ユニフォームネクストの横井社長は言われます。
「ネット通販では地域戦略が使えない。
ネットはいきなり全国大会になって、
業界・客層をしっかりと絞り込んでおかないと、勝負にならない。
ネット通販はじめたけどうまくいかない、という人は多い。
手間ばっかりかかるといった状態から
抜け出すポイントは、業界・客層をどう絞るかだ」と。
では、どんな業界・客層を選べばよいのか?
(マザーズ上場会社の横井社長との対談YouTube動画)
1.市場規模の小さな業界や客層を狙う
市場規模が大きいところには必ず強い競争相手がいるので、
後発で参入し、資本力もなければ、
そこではなかなか商売をさせてもらえません。
大手と小さな会社では、知名度、価格、
広告に使える金額に大きな差があるのです。
小さな会社といえども「1位になりやすい業界・客層」
を選ばなければならない、と考えると、意図的に、
大手が参入できないくらい市場規模を小さくしていく必要があります。
市場規模が大きな層の代表は一般大衆になります。
5年くらい前にお家騒動で話題になった大塚家具は、
従来の高価格帯(富裕層)から中低価格(大衆層)に進出しました。
その結果、連続赤字、ヤマダ電機の子会社化、
最近、社長交代というニュースが出たので、記憶に新しいところです。
大衆層狙いは、一見儲かりそうに見えますが、
弱者が手を出すと、あっという間にやられてしまいます。
大塚家具も上場会社でしたが、中価格帯にいる
年商10倍以上の圧倒的強者のニトリに勝てるわけがありません。
2.実際の購入者を調べ、その声を聴く
客層選定の際に、まず始めることは現在の顧客を研究することです。
横井社長の話を聞くと、「ネット参入してしばらくした時期に、
カラージャケットのユニフォームが売れるようになってきた。
誰が買っているのだろうと思って調べたら、
高校や中学の吹奏学部が購入していたことが分かり、
吹奏楽部の専門ページをつくったらすごく売れた。」と言われています。
また、添加物の少ないプロテインを扱っているお店の例も出してもらいました。
そのお店も、客層を調べたら、なかなか背が伸びない、大きくならない等の
悩みを持つ子供を持つお客様が購入していることが分かり、
ジュニア専用のプロテイン販売にした結果、かなり売れ出したそうです。
経営は市場やお客から考える顧客起点の発想が大切だと、
必ず経営書には出てきますが、こうしたことを実際にやるか、
やらないかの差は大きいのかもしれません。
自分で分かっているつもりになって、
手抜きして調べることを怠っているケースはよくあります。
3.絞り込んで特定少数化していく手法
弱者は不特定多数を狙うのではなく、特定少数を狙いにいくのが大原則。
客層細分化の基準は、多種多様にでてきます。
代表的なのが、法人と個人で分ける。法人の場合は業種で分ける。
個人の場合は、男女、年齢、所得、職業、趣味、用途、ライフスタイルなど。
客層を広げ過ぎないことも大切です。
客層が違うと営業のやり方が変わってくるからです。
広いと圧倒的支持者(ファン)ができにくくなります。
競争に勝つには、顧客心理の微妙な点に気づくことが大切で、
そこに独創的なアイディアが生まれ卓越、差別化されたものが生まれます。
広いと、おおざっぱになり「他社と何ら変わらず」が続くだけです。
次に、「ポジショニング」という手法があります。
2種類の基準を用い、縦軸と横軸で4象限に分けて細分化していく手法です。
実際にユニフォームネクストでどうやって絞っていたったのか?
横井社長は語られています。
「縦軸(客層)をBtoB(会社向け)とBtoC(個人向け)
横軸(商品)をオリジナルと定番品をとり、
BtoBで定番品の象限で勝負しようと決めた。」と言われます。
その理由は、「BtoCではアマゾン等の強者がいるため。」
同じようなポジショニングの例として、ユニクロが、
軸を「カジュアルとフォーマル」そして「トレンドとベーシック」に分け、
カジュアルでベーシックを選んだとう例もあげてもらいました。
縦軸と横軸に何を持ってくればいいのか、は成功例などの研究が必要でしょう。
「商品」と「客層」は関連性が高いので、
商品軸、客層軸で分ければ、同時に考えられるので有用だと思います。
ポジションを明らかにしたうえで、
さらに特定化し重点客層をハッキリ決める手法もあります。
それは、理想的な顧客をハッキリさせる「ペルソナ」です。
具体的な特定の顧客を名前まで付けてやるケースもあります。
特に不特定多数が来店する店舗の場合、店づくりがしやすくなっていきます。
ドラッカーは事業を考える時に、顧客はだれか、何に対価を払っているのか、
を問いなさい、と言います。客層細分化は、まさにそこに当たるところです。
PS.
最近、ネットで小口のお客様をターゲットにする
というのはひとつの成功モデルのような感じがします。
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