瑛の誕生日(高校生ラスト)<瑛&みんな編> | Sweet Sweet Love Story(恋愛小説&ときメモGS夢小説&詩)

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詩や恋愛小説とか書いてます。ときメモGSシリーズの夢小説・・・特にハリーこと針谷幸之進くんを中心に書いてます。
いくつになっても恋愛続行☆毎日ワクワク過ごすために☆

7月19日は われらが 〃佐伯 瑛〃 くんの誕生日☆

やっぱり 瑛あっての GS2・・・・ 私はハリーあってのGS2ですが(笑)

瑛がいなきゃ やっぱり始まらないもんネ(^^)ノ  そんな 瑛の誕生日☆

今回はどんな誕生日にしようかなぁ~~~~~


ときメモGS夢小説~ONEPIECEをめざして小説版~-瑛女の子に囲まれて

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『ブーブーブー』

『ピッ』

「もしもし?」

「あ・・・。瑛?」

「あぁ。なに?」

「あ・・・うん・・・。忙しかった?」

「忙しいに決まってんだろ。勉強と店の仕入れチェック。」

「・・・そう、じゃあ・・・。」

「あ!お、おい!待て。・・・なんか用があるんじゃないのか?」

「うん。」

「なんだよ?」

その時、ラジオから新しい日の始まりの音がした。

『ポーーーーーン』

7月19日午前0時。

「お誕生日おめでとう 瑛。」

「あ、あぁ、そうか・・・。今日、誕生日か。19日・・・。

すっかり忘れてた。」

「そんなことだろうと思った。」

「・・・おまえ、それを言うためにわざわざ?」

「うん、誕生日、最初のおめでとうが言いたくて。」

「ハァ・・・。」

「・・・ごめん?邪魔したね。」

「あ、い、いや・・・。そうじゃなくて・・・。」

「え?」

「・・・うん、サンキュ。」

「うん。」

「・・・・・・嬉しかった。」

「え?」

「一番最初におまえの声が聞けて。」

「瑛・・・。」

「あ、べ、べつに・・・、その・・・ふ、深い意味があるわけじゃ・・・。」

「素直じゃないなぁ。」

「うるさい。」

「ふふ。じゃ、邪魔しちゃ悪いから・・・。明日、あ、もう今日か・・・。学校で。」

「あぁ。おやすみ。」

『ピッ』

瑛の誕生日。

一番に声が聴きたくて・・・・。

明日、あ・・・、だから、もう今日だけど・・・・楽しみだな。

瑛くんの彼女、中村かおは嬉しさを噛みしめて眠りについた。


「あー、もう、どいつもこいつも・・・。ハァ。」

「おはよう、瑛。」

「あぁ、おまえか。」

「どうしたの?朝から、なんか憂鬱そうで?誕生日なのに。」

「誕生日?・・・ハァ。 別に。嬉しくもなんともない。」

「え?」

「・・・なのに、会うやつ会うやつ 〃おめでとう〃 って。

ハァ・・・。 もう休みたい。」

「素直じゃねーなー。」

振り向くと

「なんだよ、針谷。」

「せっかくの誕生日に、祝ってもらえるだけありがたいと思え。」

「うるさい。別におれは頼んでない。」

「そういうところが、素直じゃないって言うんだよ。」

「おまえに言われたくない。」

「まー、まー、ハリーも瑛くんも・・・。

あ、お誕生日おめでとう 瑛くん! そして おはよう!」

「あぁ・・・。」

「相変わらずのそっけなさだけどね。」

「うるさい。針谷と言い、小波と言い、なんだよ、朝っぱらから。」

「瑛くんの誕生日だから、祝ってあげてるんじゃん。」

「だから、おれは・・・。」

「はいはい、わかった、わかった。」

「針谷!」

「・・・ところで、今日の予定は?もちろん誕生日だからデートだよね?」

私はわざとらしく、瑛くんを覗き込む。

「なわけない。店だ。」

「え?また珊瑚礁?」

「当たり前だろ。夏はかきいれ時だっていっつも言ってんだろ?」

私につっかかる瑛くんを横目にかおちゃんを見る。

苦笑い。

・・・だよね。やっぱり予想通り。

昨年のサプライズ誕生日で、もう少し彼女想いになったかと思ったのに。

この頑固さは変わらないってことか。

「ふうん。じゃ、仕方ないから、かおちゃんは私が引き受けた。」

「は?」

