超高齢うさぎの手術について | 『暴飲暴食の美学』 冨岡洋介 著

『暴飲暴食の美学』 冨岡洋介 著

キーボディスト、冨岡洋介のオフィシャルブログ

2016年2月29日
うるう年のこの日、11歳になる我が家のうさぎ(♀)は
胸部と腹部に出来た腫瘍の摘出手術を受けました。

3年前に受けた腫瘍と子宮の摘出手術の時同様
同じような状況の飼い主さんの参考になれたら良いなと思いつつ
一連の出来事を記録として書いています。


2016年2月23日
前回の手術以降
毎年受診しているうさぎの健康診断をうけるため
同じく手術以降お世話になっている動物病院へ

この日
主治医の先生がお休みだったため
いつもとは異なる先生に健康診断をしていただきました。

まずは触診からはじまり
胸部から腹部を入念に確認。

一通り触診を終えたところで先生から
「気になるのがこちらの出来物ですね」と
お腹を見せて触ってみてくださいと促され触ってみると
とても嫌な感じの硬いシコリの感触。

あまり良くない位置にできている旨と
筋肉組織に定着しているため
摘出に際してのリスクも高くなる説明を受けながらも
抜本的な治療として外科的な処置を提案されました。


3年前に腫瘍の診断を受けた時は
本当に目の前が真っ暗になり
言葉に出来ない大きな不安に襲われて
動転した気持ちを落ち着けることで精一杯でしたが

そもそも年齢的に何かあって然るべきと
あらかじめ覚悟していた事と
高齢手術を経験しているというのもあってか
とても冷静に現状を受け入れることが出来ました。

健康診断のために行った血液検査や
レントゲン検査の結果から判断する限り
肺などへの転移は認められず
麻酔の処置も行うことができるであろうとの事。

主治医の先生の意見も聞いてみたい旨を話しつつ
今後については検討をしますということで
この日は病院から帰宅することに。


帰宅後は3年前と全く変わらず
とにかく情報収集に時間を費やしました

しかし新しい情報は思っていた以上に少なく
記事は時期の古いものが大半であり
加えて11歳という超高齢と同様の例となると
情報量が極めて少ない状況でした。


8歳で手術をした時、もしかしたらこの手術で
亡くなってしまうかもしれない、という覚悟は出来ていたし
手術が成功した後も、今年が最後かもしれないと思いながら
毎日を過ごしてきた事もあって

本当に有り難いほど十分長生きしてくれたし
せめて痛みに耐えながらとか苦しみながらではなく
一日でも長く平穏に老後を過ごしてほしいなとの思いもあって
手術を受けることを決めました。



2016年2月28日
この日、いつもの主治医の先生に診察をしていただき
ご意見を伺った後に問題がなければ手術を申し込もうと病院へ

先生に触診をしていただいたところ
触っている感触が良くないとのこと

毛刈りの許可を求められ
腫瘍の表面を観察することに。

腫瘍の出来方が通常と比較して異種のため
組織採取をして検査させて欲しい旨を告げられ承諾
注射器で幹部の組織を採取してプレパラートへ

検査のために一時退出。

週末のため多くの来院者がロビーに並んでおり
検査結果を待つ時間もそれなりにありました。

30分ほどで検査結果を伺いに診察室へ


顕微鏡検査の結果、乳腺腫瘍で間違いないでしょう
3年前の手術と比較すると筋肉組織に定着しており
尿道スレスレまで出来ているため
非常に難しい手術になるだろうと告げられました。

