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なんと大胆なたとえでしょう。
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面白い人を見つけましたよ
練馬光が丘病院の夏井睦(なつい・まこと)先生です。
専門は形成外科で、1996年から「湿潤治療」すなわち「傷は消毒してはいけない、乾かすのもいけない」という常識破りの治療法を世に知らしめた人です。
昨年、糖質制限ダイエットの本を出したことで、再び注目を浴びています。
この先生は細菌学にも詳しいのです。
2001年からHPを開いています。
夏井先生の何が面白いって、たとえ話が最高なのです。
笑いのツボが違う人には面白くないかもしれないのですが、例を挙げてみます。
もちろん,そのためにクリームには油分が含まれているのかもしれないが,わざわざ奪っておいて補うというのは,銀行から奪った金をその銀行に預けに行くみたいなもので,腑に落ちないのである。
※お化粧は肌にすごく悪いんじゃないか?|新しい創傷治療
http://www.wound-treatment.jp/next/wound346.htm
http://www.wound-treatment.jp/next/wound346.htm
しかも,早い時期から化粧を始めてしまうと,「化粧をしない」という選択肢は頭から消えてしまうし,化粧で肌が荒れてしまえばスッピンの状態では外を歩けなくなるから,自動的に化粧品で荒れた肌を隠し続けることになる。
要するにこのあたりは,覚醒剤と覚醒剤中毒患者の関係と同じである。
※美容というパラダイム|新しい創傷治療
なんと大胆なたとえでしょう。
このセンスに一目惚れです
その夏井先生が、常在菌を「日本人」に例えて解説した記事がまた秀逸で、分かりやすかったので、紹介します。
皮膚常在菌の世界をちょっぴり想像してみると|新しい創傷治療
皮膚常在菌の大きさを人間の身長まで拡大すると、人間の皮膚の表面積は日本列島くらいの大きさになるといいます。
そこで、常在菌を「日本列島に住んでいる日本人」に例えることができるのです。
その日本列島では、常在菌が富士山の頂上までびっしりと、身動きが取れるかどうかというほどのギュウギュウ詰めで生きているらしいです。
そして、人間界と同じように住民同士の助け合いや自衛のシステムが働いているのです。
長めの記事ですが、常在菌の世界とはどういうものなのかがよく分かるので、一読をお勧めします。
こんなに身近で、私たちを助けてくれる存在でもあったのに、今までないがしろにし続けてしまって、常在菌たちには申し訳ないことをしました