「バイトあるんだっけ?」

「いや・・・。」

「じゃあ、いいよね?」

「別にどうぞ。」

「・・・素直じゃないなぁ。」

「うるさい。」

そう言って、チラリとかおちゃんの方をみた瑛くんだったが

さっと教室を出て行った。

「・・・やっぱりなぁ。あいつの意地っ張りは筋金入りだな。」

「ハリーも人の事言えないけどね。」

「う、うるせぇ。で、どうなんだ?段取り?大丈夫だろうな?」

「うん、ばっちし。」

「・・・今回もやるのね?」

かおちゃんの苦笑いに私とハリーはうなづいた。

「「もちろん!!」」


放課後

瑛くんは店があるからと急いで帰って行った。

ちょっとは、後ろめたいのか、彼女であるかおちゃんのことを気にしてはいたみたいだけど。

さて

私とハリーとかおちゃんは急いで珊瑚礁裏の海岸へ向かう。

砂浜では、ほぼ完成した小さな板の小屋が建っている。

「あ~、ハリーくんに、ようこちゃんにかおちゃん!」

中から、ペンキを付けた金髪の笑顔が出迎えてくれた。

「オウ!クリス! どうだ?」

「もう、バッチシやで! どうかな?」

そっと覗きこむと

中は、瑛くんの大好きな海の色、一色に塗られ、

まるで海の中にいるようだった。

「あれ?これって・・・。」

私が指さすと

「うん、人魚姫や。灯台の伝説の人魚。どう?」

クリスくんがほっこらしげに笑う。

「上手・・・・。」

隣でかおちゃんが感動してる。

「さすが、クリスくんだね。」

「うん。まかせてや!」

「おい!」

声をかけられて振り向くと

「志波くん!・・・・・ うわ~ 凄い。」

「これで、雨が降っても大丈夫だ。」

背の高い志波くんが、クリスくんが塗ってくれた板の上に屋根らしきものを付けてくれていた。

「佐伯、驚くぞ~!あ~なんか、ワクワクするな。」

ハリーが嬉しそうに笑ってる。

「そういう、ハリーが一番、喜んでんじゃないの?」

「ばかいえ、イベントつーもんはな、やる方も楽しまなきゃ、

来た方だって楽しくないんだつーの!」

「あ、確かに。」

「よっしゃ!ここは クリスと志波に任せて、花火買いに行くぞ!」

「え?花火やるの?」

「当たり前だろ?夏はやっぱ、花火だよ、花火!」

完璧に誕生会はそっちのけだな?

「・・・でもさ、珊瑚礁終わってからじゃ・・・遅くない?」

「そこは、任せろ!」

「え?ハリー、またなんかしたの?」

「マスターに今日は20時までって言ってある!」

「さすが、ハリー。ぬかりなしだね。」

「オウよ!オレ様の計画はばっちしだっつーの!」

みんなで色々提案して

今年は、浜辺で瑛くんの誕生会をしようって話になった。

当日、もしも雨でも大丈夫なように

臨時、海の家みたいな建物を作ろうと言うことになり

美術部のクリスくんにどうせなら瑛くんの好きな海の絵をお願いした。

廃材を簡単にかっこっただけの物だけど

これなら、ケーキだって食べれちゃう。

ケーキは、頑張ってかおちゃんの手作りだ。

ふふ。

瑛くんの驚く顔が目に浮かぶ。

こういうイベントごと大好きなハリーはしっかり計画・実行してくれた。

さすが、頼りになる。


時計の針はまもなく19時半をさそうとしていた。

「おい、瑛、店の看板をひっくり返してくれ。」

「は?まだ20時だぞ。」

「今日は、友達と約束があるから20時で閉店だ。」

「なんだよ、それ? 聞いてないよ。」

「はは。そうだったか?まぁ、付き合いも大切だ。」

「いい加減だな。まぁ、そういうマスターだから常連客も喜ぶんだろうけど。」

「ははは。」

「わかったよ。」

瑛くんは〃営業中〃の札を〃準備中〃にひっくり返した。

珍しく客もいず、店の片づけもすぐに終わった。

「じゃ、瑛、あとはよろしくな。」

そういうとマスターは店を出て行った。

「・・・ったく、じいちゃんは・・・。あれ?」

カウンターの上にメモ書きがある。

「夕飯に食べなさい。冷蔵庫に入ってる。」

「は?なんだ?」

マスターのメモを片手に冷蔵庫を開けた。

「げっ・・・・。」

中には、美味しそうなオードブルが色々・・・。

「・・・こんなに一人で食えっていうのかよ? ハァ・・・。

おれ、どんだけ大食いだ?

