薪について
薪ストーブで使用する薪は、乾燥度が何よりも重要です。
切り倒したばかりの生木は水分をたくさん含んでいるので、
そのまま燃やしても水分を蒸発させる為にエネルギーが使われてしまって、
暖かさはなかなか生まれません。
更に、水分量の多い薪を燃やすともくもくとした煙がたくさん出るので、
煙突が煤やタールで詰まりやすくなったり、
匂い等でご近所さんに迷惑がかかる可能性があります。
【薪の水分量による特徴】
【未乾燥】水分量(含水率)の多い薪 | 【乾燥済】水分量(含水率)の少ない薪 |
・水分を蒸発させるために 燃焼エネルギーが使われてしまうので、 ストーブが暖まらない
・もくもくとした白い煙がたくさん出て、 匂いでご近所さんに迷惑がかかる 可能性がある
・煤やクレオソートが多く発生し 煙突内に付着しやすくなり、 煙突が詰まる可能性がある
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・熱を生み出すために燃焼エネルギーが 効率良く使われるので、 ストーブが暖まりやすい
・ストーブの性能にもよるが、 煙が視認しづらいのでご近所さんからの 苦情に繋がる可能性も低い
・煙突が汚れにくく、 掃除も比較的容易 |
このように、未乾燥の薪にはデメリットしかありません。
暖かく、快適に、薪ストーブの性能を100%発揮するためにも、
使用する薪は含水率15%以下まで しっかりと乾燥させることが重要です。
【木の種類】
よく「針葉樹は燃やしてはいけないのですか?」と
ご質問をいただくことがありますが、決してそんなことはありません。
よく乾燥させた薪であれば、どんな種類でも使用することができます。
広葉樹にも針葉樹にも それぞれメリット・デメリットがあるので、
特徴を理解してメリットを活かしながら使用することが大切です。
分類 | 広葉樹 | 針葉樹 |
樹種 |
ナラ・クヌギ・カシ・サクラ ケヤキ・クスノキ・果物の木 etc.
| スギ・ヒノキ・マツ etc. |
メリット | ・密度が高く火持ちが良い (時間をかけてゆっくり燃える) |
・比較的手に入りやすい
・軽く柔らかい木が多いので 運搬や薪にする作業が容易
・着火しやすい
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デメリット |
・手に入りづらい
・重く堅い木が多いので 運搬や薪にする作業が大変
・着火しづらい
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・火力があり高温になりやすいので ストーブ本体を傷める可能性がある
・密度が低く火持ちが悪い (あっという間に燃え尽きる)
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確かに、針葉樹はそればかりを燃やしていると火力が出て高温になりやすく、
薪ストーブ本体の鋳物を傷めてしまう可能性があります。
触媒付きの機種の場合は、触媒の寿命を縮めることにも繋がります。
さらに、密度が低くあっという間に燃え尽きてしまう針葉樹に比べ、
ぎゅっと詰まった広葉樹の薪は火持ちが良く 時間をかけてゆっくりと燃えるので、
薪ストーブユーザーには広葉樹の薪が好まれることが多いのです。
しかし、針葉樹を燃やしてはいけない、というのは全くの誤解です。
広葉樹と混ぜて燃やしたり、ストーブ本体の温度計をしっかり確認して
温度管理をしていただければ針葉樹も薪として使用することができます。
また、着火しやすいので燃やし始めの焚付けとして使用していただくと、
広葉樹のみで着火するよりも、失敗なく簡単に着火できます。
ストーブクッキング中に火が落ちてきてしまった場合など、
火力を調整したいときにも便利です。
樹種にはとくにこだわらず、
その時々で手に入る原木を薪にして、
色々な薪を燃やし比べるのも楽しいですよ!
薪について②-入手方法- に続く