なぜ、消毒してはいけないのか(新しい美肌理論19) | ぴっころと愉快な仲間たち
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今日はなぜ、傷口を消毒をしてはいけないのかという話です。

結論を先に言います。

傷口に細菌がいてもいいからです

私には衝撃の事実でした。

傷口に細菌がいるのは自然なことで、いくら消毒しても、無菌になることはないのです。


※詳しくはこちらを参照。
皮膚の傷が無菌であるはずがない|新しい創傷治療
そして、「傷に細菌が付いただけでは、傷は化膿しない」ということが、多くの実験によって確かめられています。

問題にするべきは、痛みや腫れという炎症症状があるかどうか。

痛みがないのであれば、傷口に細菌がいても、その細菌は人間に悪影響を与えていないということです。

それは人間と細菌が共存できているということなので、そのバランスの取れた関係をわざわざ崩す必要はないのです。

では、どういう時に化膿するのかについては、また別記事で書いてみますね。

家庭でキズパワーパッドを使って、化膿させてしまう人も多いようなので、化膿させないコツを知っておくといいと思います。

消毒してはいけない理由はもう1つあります。

それは、消毒薬は人体に有害だからです

消毒薬のターゲットは、細菌の細胞膜に含まれているタンパク質です。

細菌の細胞膜のタンパク質に結合して、立体構造を変え、タンパク質本来の機能を失わせて、細胞膜を破壊するのです。

細胞膜を破壊されると、細菌は死んでしまいます。

ところが、人間の細胞膜もタンパク質でできているので、人間の細胞膜も破壊されてしまうのです。

ここで、たとえの達人の夏井先生は、消毒薬の作用を「エイリアンの地球侵略」にたとえます。

エイリアン(=消毒薬)は日本人だろうと、アメリカ人だろうと、中国人だろうと、無差別に攻撃してきます。

エイリアンには人種の違いは分からないし、区別をつける必要もないから、十把ひとからげに殺すのです。

しかも、細菌の細胞膜は「細胞壁」という殻で守られているのに対し、人間の細胞膜はむきだしなので、人間のほうが先にやられてしまうのです。

傷口をヨーチンやイソジンで消毒されるとすごく痛いのは、細胞膜タンパクが破壊されて、傷口が深くなるからなのです。

夏井先生いわく、消毒薬による傷の消毒とは「熱湯消毒」と同じだそうです

また、マキロンでの消毒によってアナフィラキシーショックを起こして、呼吸停止した例もあるといいますから、消毒も命がけです

傷以外の消毒については、例えば、インフルエンザやノロなどのウイルスは、皮膚の上に乗っているだけなので、水道水で手を洗えば、ウイルスは落とせます。

余談ですが、昨年、インフルエンザにかかった時、近所の内科医院で内服薬と一緒に「イソジンガーグル」といううがい薬を処方されました。
ドラッグストアでも売っていますよね。

夏井先生のサイトで、以下の記述を見つけて、そういえば、イソジンうがい薬も消毒薬だっけと思い出しました。

イソジンガーグルで頻回にうがいさせると,次第に口の中が乾いてきて,やがてチクチクと痛くなり,それを無視してうがいを続けると口腔がカビで真っ白になります。医原性の鵞口瘡(カンジダ症)ですね。いくらうがいが好きでも,イソジンガーグルでの頻回のうがいは避けたほうが安全です。過ぎたるは猶及ばざるが如し,というやつです。
(引用終わり)

うがいする時は気をつけましょう