じいちゃんぼけちゃったんじゃないのかよ?」

そんなため息をついていると

『トントン』
店のドアを叩く音がした。

冷蔵庫を一旦、閉めて入口に向かう。

「おまえ・・・・。」

入口のガラスの向こうに見慣れた顔。

「瑛くん、店終わった?」

「あぁ、今日は、じいちゃんの都合で早じまいだ。

それより、おまえ一人でどうしたんだ?危ないだろ?」

「あ、うん・・・。ちょっといい?」

「あぁ、入れよ。」

「・・・じゃなくて、ちょっと来てくれる?」

「は?どこへ?」

「裏の海岸・・・。」

「海岸?」

「・・・いいから。」

かおちゃんが瑛くんの腕を取り歩き出した。


「お~~~、佐伯 来た来た!」

「針谷?・・・・・・ に 小波・・・・・。 志波、クリス、おまえらもかよ?」

「オウ!待ってた!」

「・・・なんなんだ?」

「いいから、いいから、こっち!」

ハリーの指さす方を向くと

「げっ! なんだ、この小屋みたいなの?」

「ほら、入れよ。」

瑛くんはハリーに押され、中に入る。

「うわっ!」

目の前に広がる海の色・・・・・。

小さなランプを点灯させてちょっと幻想的。

「どうや?瑛くん。」

「すごぃ・・・・・・・・。 クリスが書いたのか?」

「うん!がんばったで~。」

「・・・海の中みたいだ・・・・。!!!人魚が・・・いる。」

「うんうん、それは力作やで~。」

瑛くんが驚いてるところへハリーも入ってきた。

「よっしゃ、主役も来たところで始めるか?」

「な、なんだよ?」

「オマエの誕生会に決まってんだろーが!」

「針谷・・・・・・。」

「どうせ、オマエのことだから、珊瑚礁終わって

いつもみたいに明日の準備~とかして 終わるつもりだったんだろ?」

「・・・・。」

「・・・オレ達にも祝わせろ!」

「針谷…。」

「友達だろ?」

「・・・・。」

「一応な。」

照れくさそうな瑛くんの横顔。

「ふふ。じゃあ、乾杯しようよぉ~!」

私がクーラーボックスからジュースを取り出した。

「よし!じゃ、佐伯の誕生日を祝って!!!!!!!」

「「「「「乾杯~~~~~」」」」」

「「「「「誕生日おめでとう」」」」」

「「瑛くん!」」

「「佐伯」」

「瑛」」


「あ、そうだ!・・・・ こういうことだったんだ。」

「なんだよ?佐伯、突然。」

「いや、じいちゃん・・・マスターがおれに食べろってオードブルを作って行ったんだ。

それが凄い量で・・・・。みんなで食べろってことだんんだな。

・・・取ってくるよ。」

「オウ、じゃ、オレらも・・・。」

「ハリー!」

「ん?・・・あ、そっか。」

「かおちゃん、行ってきてね。」

「え?私?」

「うん、よろしくね。」

瑛くんとかおちゃんは二人で珊瑚礁へ向かった。


「・・・・・サンキュ。」

「え?」

「またサプライズされちまったな。」

「ふふ。ハリーとようこちゃんらしいでしょ?」

「まあな。」

「誕生日なんて、別に嬉しくもなんともないと思ってた。

・・・でも、こうしてみると、いいもんだな。 誕生日ってのも。」

「瑛・・・。」

「おまえがいて・・・みんながいて・・・。」

「・・・・・うん。」

「・・・・・おれ、はね学に行って良かったよ。」

「瑛。」

「・・・、さて、急ぐか!」

「あ、うん、ま、待って!」

「遅い!」

階段を急いで上る瑛くんの後をかおちゃんは追いかけた。



さすがマスターの料理は美味しい!

