将棋ブログだけではなく、世の中的にも今年の棋戦で注目度が高い第48期新人王戦が終了しました。もちろん藤井聡太四段(15)対佐々木大地四段(22)ということで、今年の将棋ブームの立役者が、他の棋戦では冠位は獲れなくても、新人王は最も勢いがある若手が獲る棋戦なので、順当に勝ち上がっていくとみていましたが、敗北を喫しました。

 

不甲斐ない、研究されてしまっていて弱いという見方も少なくないですが、どうでしょうか?ちなみに現在の佐藤天彦名人(29)も棋戦での初優勝は新人王戦で、新人王戦での優勝は2回もしている。しかし他の棋戦での優勝は殆どなく、叡王戦と新人王戦のみである。順位戦はA級であるからに実力者であることは間違いないが、必ずしも棋戦で優勝するだけが強さではないのは事実。

 

佐藤天彦名人の場合はフリークラスへの権利がありながらも、プロ入りではなく、再度、三段リーグに挑んだ苦労人。もちろんプロとしても順調だったわけではないが、やはり地道に力をつけて、名人として君臨することができるようになった。自分自身もプロになっても苦戦してでも自分自身のスタイルを固めていくという意思をインタビューで語っており、その成果が今の名人位獲得に確実につながっていると将棋ブログも思う。


そういう意味でも新人王戦での優勝は今後の将棋界での自分自身の立ち位置を決める重要な棋戦であると考えられており、今年の優勝は逃したものの、早期に新人王戦での優勝がなければ、藤井聡太四段の快進撃はあくまでも一時的なまぐれで藤井フィーバーで勝てただけ、と言われても仕方ないかもしれない。

まだまだ棋風が固まっていない藤井聡太四段であるが、佐藤天彦名人のように、数年後を見据えて、きちんと考えていかないといけないだろう。過去の中学生プロ棋士は実力者ばかりだったので、安心していると、他の若手棋士もだまってはいないだろう。

 

とくに30代~40以上のプロ棋士はそうでもないだろうが、20代の若手は藤井聡太四段だけに注目が集まることに違和感を抱いているだろう。実際に藤井聡太四段がどれだけ強いのか?
と言われると疑問視する声も少なくない。棋譜だけで判断できるものではないし、藤井聡太四段対策は着々と進んでいるはずなので、来年は厳しい戦いが待っているはずである。

 

そんな中で今年、勢いで新人王戦を獲っておけばマスメディアの注目だけではなく、自信にも大きく繋がったはずなので非常に残念、残念の一言しか出ない。

逆に藤井聡太四段に勝った佐々木大地四段はここで新人王戦で優勝しないと、意味がないだろう。佐藤天彦名人とは逆にフリークラスから順位戦にのし上がってきた雑草魂の強さを見せてほしいところ。

そういえば、話は大きく変わるものの、個人的に推しているのは、今泉健司四段(44)だ。順位戦で4勝となり、快進撃である。41歳でフリークラスでプロ入りし、順調に勝ち星を挙げ、44歳の現在は藤井聡太四段と同じ順位戦で戦っている。

そんな中、第30期竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局が2017年9月8日に千駄ヶ谷の将棋会館で開始となった。もちろん、このカードは羽生善治二冠(46)対松尾歩八段(37)である。1勝1敗となっており、泣いても笑ってもこの勝負を制した勝者が渡辺明竜王(33)への挑戦権をゲットできる大一番である。

現在、松尾歩八段の先手で横歩取りという展開になっている模様。来週、この対局については当ブログでも積極的に触れたいと思っています。

羽生善治二冠が竜王奪還を達成してしまうのか?新人王戦優勝のみの不遇の松尾歩八段がこのチャンスを獲るのか?期待に胸が膨らみます。個人的には松尾歩八段に第30期竜王戦挑戦者になって欲しいですが、実力では羽生善治二冠の方が渡辺明竜王より強いので、羽生善治二冠に挑戦して欲しいと思います。

去年の将棋騒動を巻き起こした渡辺明竜王が失冠しないで、生き残るのは、将棋界にとっても良いとは言えないでしょう。
 

ちなみに第48期新人王は藤井聡太四段の優勝を期待していたので、優勝者の予想は難しいです。若手のホープが勝ちあがってきていますが、斎藤慎太郎七段(24)で決まりでしょう。