また、確定診断は病理検査の結果次第ですが
触診の感触では転移を強く疑う腫瘍形成がされているため
悪性の恐れが強いでしょうとのこと


そして
肝臓に転移していた場合は
外科的な手術を施しても延命にはならないため
手術を行うことはしないほうが良いと言われました。

レントゲンでは転移は認められないが
詳細に調べるためにエコー検査を行いますと告げられ
一度退室することに


待合室の座席に座り
ほぼ放心状態

浅はかであったのかもしれませんが
手術を受けることすら出来ず
病気の進行を見守ることしか出来ない
可能性を想定していなかった自分は

本当に情けなくなるほどに心細くなり
待合室で泣き出してしまいそうになるのを堪えながら
ただただ検査までの時間、祈るしかありませんでした。


程なく診察室に呼ばれ
エコー検査を実施することに

検査患部の表面にクリームのようなものを塗り
エコー検査の機器をあてはじめました

エコー結果のモニターを見えるように
先生が自分に向けてくださったのですが

画面を見ていても自分には何が何だかわからず
ただただ手を握りしめて祈るばかり


しかし幸いな事に
エコー検査で肝臓への転移は認められず
手術を実施しましょうという判断になりました。


最短での日程が翌日の手術ということで
予約を取りこの日は帰宅。


帰宅後、3年前と同じ神社へ
手術成功祈願へお参りへ行き
お守りを購入しました。



2016年2月29日
手術当日
朝一番で病院へ


午前診療と午後診療の間に執刀されるとのことで
術後に連絡をいただける約束をして病院をでました。


病院を出たあとも気持ちは上の空で
なにも手につかず

術後の連絡をいただける予定の18時を
ただただ待つばかりでしたが
16時に病院から電話が


何かがあったのかと思い急いで電話に出ましたが
幸いなことに手術の成功の連絡でした。

とても麻酔からの覚醒が順調で
すでに目が冷めていること

検査では見つけられていなかった腫瘍が
右胸にも確認できたため摘出したこと


尿道スレスレまで腫瘍は達していたが
無理を押して処置したわけではなく
処置を終えられましたと告げられ
とにかく一安心。


翌日、朝一で面会に行く旨を伝えて
電話を切りました。



2016年3月1日
朝一番で病院へ

3年前の術後を想定していたので
病人の顔をしているかと思っていたけれど

予想に反してめちゃめちゃ元気で
撫でてアピールはしてくるしホリホリはするし
家にいるのとあまり変わらなくてびっくり。

先生からも、とても調子がいいので
傷口をいじる様子がなければ
明日にも退院を検討できるでしょうとの事。


面会中、主治医の先生に
実際のところ11歳のうさぎの手術というのはどうなんですか?
と質問してみたところ

ケースとしては、やはり稀なケースで

手術をして延命に期待するのと
天寿を全うするのを比較した場合
延命分より天寿が先に来るであろう
っていう場合が多いそうです。


もこの場合は表情、毛艶、動き、
どれも11歳とは思えないくらい若々しく
7~8歳のうさぎと比較しても同じくらいに見えるので

11歳という数値上の値より
トータルバランスから判断をして
今回手術を行いましょう。という結論を出したそうです。


しかし、これが5年前であったら
手術は行わなかったと思いますと言われました。

動物医療の進歩に感謝した瞬間でした。


そんな話をしている横で
めちゃめちゃホリホリしているもこを見て
先生もこんな11歳いないですよ。と笑っていました。


2016年3月2日
この日も朝一番で面会へ

昨日と変わらず調子は良さそうで
先生からも今日の夜に退院出来るでしょう
とのお話をいただきました。


夜、再び病院へ
診療時間の最終ギリギリだったので
最後の来院者でした。


手術費用は入院費、病理検査を含めて
66,960円


3年前の経験もあり
思っていたよりも費用が安かったため
前回くらいかかると思っていましたが
なぜですか?と聞いてみたところ

子宮摘出のような開腹手術とは処置が異なることと
術後の容体が良く、入院日数が短くすんだためとの事でした。



2016年3月9日
病理検査の結果が電話で告げられました

結果は悪性

評価はかなり悪かったようで
移動性が強く、摘出部位のギリギリまで
癌細胞の形成が認められるため
今後の経過観察を要しますとの検査結果。



2016年3月13日
午前診療の時間に病院へ

この日で抜糸を終え
ひとまず一連の手術に終止符が打たれます。

傷口の経過も問題なく
抜糸もスムーズに行われました。

病理検査の結果を改めて受け
2ヶ月後に経過観察を行いましょうとなり
この日は終了。



この記事を書いている現在も
もこはびっくりするほどに元気に走り回ってくれています。


判断の難しい年齢のうさぎの手術ですが
参考になれれば幸いと思っております。



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