みんなで食べるからさらに美味しい!

瑛くんのこの上ない笑顔。

ハリーとクリスくんのやりとり。

甘いものに期待感たっぷりの志波くんの顔。

嬉しそうなかおちゃん!

みんながいる夏・・・瑛くんの誕生日。

本当だ。

ハリーの言うとおり。

イベントはやってる本人が楽しくないと

来た人は楽しくない。

瑛くんの誕生日だけど、本当、みんなが笑顔いっぱい。

「ケーキ・・・。おまえが作ったのか?」

少し驚いた顔の瑛くん。

「そうだよ。ケーキくらい作れるよ。」

「ま、まあな。珊瑚礁でおれの手伝いしてりゃ、それくらいは覚えて当然。」

「ひどいなぁ~!」

「早く開けようぜぃ!」

ハリーが瑛くんとかおちゃんの間に割って入る。

「おれも見たい。」

志波くんの嬉しそうな顔。

「うわ~!かおちゃん手作りやて?楽しみやな~!」

みんなの期待いっぱい!

かおちゃんがケーキの箱を開いた。

「「「「「うわ~」」」」」

凄い。

フルーツたっぷりタルトケーキだ。

夏っぽくていい!

マジパンで作ったであろう貝殻やお魚たち。

瑛くん大好きな海のイメージだな。

「うわ~ケーキも海やな~。本当、瑛くんの好きな海がたくさんや!」

クリスくんは塗った壁を見まわして嬉しそうに笑う。
「よっしゃ!歌うか?」

「「「「「え?」」」」」

ハリーがギターを取り出した。

「誕生日なんだから、当たり前だろ?・・・ほら。」

ハリーの弾くギターはやっぱり素敵だな。

〃ハッピーバースデー TO 瑛くん〃


「じゃ、花火しようぜぃ!」

たくさん食べて、たくさん飲んで、ケーキも満足して

おなかいっぱい!

そんな中

ハリーが買ってきた花火を持ち上げてみんなに言う。

「わ~、ハリーくん凄い。花火買ってきたん?」

「当たり前だろ?夏は花火に決まってる。」

「わ~、やろやろ!」

「花火か・・・。打ち上げ買ったんだろ?」

「まかせろ!志波!」

ハリーの掛け声に、みんな浜辺に出て

花火をセットした。

夏の夜空に開く花。

瑛くん誕生日は、小さな花火大会だ。


最後の打ち上げ花火が上がって

あたりがまた暗がりに戻った。

みんな満足げな顔だ。

「じゃ、帰るか?」

ハリーは終わった花火の抜け殻を集めて言った。

「そうだな?・・・おれはトレーニングしながら帰る。」

志波くんもハリーを手伝いながら伸びをした。

「じゃ、二人はこれをやってから帰ること。」

私は残った〃線香花火〃を瑛くんとかおちゃんに手渡した。

「線香・・・花火?」

「そそ。二人で最後楽しんで。」

きょとんとするかおちゃんにウインクした。

「じゃ、佐伯、ここの片づけは明日の昼間やっから~。

じゃあな!あとよろしくなぁ~。」

ハリーが瑛くんの肩をぽんと叩いて歩き出した。

「ほな、明日、学校でな。瑛くん!」

クリスくんも笑った。


みんなが去った浜辺は、やけに波の音が響く。

瑛くんとかおちゃんはそっと線香花火に火をつけた。

「みんながくれたから・・・せっかくだしね。」

「・・・・・なんだよ。おまけかよ。」

しぶしぶ顔だったけど、まんざら嫌ではなさそうな瑛くんが

線香花火を手に取った。

「綺麗だよね。線香花火って。」

「儚いけどな。」

「もう!」

ちょっと膨れたかおちゃんのほっぺを瑛くんがつつく。

「・・・本当、今日はサンキュな。」

「どういたしまして。」

「いいな、こういうのも。」

「え?」

「・・・これからも ずっと こんな楽しい誕生日が

迎えられたらいいな。」

「瑛・・・。」

「・・・おまえと。」

「瑛・・・・。お誕生日 おめでとう。」

線香花火の光がそっと揺れて二人を包み込んだ。



お誕生日 おめでとう 瑛☆




<瑛の誕生日(高校生ラスト)<瑛&みんな編> 完>