若山教授は共同研究開始後1年半経て手法変えたところキメラ成功 | ぼくはくま

若山教授は共同研究開始後1年半経て手法変えたところキメラ成功

(発見 STAP細胞)万能細胞、三様の役割 ES・iPSと比較:朝日新聞デジタル


http://digital.asahi.com/sp/articles/DA3S10964598.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S10964598

 ■「先祖返り」の技術が生きた
 STAP細胞でキメラマウス作製に成功し、万能細胞であることを立証した若山照彦山梨大教授(46)に聞いた。
     ◇
 ハーバード大から作製を頼まれた時「できっこない」と思った。外部からの刺激だけで万能細胞になるなんて信じられなかった。でもむちゃな実験が好きだから引き受けた。
 キメラマウスを作るには、マウスの胚に候補の細胞を注入して育てる。ES細胞などでは、細胞の塊を酵素処理し、ばらばらにして使うのが普通だが、その手法ではSTAP細胞はさっぱり胎児にならない。失敗続きだった。
 共同研究を始めて1年半たったころ、手法を変えた。細胞の大きな塊を単細胞にばらさず、20~30個程度の小さな塊にして注入する方法だ。刃渡り1ミリの極小メスを顕微鏡で見ながら操作して切り分ける。細胞工学初期の60年代の技術だが、切り分けるのも注入も難しい。僕はその技を身につけていたからできた。
 すると、いきなり成功。体に取り込まれたSTAP細胞が緑色に光るマウスの胎児を見ても、すぐには信じられなかった。「先祖返り」の技術が決め手だったと思う。