『傷はぜったい消毒するな』(新しい美肌理論12) | ぴっころと愉快な仲間たち
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夏井睦先生の『傷はぜったい消毒するな』 という本を読みました。

もう何年も前にTV番組で「ケガをしたら、水で洗って、ラップを巻いておく」という湿潤治療が紹介されているのを見たし、ドラッグストアに行くと「キズパワーパッド」という湿潤治療用の絆創膏が何種類も売っているので、もうケガやヤケドはこうやって治すようになったんだと思っていたのですが、夏井先生のサイトを見ていると、湿潤治療を取り入れている病院はまだ少数派のようです。

この本では、なぜ傷を消毒してはいけないのか、なぜ傷口を乾燥させてはいけないのかということが皮膚の仕組みと細菌の働きの両面から丁寧に説明されています。

腕に大やけどを負った1歳半の女の子が別の病院で「すぐに皮膚移植の手術をしなければ、死んでしまう」と宣告されたのですが、夏井先生の元で湿潤治療を受けたら1週間できれいに治った例なども紹介されています。

簡単で、痛くなくて、早く治って、跡も残らないなら、文句ないですよね。

素人でも実行できるので、自分や周りの人がケガやヤケドした時のためにやり方を覚えておくといいと思います。

しかも、ケガとヤケドだけでなく、アトピー性皮膚炎や慢性湿疹、手荒れ、褥瘡(床ずれ)など応用範囲が広いのです。

人間だけでなく、ペットも同じやり方で治すことができます。

夏井先生のサイトでは惜しみなく情報が公開されているので、詳しく知りたい人はサイトを見てみてください。

新しい創傷治療
http://www.wound-treatment.jp/

ただ、サイトには2001年からの膨大な情報が蓄積されているので、目的の記事を探すのがちょっと大変かもしれません。

肌断食の範疇からは少し外れますが、この本とサイトの情報から私が興味を持ったところをまとめてみようかと思っています。

それに、肌断食とも無関係ではないのです。

「傷を消毒してはいけない」という話は、肌断食で「顔を洗剤で洗ってはいけない」ということと共通しています。

でも、一般的には傷は消毒されているし、顔は洗剤で洗われています。

そして、「傷は乾かしてはいけない」のに対して、「肌は乾かしておかないといけない」のです。

でも、多くの人は傷は乾かそうとするし、肌は保湿しようとします。

「やってはいけないことが常識になっている」というところがそっくりなのです。

やり方は簡単だけど、その原理を理解していない人が多いというところもそっくりです。
私もろくに理解できていませんでした(^-^;)

ケガやヤケドは誰にでも起こり得るものだし、知っておく価値があると思います。

夏井先生のサイトにはこう書いてあります。

私の治療原理はきわめて簡単です。「患者さんに害になる行為はしない」それだけです。

宇津木先生の本にはこう書いてあります。

私の提唱するスキンケアの大原則は「皮膚に明らかに害のある行為は中止すること」

このあたりにも共通の心意気を感じます。

湿潤治療の話も肌断食シリーズに入れちゃっていいかどうか悩みながら続きます。