐です)によって一太郎の元に送り込まれたのが、白沢・仁吉と犬神・佐助です
一太郎は律儀なくらいに毎日せっせと死に掛けるので、兄やたちは毎日が心配の連続
一太郎が思案顔でいたなら具合が悪いのではないか、おやつを食べなければ熱でもあるのではないか、咳でもしようものなら上へ下への大騒ぎ、の過保護っぷり
仁吉は万物を知る白沢ですから、毎朝毎晩、一太郎のために薬を作ります
良薬口に苦しという言葉があるように、仁吉の薬は飛び切りの苦さ
一太郎はいやいやながらも毎日その薬を飲んでいます
逆らおうものなら、仁吉に睨まれてしまいますからね
仁吉は極甘の兄やですが、一太郎のことを本気で心の底から大切に思っているので、主人であっても真剣に怒ります
一太郎は仁吉の気持ちを重々承知しています
頗る男前で、娘さんからの付文が引きも切らない仁吉ですが、脇目も振らず一太郎に献身する様子は、なんだか惚れ惚れしちゃいますよ
『しゃばけ』あらすじ
兄やの目を盗んで外出した一太郎は、長崎屋への帰り道、人殺しの現場に行き遭ってしまいます
「香りがする…」
そう呟く人殺しに執拗に追いかけられる一太郎
その場は鈴の付喪神・鈴彦姫と長崎屋の手代にして兄やの仁吉と佐助に助けられますが、その後も江戸中で不可思議な人殺しが頻発し、ついにはまたも一太郎に危険が迫ります
「香りがする…」
そして一太郎は長崎屋に巣食う妖たちと共に、事件解明に乗り出します
やがて真相に迫る一太郎
果たして「香り」の意味は?何故一太郎は狙われたのか?
一太郎の知恵と勇気と優しさが事件の謎を解き明かす!