マリー・アントワネットの首飾り [DVD]/ポニーキャニオン
¥価格不明
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THE AFFAIR OF THE NECKLACE

2001年アメリカ映画 カラー 118分

監督 チャールズ・シャイア

出演 ヒラリー・スワンク サイモン・ベイカー エイドリアン・ブロディ ジョナサン・プライス ブライアン・コックス ジョエリー・リチャードソン クリストファー・ウォーケン ヘイデン・パネッティーア


 

かつて5代にわたって王位に就いていた名門ヴァロア家は、政敵の罠にはまり、消滅してしまう。父親が王室反逆罪に問われたのだ。ヴァロア家の娘ジャンヌは、9歳にして孤児になる。15年後、大人になったジャンヌ(ヒラリー・スワンク)は、ヴァロア家の名誉を回復し、生家を買い戻すことだけを決意する。ニコラ(エイドリアン・ブロディ)と愛のない結婚をして、ジャンヌ・ド・ラモット伯爵夫人として宮廷に出入りする。晩餐会で知り合ったジゴロのレトー(サイモン・ベイカー)は、彼女の企みを知り、手を貸す。やがて、壮大な企みが……。


 

フランス革命が起こるひとつの起点となった、有名な王妃の首飾り事件の映画化です。ヒロインは、マリー・アントワネットではなく、ジャンヌ。かつては、高貴な貴族であった復讐に燃える女性です。彼女は、結婚によってジャンヌ・ド・ラモット伯爵夫人として爵位を得て、マリー・アントワネットに近づこうとします。しかし、王妃に簡単に近づけるわけもありません。そこで、ジゴロのレトと、ある計画を思いつくのです。贅沢邦題だったアントワネットさえも買わなかった2800カラットのダイヤを使った究極の首飾りがありました。実は、デュ・バリー夫人のために作ったものだという噂もありました。ジャンヌは、王妃に好かれていないロアン大枢機卿に忍び寄り、首飾りのことを告げるのです。


 

王妃の首飾り事件のことは、『ベルサイユのばら』でも、詳しく描かれていましたから、この映画には興味津々でした。全体としては、ちょっとわかりにくかった印象です。ただ、ベルサイユ宮殿でロケをしたという背景の美しさと、ドレスの豪華さには目を奪われます。


 

肝心のジャンヌなのですが、ヒラリー・スワンクは割と好きな女優だし、この若さで2度もアカデミー賞を貰ったとてもうまい女優さんだと思います。ただ、フランス貴族というコスチューム劇には合わなかった、というのが正直な感想です。この作品は、ジャンヌの視点から描かれています。だから、ヴァロア家を復興させようとするジャンヌに、同情的になる部分もあるかもしれません。ところが、私の場合、『ベルサイユのばら』で、世紀の悪女ジャンヌを読んでしまっていますから、どうしたってこんなジャンヌじゃ物足りない。ニコラスだって、愛情があったかどうかは知りませんが、こんなものじゃない。おまけに、ジャンヌのところの使用人の名前がロザリーというおまけつきです。


 

サイモン・ベイカーは、いかにもジゴロという感じだし、霊視能力を持つと言うカリオストロ伯爵役にクリストファー・ウォーケンが出てくるし、キャストとしては面白い部分はあるので、私ほど『ベルサイユのばら』に毒されていない人なら、そこそこ楽しめる作品かもしれません。


 

しかし、この王妃の首飾り事件は、マリー・アントワネットには何の罪もない、寧ろ被害者だったのに、革命の火付けになったのは、アントワネットについては、非常に気の毒だったと思います。贅沢三昧なアントワネットでさえも、高額かつ豪華すぎて買わなかった首飾りなのに。私が、アントワネットに同情的で、ジャンヌ嫌いなのも、やっぱり『ベルサイユのばら』の影響でしょう。


 

ということで、映画の説明だか、マンガの説明だかわからなくなりましたが、歴史上の事件として、マリー・アントワネットの首飾り事件は知っておいて欲しいものだと思いますし、前述しましたように、衣装や美術としては素晴らしいので、興味がある方は是非ご覧ください。


 

トレイラーです。