県立図書館、地下開架書庫から見つけ出した本。
太宰治「走れメロス」。
すっかり日に焼けセピアと化したページをめくると
カビくさいようなホコリくさいような、月日を重ねた紙の匂い。
懐かしい書籍の匂いがした。
古い文体で綴られたメロスを読むと
ACM劇場の公演「走れメロス」を思い出す。
それにしてもなんと人間の本質の変わらない事か。
身内を思うココロ、友を気遣う気持ち、体制への憤り、正義を貫く姿勢・・・
ストレートな感情をストレートに行動に移すメロスの無茶で無鉄砲な潔さ。
それユエ、全ての不条理を敵に回して走る。
正義のため、自分の信じたモノのために。
弱さをねじ伏せ、たぎる思いをチカラに換えて。
荒れ狂う怒涛の大河でさえ、その覚悟の前に障害足り得なかったのに
しかし彼の足を止めたのは彼自身の迷いと途轍もない疲労だった。
しばしの昏倒。泥のような眠り。
ようやく自分を取り戻しゴールを目指して再び立ち上がったメロスに
次第にその傾きを大きくして夕陽に変わってゆく太陽。
ページを繰る手にチカラが入る、文字を追う目が先を急ぐ。
息を止めてメロスと共に駆け込むセリヌンティウスの待つ処刑場。
信じる事と認める事・・・愚者と思われた王を気付かせたモノは
単純だけど簡単には受け止め難いヒトの思い。
振りかえって我が身をたださずには居られない
さすがは名作。さすがは「ダザイ」。
さすがはACM俳優「マンこば」・・もとい、「小林ユウスケ」の演技!?
塩谷サン、真智クンにも拍手喝采!!!